最終更新日 2022.07.21
枯れた、廃れた、見放された・・そんな悲しい植物を復活させる「再生シリーズ」です。
シリーズ第3弾は「西洋かぼちゃ」。
雌花の開花が始まったので、その処理のようすをみていきます。
更新情報(7/09)
・(22/7/09)苗1号第25節の人工授粉を実施
・(22/7/06)苗1号第22節の人工授粉を実施・病害虫の項目を追加
・(22/7/02)苗2号第15節の人工授粉を実施
生育状況
前回までの振り返り
5月中旬に、生ごみコンポストから救い出した西洋かぼちゃの苗を、プランターに植え替えました。6月末、うどん粉病が初期発生したものの、乗り越えて、順調につるをのばしています。
西洋かぼちゃとは
ウリ科、品種不明。
南米原生、具体的な産地不明。
スーパーで買ってきたかぼちゃのタネが、春の訪れとともに、自然発芽したもので、冬場はメキシコ産が多く売り場に並んでいたような気がします。つるっとした表皮で、スーパーでよく見かけるかぼちゃです。
ウリ科の栽培は、全般的に、そう簡単ではありません。水やりや肥料の過剰で、特に病気や枯れこみが発生しやすくなっています。また、水分不足は、結実不良に直結するため、大敵となり、何をするにもバランスの取り方が非常に難しい、デリケートな科目の野菜と言えます。
雄花と雌花
かぼちゃの花には、雄花(おばな⇒男)と雌花(めばな⇒女)がありまして、発生するのは、ほとんど雄花です。
一方の雌花がつく数は、かなり限られています。発生場所もおよそ決まっていると思います。うちの雌花の発生位置は、第1果房から順に、第9節、第15節、第19節といった具合です。ちなみに、第1~8節で、万一、雌花がなったとしても、美味しいかぼちゃにはならないようなので、放っておくか、大きくなってしまうようなら切除します。
雌花の見分け方は、花の下に、丸いふくらみがあること。雄花には、それがありません。
ところで、うちのかぼちゃ栽培では、親づるのみを一本長く伸ばしています。理由は、
・普通サイズのかぼちゃ(実が大きいことは株の負担でもある)
・プランター栽培(土量に限りあり)
・空中栽培する空間があまりない(日照が確保できなくなる)
・4株も栽培しているし、他の植物も植わっている(横につるを伸ばせない)
これらを考慮すると、親づるを摘心して、子づるを促進することはできません。子づるを増やすことは、収穫数を増やすことにもなりますが、その分、葉っぱを広げるスペースが必要です。子づる栽培は、プランター栽培に、まったく向いていないと言えます。
ですので、このサイトでは、かぼちゃの子づるのことについては、一切触れません。
雌花の人工授粉
現在、かぼちゃを2Fで3株、1Fで1株栽培しています。2Fは、花をあまり置いていないこともあって、ハチなど花粉の媒介虫があまり飛んできていないように感じます。
ハチが盛んにとんでいたとしても、念のため、やっておいた方がいいのは、人工授粉です。
といっても、雄花を摘んで、花びらを取りのぞいてしまい、その花粉を、雌花の先にちょんちょんつけてあげるだけです。
ちなみに、朝9時ごろには、雌花も雄花も、花が閉じてしまいますので、注意が必要です。閉じたからと言って、無理矢理に受粉させても意味がないです。受粉能力があるのは、日の出ごろ~朝9時ごろまでだからです。早めに受粉させましょう。
雌花が明日咲きそうな場合は、前兆があります。雄花のつぼみが、三角形に、ぶーっと膨らんで、翌朝に向けたスタンバイ状態に入ります。これを見つけたら、次の日の早朝に、備えてください。
なお、人工授粉は、すべての雌花で行うようにしています。人工授粉が失敗したり、生育不良もあるかもしれないので、保険の意味でやっています。ただ、うちの環境であれば、最終的には、1株に1個から2個までが限界かもしれません。もし、3個人工授粉して、3つ全て受粉に成功したようなら、後から中間地点の果実を間引けばいいかと思います。
と言うのも、かぼちゃのように、大きな果実をつける野菜や果物で、共通して言えることですが、1つの果実をつけるのに、必要な葉っぱの数が、品種ごとに決まっています。かぼちゃの場合、1個に対して、葉っぱ20枚がめやすです。
病害虫
タバコガ
雄花の中に何かの幼虫を発見。形状から見て、タバコガっぽい。タバコガと言えば、トマトというイメージしかなかったです。調べると、幅広い野菜類や花で被害が発生する模様。
防除方法としては、家庭菜園なら防虫ネットや薬剤が有効かと思います。ただ、巨大なかぼちゃの株に対して、防虫ネットは現実的ではありません。
手元にある薬剤では、STゼンターリ顆粒水和剤(住友化学園芸)がタバコガに対して有効とのことです。薬剤耐性がある強敵のようなので、しょっちゅう、タバコガを見かける方は、違う薬剤を時々ローテーションで使う方がいいかもしれません。
なお、ベニカXガード(住友化学園芸)や、害虫オールスターズ(アース)は、対応していないようです。
今回、花の中で幼虫を発見しました。かぼちゃでは、雄花が大量に咲きますが、花ガラや、受粉に使わないものは、そのままにせず、切除してしまうのも、ひとつの手かもしれません。こういった幼虫類は、取り除いた後、すぐ捕殺するか、ビニール袋に密封するなどしてすぐ廃棄した方がいいと思います。過去の失敗では、捨てたゴミの中で、ガにかえしてしまったことがあります。
人工授粉実績
苗1号
・7/09 9時半ごろ 第25節の人工授粉 8月20~30日に収穫か
・7/06 7時半ごろ 第22節の人工授粉 8月15~25日に収穫か
・7/01 10時ごろ 第15節の閉じた雌花の人工授粉に挑戦
万一、結実すれば、8月10~20日に収穫か
・6/27 9時半ごろ 第9節の人工授粉。8月7~17日に収穫か
苗2号
・7/02 7時半ごろ 第15節の人工授粉 8月10~20日に収穫か
・第9節は、7/01時点で、未熟のまま、消滅しそうな雰囲気
苗2号の第9節は、真珠ぐらいの大きさで、止まったままでした。サイズの他、色白なまま。花も咲きませんでした。中盤あたりで出てきた雌花は、果実部分もある程度大きくなり、つぼみもそれに伴って膨らんでくるのが正常です。
元気のない雌花は、最終的に、しぼんで、まもなく自然消滅しそうです。病気のリスクがあるかは不明ですが、そのままにしておきます。