最終更新日 2022.08.20
枯れた、廃れた、見放された・・そんな悲しい植物を復活させる「再生シリーズ」です。
シリーズ第4弾は、シダ植物の「ミクロソリウム・グリーンフレーム」
ミクロソリウム・グリーンフレームの再生状況と、今後の管理方法について考えます。
再生状況
22年5月末に購入後、すぐ植え替えました。全体的に、葉先が焼けていましたので、軽く手入れをしました。株分けも行いました。その後、どうなったかのリポートです。
ミクロソリウム・グリーンフレームとは

中米原生。ウラボシ科ヌカボシクリハラン属。
葉っぱは、針金のような太い葉脈が1本、あるいはY字に伸びているのが特徴的で、全体的に意外と堅い。Y字の形状がビカクシダ(ウラボシ科ビカクシダ属)を思わせる雰囲気。
抽水性のシダ植物(わかりやすく言うと稲、マコモ、菖蒲の仲間)にも関わらず、いつまでも根っこが濡れているのはよくないとの指南もあり。植物の置かれた環境は、千差万別。みなさん、ご自身の栽培環境でのお話をされるので、結果的に、みな違うことをおっしゃいます。。
再生状況

シダは、生きてるんだか、変化がなくて面白くないなぁと思っていたら、おや?
前回、葉の先端などで、黒く枯れた部分を、指で、ぶちぶちと雑にちぎったはずでしたが、ひだのように数ミリ伸びているのを、1カ所発見。
ひとまず再生に向けて一歩踏み出せたかな。
写真の奥の葉のように、切り口が、乾燥したものは、うまく再生できなかったようす。あるいは、葉そのものに、生命力がないのかも。葉色が黄変しかかっているものは、難しそう。

この葉の左下も、少し再生しているかもしれません。右側は黒く乾いています。
このように、2週間あれば、数ミリは再生できるのがわかりました。

植え替え時、出かかっていた新芽に、土をかぶせた状態にしましたが、すっかり地上に顔を出しました。ですが、一部、黒く焼けた部分があり、何か管理が不十分だったようです。特に水やりのことがひっかかります。
あと、風通しがよすぎる場所で、他の植物の日陰になっているものの、午後以降は、すでに、イヤな熱風を感じます。西日は当たらないようにしてあります。
せん定
前回の指でちぎるという”荒治療”と違って、今回は、消毒したはさみを使って、乾燥した切り口を切り取って、整えました。


植物は、はさみを適度に入れてやった方が、生命の危険を感じたり、成長の刺激になったりで、再生しようとするらしいので、怖がらずに手入れしてやるといいと思います。花も果実もつけないシダ類なので、その辺は気にせずに済みます。
今後の管理
迎え入れて、まだ2週間ですが、「水やり」で、随分もやもやしました。水をもっと与える方がいいか、控えめがいいか。この1週間ぐらいは、葉水だけにして、地中は乾かし気味にしたりと、迷走しました。
シダ植物は、水を欲しているのか、反応がありません。はっきりと反応が出るのは、枯れそうなときだけ。葉色が黄色くなったり、しおれてきたりします。その時に気づいても手遅れ。
そこで、中米の植物であることをヒントに、たとえば、キューバのハバナの気候を調べました。とある植物園の、渓谷の木陰に、シダ類がしっかり生えているのを、googleで確認。。
ハバナの年間気温は、8月を頂点とした、非常になだらかな山型のグラフを描いて、15℃~30℃辺りを推移する。日照は年間平均10~13時間。雨季は5~10月で、M字型のグラフを描き、7月ごろに雨は少し落ち着く。その月間降水量は平均で60~100mm、乾季でも30mmを維持。
これだけでも、なんとなくイメージは、できました。
このうち、降水量について、東京のものと比較した場合、東京の方が年間通して、毎月、ハバナの1.5~2倍以上も振っていることがわかりました。
これらを総合して考えると、
1)木陰などで、適度に日差しを遮る
2)酷暑期は、気温を30℃以下にする(気温10℃以下で室内)
3)土は適度に濡れた状態を保つ
4)葉水を与える
当面、排水性重視した土に対して、2日に1回の水やりにします。葉水は毎日おこないます。
液肥は、毎月の水やり計画とともに管理していますが、夏は、高倍率で希釈したものを、月2回与える計画にしています。何をどのぐらい与えるかが問題です。👉22年6月の水やり計画
固形肥は与えない予定です。