最終更新日 2023.02.20
1月中旬、沖縄最大規模の観葉植物農家「福樹園」に行ってきました。また沖縄の露地で見つけたクロトンについても少し触れてみたいと思います。
福樹園(ふくじゅえん)とは
沖縄最大規模の観葉植物を出荷、販売される園芸農家さんです。主に沖縄中部のうるま市に大きな農場があります。2022年の愛知花友フェスタに出展され、YouTuberでもあるらしい島袋園長とお話できたのが印象に残っていたので、こちらの農園が同敷地内に出店されているAoNoKiにお邪魔してみました。
ここの敷地の辺り一帯が、観葉植物の生産地となっており、車で走っていると、あらゆるハウスから観葉植物が顔を出していました。露地の畑にも幼木が所狭しと植わっています。
福樹園の入り口らしい場所はなんとなくわかったのですが、特に看板らしいものが見当たらないので、ちょっと躊躇。出荷作業中のスタッフの方に入っていいか確認してお邪魔しました。
敷地内の倉庫や温室が建ち並ぶ中のひとつに、ショップAoNoKiの温室1棟(連棟)が一般向けに開放されていました。写真はハウスの真ん中付近から撮影したので、実際は右側にもっと広く、奥にも長いです。
亜熱帯の定番な観葉植物
エバーフレッシュ(マメ科)
高知の団地で、マメ科の樹木を少し紹介しましたが、同じマメ科でも、エバーフレッシュが、本州では、オーソドックスな観葉植物のひとつかと思います。
エバーフレッシュに限らずですが、さすが沖縄、どの樹木も主幹が太い!がっちりしていて、たくましいです。葉も大きく、その色も濃く、しっかり枝葉を広げています。一方の本州では、一年中、部屋の中で管理される植物たちは、ひょろひょろに徒長しているのが普通の光景で、それに見慣れてしまっているように思います。
確か、愛知で島袋園長とお話させてもらったときは、鉢から伸びた根をそのまま、地面に伸ばさせて、樹形をしっかり作ったら根を切る、というお話だったように記憶しています(実際YouTube内でもそのような説明あり)
(一部文章修正しました)一方、沖縄現地の福樹園スタッフさんによると、畑に地植えしたものを掘り起こして鉢上げ(=畑などから鉢に植え替え)するとのこと。園長との説明が食い違っているようにも見えますが、品種等に寄るのでしょう。全国の樹木農家さんも、恐らく同じようにされているのではと思います。
それから、樹形がうねっているのは、意図して曲げてあると思います。ストレートの幹が好みの方もいらっしゃるでしょうが、これもまた趣がありますよね。力強い生命力を感じます。うねらせた分、樹高も抑えることができて、枝もより広い範囲に張り出すことができているんじゃないかな。
こちらは愛知の花友で展示されていたAoNoKiのフィカス・ベンガレンシス。いわゆるゴムノキです。これで5~6年生なのだから、圧巻です。
ストレチア・レギネ(或いはストレリチア・レギネ)(バショウ科)
デカっ!
これをまさか見上げるとは。。沖縄の植物はなんでも大きいのです。もしずっとこの場所で管理されていたのであれば、株元は少し暗い感じなので、光を求めて、とにかく上へ上へと伸びたのかな。ここまで大きくなると、葉の形状は、確かにバナナ(バショウ科)に似てきますね。そしてバナナ特有の偽茎(幹のような部分)はこちらにありません。ありませんというか、株元部分が若干、葉が重なりあって、似たような雰囲気にはなっているのかも。
そして地上部と根のバランス~~w
鉢はこんなに小さくても大丈夫なんですね。根っこが出ちゃってますよ~
わたしはこの植物を以前育てたことがあり、1年も経たないうちに室内で見事に枯らせてしまいました。ある日、葉を見たら枯れかかっていたんです。慌てて水を与えるも、あれよあれよという間に、全ての葉を落としてしまいました。。
福樹園さんに、ストレチアの水管理法を伺ってみました。
1)土を触った感じや鉢の重さで乾きを判断
2)土中水分チェッカーで土内部の湿り気を判断
なるほど、基本中の基本ですね。
実際、あげるとなれば、鉢底から水がたっぷり流れ出るまで与えて、受け皿にたまった水はすぐに捨てます。そうしないと、いくら水はけがよくても水に浸かった状態になってしまいます。
福寿園さんも私の過去の対応に「水が足りなさすぎか、あげすぎて根腐れのどちらかでは?」とのことでした。私が水が足りないと思った以降は、逆に水をあげすぎていた恐れもあります。根っこが死んでいなければ、復活もあったでしょう。とにかくぱっと見は、植物の健康状態がわかりにくい植物のひとつです。
ちなみにわたしが買った鉢を紹介したかったのですが、楽天市場「e-花屋さん」のストレチア・レギネ(2017年当時3,000円前後)は、長らく売り切れたままなので、参考までにランドプランツさんへリンク。こちらも可愛いらしいショップさんです。本州でのストレチアのイメージは、このぐらいのサイズ感かと思います。ちなみに、グランドカバーに軽石のようなものを使用されており、おしゃれで、乾きにくいメリットもあるでしょうが、土の現状が把握しにくいかもしれません。
高知の西島園芸団地では、ポット苗を500円で売ってましたが(安っ)また枯らせてしまいそうなので、やめておきました。。ストレチアの水管理ができるひとは、尊敬します。そして、なかなかの上級者だと思います。
ちなみに、こちらはIKEA店内からの写真ですが、これで3,999円。販売名はゴクラクチョウカ(ストレリッツィア)。このように実は割と身近に販売されているんですね。
ところで、高知でバナナを見て以来、バナナ栽培に急に興味がわいてきて、耐寒性の強い「アイスクリームバナナ」の商品画像をよく眺めているですが、、いかんせん高額なので、まずはストレチア・レギネで水やりの感覚を身に着けておく必要があるように思えてきました。。これは今すぐ団地に行くしかない!?
不思議な容姿が最近気になるクロトン
クロトンという植物をご存じでしょうか。
一見すると、葉焼けか肥料不足?と思わせるような、奇抜な葉色をしていますが、これで正常です。テレビで「セブンルール」というバラエティ番組がありますが、スタジオ美術の生植物の中に毎週使用されています。植物の配置が収録ごとに変わっているようなので、少し気にしながら見てみてください。テレビでは、主に目立ちすぎない、落ち着いた色のクロトンが使用されています(派手な色模様の回もあり)
トウダイグサ科で、これも亜熱帯系の植物です。本州であれば、冬越はゴムノキ同様、室内必須です。ただ年中、室内に置いたままだと、光合成に必要な光が得られないでしょう。わたしの知り合いBは、1万円弱で買った大きな鉢を枯らせてしまったとのこと。。金運アップの効果があると聞いて購入したらしいですが、いろんな意味で残念な結果ですね。。そもそも風水において「部屋の〇〇に置いた方がいい」ということ自体が、この植物には合っていないように思います。寒くない時期は、外で元気に育てたい植物です。
ちなみに、うちの近所のホムセンでは、確か、ひと鉢1,500円ほどで、昨夏、ほこ型葉のクロトンが販売されていました。小さい鉢ならそこまで高いものではありません。
沖縄滞在中は、本島南部にある八重瀬(やえせ)町も少し歩いてみたのですが、道路の街路樹、あるいは、お墓の周りにもかなり植わっているのを確認しました。
ちなみに、クロトンは、葉の形状で大まかに分類しているようです。
福樹園さんによると、(沖縄のような年間通して温暖な地では)放っておいても、丈夫に育つため、特にお墓のような場所に多く植えられているのではないか、とのこと。
本当にどこにでも植えられているというか、わさわさ生えてます。園芸店や植物園に行かなくても、本州では珍しい、そして旺盛な植物を見られるのは、沖縄あるあるです、と福樹園さんのお言葉。
沖縄のクロトンについて、わたしが気づいたのは、2種類ほどでした。他にもホコ型など多くの型があり、同じ型であっても、模様や色の付き方がまた異なるものが多様に存在しています。
参考までに高知西島園芸団地のクロトンもご紹介。
アケボノという名前の広葉型クロトン。葉の模様や色がまたさきほどとは全然違いますね。他の植物でもこのような雰囲気のものは、なかなか見ないのでは?これはこれで、また素敵です。
以上、クロトン特集でした。
まさかの買い物~まさかの機内持ち込み
福樹園さんは見学だけして帰るつもりでしたが、客はわたしだけで、スタッフの方と、長い時間、話をしたり質問したりしたので、何か買ってあげたくなりましたが、問題は、飛行機に植物を載せられるのか。
福樹園さんに確認したところ、機内手荷物であれば、荷物の三辺長さの許容値を超えなければ可能とのこと。ホントにーー?? ということで、予定外の買い物をすることに。
まずは植物選びから
そのスタッフさんの言葉を信じて、品定め開始。結果、ワゴンセールされていた品から2点と、実生のポット苗1点の、合計3点購入。お手ごろで、コンパクトで、軽そうで、多肉じゃないの。
・カポックコンパクタ(小葉・ウコギ科シェフレラ属)500円
・コンシンネホワイボリー(白の線葉・リュウゼツラン科=アガベの仲間)500円
・カニステル(長葉・アカテツ科常緑・実生苗)980円いずれも税込み
以上、お買い上げ~。安っ
ホテルへ持って帰ってくるときは、袋からわさわさとはみ出した植物の葉っぱが、周囲の目を引いて、ちょっと緊張?しました。確かにあまりこういうのを買って、ホテルに持ち込むひとは少ない(いない?)でしょう。
ホテルの部屋に、植物が飾られてるのなんて、見たことないので、ポンと置いただけなのに、なんだか妙に新鮮でした。器さえあれば、ちょっとした切り花とか飾るのもありだな~。
ただ、これら、いまどきの流行りの植物と比べれば、地味と言えば地味かもしれません。
カポックは、全国のホームセンターの室内コーナーに行けば、どこでも置いてあるような、恐らく注目度はかなり低い植物じゃないかと思います。バブル期かそれより前にでも流行ったんじゃないでしょうか。でも、この苗を見ると、気根がいっぱい出ていて、よく見ると、なかなか雰囲気がいいと思いまして。本場沖縄のガジュマルもいっぱい見た直後なので、その高揚感も手伝いました。(ちなみに彼の「セブンルール」ではカポックも大量に使用されていますよ~要は見せ方の問題でしょうね)
ホワイボリーも、恐らくホームセンターの室内に並んでいそうな気がします。ただ、3号ポットよりまだ小さい地下部から、指の太さぐらいの、不似合いな根っこががつんと出ていて、旺盛な雰囲気。またセロームと同じように管理すればいけそうな気がしました。葉や茎の形状もおもしろい。
カニステルは、聞いたことがなく、ただ樹形は、ぱっと見、アボカドに似た雰囲気のため、同じような管理で育てられるかも、と思いました。恐らく5月ごろに活動しはじめるだろうから、ばっさり切り戻ししてみようかと思います。実生苗から、果実は成りにくいと思いますが、写真で確認したところ、果実の形状は「黄色いビワ」といった感じでした。
植物を機内へ持ち込めるか
100均で買ってきた、ビニール製の深型の手提げ袋に、ほぼそのまま入れました。緑の葉は、気休めでスーパーの小分け袋に少しくるんだのと、白いホワイボリーは、マスキングテープで葉っぱを束ねて、できるだけ折り目がつかないように袋の中にねじこみました。わたしが普段、大根とか青ねぎを袋詰めする要領でw
この手提げ袋は、機内の荷物棚に横倒しすることになるので、土がこぼれないように、ティッシュでフタをして、マステでとめました。ちなみに下の土台は福樹園さんがポット苗が倒れないように使っていらっしゃるもの。ファーストフードのカップ立てだと思いますが、最近この上手い使い方よく見ますね。
購入時から土はからっからに乾いていました。出発前に水をやると、湿って何グラムか重くなり、また、手提げ袋が濡れて汚れるなど、いいことがない気がしたので、水は与えませんでした。
さて、空港では手荷物検査がありますが、ここで一度は調べられるものと思っていましたが、ノーチェックで通過できて、拍子抜けしました。一応、何か尋ねられたときのために、購入時のレシートを用意しておきましたが、保安検査員に疑われたときに、レシートぐらいで、問題ないことの証明になったのかは疑問です。
また、機内持ち込みの手荷物について、収納棚に仕舞おうとすると、座席の混雑状況や持ち込まれた荷物の形状によっては、詰めないと入らない場合があります。植物がつぶれないように養生をしておく方が安全です。わたしは100均のビニール手提げ袋に、ほぼそのまま植物を入れただけでしたが、結局、何の問題もありませんでした。
暖かい沖縄から、いきなり寒い本州へ連れてこられて、しかもあまり暖房を効かせていない我が家でのご機嫌は麗しいか、かなり心配しましたが、夜通し暖房をつけなくても大丈夫そう。しかし1週間後、急にカニステルの葉が、しょんぼり元気を失ってしまい、大寒波のせいか、水不足なのか、一大事でしたが、水をあげたら、すぐ元通りになりました。現在は、10日に1回の水やりにしています。植え替えはしていません。
ちなみに後で気づいたんですが、苗の土の成分に珊瑚を使ってあるように思います。白く見えるのがそれ。適度に保水性を持ちながら、水はけも抜群にいいのではと思います。この配合は沖縄ならでは。
おまけ(DAISO D-naha店)
Daisoへビニール袋を買いに行ったところ、本州と同じように、観葉植物が並んでいましたが、思わず二度見してしまいました。
ひとつひとつが立派!葉が大きく節間が詰まっています。本州では、完全に徒長のひょろ苗しか並んでいません。でも沖縄ダイソーなら、買う価値ありますね。
福樹園(物販部:AoNoKi)まとめ
沖縄最大級の観葉植物の農場。その中に一般の方も苗や園芸グッズを購入できる棟あり。
最近流行りの、というよりも、オーソドックスな観葉植物を中心に取り扱われている。ただし、沖縄の気候を活かした樹形と品質で栽培されていて、他店とは違った植物の力強さを感じるラインナップ。車でなければ行きづらい場所ですがぜひ。
<支払い>
・クレジットカードVISA、Master、JCB、AMEX
・ペイ系も一部対応。PayPay、LINE Pay、Oki Pay
<アクセス>
・バス+タクシー 本数は1時間に1本程度と少ないですが、バス111か117番で「旭橋バスターミナル」から45分「沖縄北インター」下車。そこからはタクシー移動で約10分。
・車 旭橋起点の場合、有料道路で45分
福樹園 (fukujuen.farm) 主に取扱う観葉植物の紹介など
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