枯れた、廃れた、見放された・・そんな悲しい植物を復活させる「再生シリーズ」です。
シリーズ第2弾は「カランコエ・プミラ」。
カランコエ・プミラとは
多肉植物のひとつ。マダガスカル原生。葉っぱが、小さな羽のような形状で、うっすら白い粉をまとい、白銀に見えることから、いわゆる「シルバーリーフ」として知られています。
早春には、可憐な花を咲かせます。
さて、見事、再生なるでしょうか。。
枯れたカランコエ・プミラ
枯れた経緯
確か、21年早春、ピンクの小さな花をいくつかつけたあと、株が急激に勢いをなくしました。葉の張りがなくなり、全体がやせ細り、活きた葉っぱが一枚もなくなったように見えました。
そして、なぜか処分することなく、屋内の縁側(くれ縁)のすみに、当時の枯れ姿のまま放置。時間だけがすぎました。
再生のきっかけ
22年5月初めに、ふと確認したところ、枯れた茎の途中から根っこが飛び出し、頂上部に新しい葉がいくつかついているのを偶然見つけて驚きました。
発見と同時に、栽培に適した環境がおぼろげに見えましたので、その環境で再生させてみることに。
実に、1年以上、ガラス越しの日光は差しながらも、水が一切与えられない状態で生き延びていたカランコエ・プミラ。強烈な生命力です。
枯れた原因の推察
そもそもなぜ枯れたか。原因は5つ考えられます。
1)土が少ないので根が張れていない
2)花を咲かせて株を疲れさせた
3)枯れそうなのでさらに水を与えた
4)屋内の窓辺で栽培
5)植物の特性が自分とあわない
さらに、くわしく考えます。
2)花を咲かせて株を疲れさせた
植物が体力を使う前までに、ある程度の大きさの鉢に、植え替えしないなら、花前に、つぼみを摘んだ方がよかったかもしれません。
3)枯れそうなのでさらに水を与えた
葉がしょんぼりしていると、反射的に、水を与えてしまいますが、それが逆効果に。
根が濡れたまま、水を与えても、効果が出ません。根が乾いて初めて、水を求めるからです。
なぜ、根っこが濡れたままだったか。
「水やり回数が多い」「土の保水性が高い」「寒い時期は水を吸い上げない」点が考えられます。
4)屋内の窓辺で栽培
この品種は、雨に当てない方がいいという知識を持っていた点は大きな理由です。雨の度に室内に取り込む訳にいかなくなり、屋内栽培が常態化してきました。
冬になると、ますます暖かい室内に置いたままでした。
5)植物の特性が自分とあわない
私にとって、多肉植物は、どこか苦手な印象がつきまといます。たとえば、水をあげても、他の植物に比べて、すぐに反応が見えるわけではありません。そうなると、何かトラブルが起きても「もういいかな」と簡単に諦めがちでした。
再生へ
自らの失敗で、一度はあきらめてしまいましたが、必死に根っこをのばしている様子をみると、それに応えるしかありません。苦手とか言ってる場合じゃありません。。完全復活に向けて、挑戦スタートです。
植え替え
土の中の根っこは完全に消滅しています。
よって、茎の途中から出た、極細の新しい根を活かします。
生け花のように、茎を固定しました。
その方法は、ペットボトルのキャップに、壁の穴埋め用パテを練り込んだだけです。そこに切り取った茎を挿します。
パテに挿すのは、茎が枯れて死んだ部分です。生きているのは、根っこから上だけ。ちなみに根の高さはそろえました。
これだけでも美しい。これも一種のエアプランツですね。
土は、手元にある資材を使いました。小粒赤玉土(あかだまつち)、鹿沼土(かぬまつち)、芽出し用土(ただし使用済み)です。いずれも肥料分は含まれていません。
土はできるだけ乾燥状態が保てることを期待して選びました。乾燥性>保水性です。赤玉土などは、保水機能がありますが、しっかり乾かしたい場合は、水やりで調整すればOKです。
置き場所
多肉植物なので、直射日光の当たる場所。と言いたいところですが、例外的に、カランコエ・プミラは、強い直射日光を避けることが推奨されています。
したがって、真夏は強い日差しを避けるか、半日陰が適当です。また、雨に当たらず、風通しのよいことも推奨されています。
我が家の場合は、玄関付近が最適。通るたびに、植物の状態が確認できるし、午前中は年間通して日がよく当たり、夏場には、厳しい日中の日差しもなく、一年通して雨もほぼ当たりません。
年間の水やりプラン
水は、できるだけ与えない予定です。月1回か、それ以下でもいいかもしれません。マダガスカルの原野を想像しながら、乾いた状態を保つようにします。
肥料は薄い液肥さえ与えないようにします。
将来的に、花を咲かせたいと思っても、株が充実するまでは我慢。年明けごろにつぼみを確認したら、早めに摘み取ります。