最終更新日 2022.07.21
枯れた、廃れた、見放された・・そんな悲しい植物を復活させる「再生シリーズ」です。
シリーズ第3弾は「西洋かぼちゃ」。
捨てられるタネ
カボチャ再生へのきっかけ
ゴミの減量化のため、野菜の生ごみをたい肥化したく、冬から段ボールコンポストを試しています。ただ、春以降、気温が上昇してからは、ごみが腐敗しやすいのを危惧、ごみをいれるたびに、土もそれなりに投入しなければならず、コンポストは休止してました。しばらく土を混ぜ返すのも忘れてました。
そしたら、かぼちゃの芽が2つ出てました。。生命力すご
ごみとして捨てたはずなのに、こんながんばって成長してるのを見ると、放っておけない。。
ただ、かぼちゃと言えば、ウリ科。わたしの栽培史上、最も苦手なウリ科が、よりによって、発芽してしまったわけです。。
ちょっと迷惑、うらめしい感じさえ、正直ありました。
先日「👉きゅうり栽培をおすすめしない」を熱く語ったばかりですが、じゃあ、逆に、今、本気でウリ科に取り組んだら、成功するの??。。仲良く並んだ双葉を前に、ふと考えこんでしまいました。
もうウリ科を育てない方がいいかも・・そんなこともかつて考えましたが、双葉を広げたかぼちゃを前にして、急遽、再挑戦する方に気持ちが傾きました。
なぜ発芽できたか
タネの発芽条件のすべてがちょうどうまくそろったんですね。ただ、コンポスト内に適当に放置しただけなので、よくそろったなと思います。条件としては
1)たい肥化するため、コンポストの土に、深すぎず浅すぎずの深さに、タネが埋められて
2)土の発酵を促すための水やりや、自然の降雨で湿度が適度に与えられ
3)生ごみがあるにも関わらず、フタをせず、日光にさらされており。。土中の温度もそれなりに上昇したと思います。かぼちゃの発芽適温は25~30度。
そもそも、タネのような分解されない硬いゴミをコンポストに入れるべきではないんですが、わたしがズボラだから、タネも一緒に捨てられるのは自然なことでした。
そして、台所でかぼちゃをざく切りしたとき、硬いタネの殻の端に、ほどよく切り込みが入ってたのもあるんじゃないかと思います。
西洋かぼちゃとは
南米原生、ただし産地不明、冬場はメキシコ産が多く並んでいたような気がする。
ウリ科、品種不明
つるっとした表皮で、スーパーでよく見かけるかぼちゃ。
肝心の栽培は、そう簡単ではありません。ウリ科の仲間なので、ご多分に漏れず、とにかくデリケート。何か負の要因があれば、すぐに枯れこんでしまいます。
再生へ
植え替え
コンポストに生えてきた苗を、プランターに植え替えるという、いきなり高難易が要求される植え替えです。
本葉3~4枚が定植適期とされているので、それまでに移植をしなければ、根っこが広がりすぎて、作業が困難になります。とりあえず、ポットに移動。
ところが、土がもろく、根元がバラバラと崩れ落ちてしまいました。ヤバっ!
根が張ってない段階で触るのだから、当然と言えば当然です。同時に、市販のウリ科のポット苗の土が、他の野菜と比べても、かなりふわふわでやわらかいのを思い出しました。空気を含んだ土が好きなんでしょう。そういう意味でもよく条件が揃ったと思います。
続いて、プランターと土を用意します。
しゅんぎくの植わっていた土を使います。栄養分を吸って、ほとんど残ってない状態の土を使いたい。しゅんぎくはキク科なので、連作の心配もなし。
土も完璧
と思いましたが、この植え替え2日前に、液肥やりの日だったのを後で思い出した。。やってしまった
それから、用意した肥料は、塩化カリと、BM溶リン(微量元素を含む)。
さらに、カニガラ(4-4-0)
これらを鉢底に敷き詰めました。とにかく、窒素を極力与えないようにしました。つるボケ防止とうどん粉病回避のためです。鉢底に敷いているので、根っこがある程度大きくなった時点で、ようやくこれら養分を吸収しはじめることになります。
さらにさらに、土の改良剤として、もみ殻くん炭とゼオライトを加えました。いずれも、酸度調整や、保水性、排水性、通気性などの機能があります。
バークたい肥や、完熟牛ふんたい肥も加えて、土のボリュームを増やしながら、ふかふかの土に戻していきます。
そして、プランター栽培にも関わらず、土手を作ります。
藤田悟先生は、畑のカボチャ栽培で、必ず火山の噴火口のような”うね”を作られるのですが、これは、畑の土の配合を変えずに、水はけをよくする工夫だと思います。わたしもこれをマネました。かぼちゃの根っこは、円錐状に伸びていくので、火山型のうねは、納得です。
左右それぞれに苗を1本ずつ植え付けました。どちらか一方が成功してくれれば十分です。
苗がひっくり返っています。コンポストからポットへ移動させた際、根っこが崩れたので、もう自立しません。ですが、結果的に、これでOKです。まっすぐ立ち上がろうとして、根っこがいっぱい出るはずです。
ちなみに、この苗、双葉がなぜか3つあるので、三つ葉ですね。こんなの初めて見ました。
このとおり、翌日には自力で元に戻りました。
置き場所
朝日と日中の太陽が、よく当たる場所にします。西日からは遠ざけました。
以前、スナップエンドウが鎮座していた場所を使用します。ネットもそのまま使用して、葉茎をのばしていきます。そのまま葉茎を自由に地面に這わせたら、とんでもない広さが必要になってしまいます。
年間の水やりプラン
プランター栽培なので、水やりは、他の植物と同様、水がかれる前にたっぷり。
追肥方法は、何をどの程度与えるか、少々迷いましたが、これも他の植物と同様、液肥を週1回ペースで与えることにします。固形肥は無しで。
ただし、液肥は、ハイポネックスよりも、さらに窒素のすくない「MyROSESばらの液肥(住友化学園芸、4-7-5)」を与えます。こちらは、ミネラル、ビタミンなどの栄養素も豊富です。