最終更新日 2023.02.07
我が家の鉢バラは、2022年秋に黒点病(黒星病)を盛大に発症させてしまいました。。
今後の具体的な対策と、黒星病に強い品種や、普段の管理で耐病性を上げる方法の紹介もあります。
黒星病(くろほしびょう)
主にバラの葉に現れるカビの症状として紹介しています。なお、黒星病と黒点病は同じ糸状菌による症状ですが、ここでは、黒星病はバラ科のカビ症状、黒点病はミカン科の果実のカビ症状として分離します。
黒星病とは
バラに限らず、バラ科(サクラ・サクランボ・リンゴなど)の植物に広く発症し、主に葉に黒い模様のカビ菌(糸状菌)が発生する。
現在の農薬では、残念ながら殺菌はできないが、菌の活動を抑制して、発症を抑えることはできる。具体的には、黒星病対応薬剤スプレーで、定期的に株や土の消毒を行う(薬剤で洗い流すイメージ)。また、菌に耐性をつけさせないために、2~3点の商品でローテーションを組む(例えばEBI系の薬剤をひとつ使い切ったら、新たにミクロブタニル系の薬剤を使うという意味)。その他、考えられる対策は下段で。
我が家での発症の経緯
ユアインネルンアンブロから少しずつ発症していたのをわかっていながら、思い切った対策を取らず、隣接する株へ徐々に広がることを許してしまい、栽培中の4株、ほぼ全てに伝染させたと思われます。内、マッカートニーローズは、ギリギリ微妙なところで、発症せずに冬季を迎えた印象(寒さで葉が黒ずんだかもしれず、はっきりしない)。
我が家のバラの管理場所は、春夏と比べて、秋以降は、太陽光がほとんど当たらない場所となってしまっていました。これも病気を蔓延させたことに、強く起因していると思っています。日光が当たらなくなったバラは、急激に樹勢が衰えていました。四季咲きバラは、蕾はつけても、一度として咲くことはありませんでした。
私はこの病気をかなり甘く見てました。一度発症させたら、ある意味、終わりです。。(バラは強いので、対策すれば復活させることはできます)
品種別~黒星病へ耐性の強いバラ
我が家のバラは、楽天市場「ばらの家(ロサ・オリエンティス)」で購入しましたが、各商品ページに記載された病気への耐性は下記の通り。
購入時の判断としては、「弱い部類でなければいいかな」と、基準が甘かったです。
△ユアインネルンアンブロ 普通
△つるサマースノー 普通
△レオナルドダヴィンチ 普通
〇マッカートニーローズ 強い
購入の際から、できるだけ、病気に耐性のある品種を選ぶこともとても大事な作業。大規模ローズガーデンなど、大量のバラを管理されている環境下では、こういった条件を相当に重視されていると耳にすることがあります。
ちなみに、2021年5月23日に放送された「趣味園」バラの回、ゲストは確か木村卓功(ロサオリエンティス)さんで、黒星病にとても強いバラの品種を8つ教示されていましたので、焼き直しにはなりますが、紹介させていただきます。せっかく長く一緒に過ごすなら、店頭で一目惚れしたバラもいいのですが、日常の管理でがっかりうんざりする結末を迎える可能性が高いのであれば、こういった強い品種を積極的に選びたいところです。
〇レヨンドゥソレイユ(四季咲き・狭い場所で)→耐性は「強い」・黄色の花=虫が寄りつきやすい
◎マイローズ(カップ咲き・広い場所で)
◎パートナー(つる性・フルーツ性の香り・広い場所で)
〇雨にも負けず(リバーシブルピンク・広い場所で)→耐性は「強い」
・トロイメライ(淡色・大輪・強香)
◎メルヘンツァウバー(淡色・大輪)
〇クードゥクール(淡色・豪華・小輪・バラらしくない)→販売休止中
◎シャドウオブザトーン(淡色・シンプル・小輪)=グリGO苗木部
木村さん曰く、品種選びに加えて、バラの花は、五分咲きで摘む(花のついた枝半分でカット)ようにすることもすすめられていました。これは、株に夏バテさせず、長く株の元気を保つための秘訣で、結果的に病気にかかりにくい状態を保つことにもなるというものでした。咲いたまま放ったらかしにしている方は実践してみましょう。
発症してしまった場合の対策
1 感染した葉を早急に取り除く(袋に入れて焼却。株元の落ち葉を残さない)
2 薬剤を葉の表裏、茎、土にたっぷりと定期的に吹きかける
3 鉢植えの場合は、株間を十分空ける
(発症後の鉢移動は、却って、菌の移動を助けることになりかねません)
4 水やりによる土の跳ね返りをグランドカバーで抑える
5 太陽光を確保しつつ、軒下に設置など、雨にできるだけ当てない
6 窒素成分(N)の低い施肥を心がける(発症前から気をつけたい)
7 土の入れ替えをした際、他のバラ科の土と接触させないようにする
8 せん定や移植ごて、手袋など使用した道具は除菌する
9 バラを一目惚れで買わず、病気に強い品種かどうか調べてから買う
除菌フライデーとは
「第1金曜日は除菌の日」に我が家で設定しました。ダジャレ、、ですね。
もちろん、定期的な追肥や水やりと、同じタイミングで、除菌作業をやってもOKです。ただし、せっかくスプレーした薬剤を水やりや降雨で、洗い流すことのないようにしましょう。
薬剤は定期的に散布することで、菌の活動を抑える効果があります(現状の技術では、殺菌効果は得られない)
毎週、除菌作業をされる熱心なバラ愛好家もいらっしゃると伺ったことがありますが、住友化学園芸の牛ちゃんに直接伺ったところ、月1回でも大丈夫ではとのことでした。
黒星病まとめ
・黒星病にかかったバラは、対策さえ施せば、元気なバラとさほど変わらない状態で長くつきあっていくことはできます。あきらめずに、簡単なルールを守って、バラの栽培を楽しみましょう。
・黒星病にかかっていないバラは、とにかく、菌を繁殖させない環境づくりにつとめましょう。また、バラの品種選びも重要です。店頭で適当に選ぶことはできるだけ避けましょう。