最終更新日 2024.08.03
畑野菜の成育状況と追肥についてまとめました。
追肥について、ざっくり言うと、植え付けから半月から1カ月後に初回の追肥。その後、2週間または1カ月おきに施肥することが基本となります。
追肥の重要性
適度な追肥をしないと、野菜が病害虫にやられやすくなったり、香味が感じられなくなったり、可食部が硬くなったり、といった風にさまざまな弊害が生じます。
無施肥で栽培する方法もあると思いますが、それは土が肥沃であることが絶対条件かと思いますね。「砂漠」のような環境で、健全に育てるのは極めて難しくなります。
追肥の基本
タイミング
基本は、植え付けから1カ月後に初回の追肥。その後、1カ月または2週間おきに与えます。
夏野菜の場合は、GWに植え付ける場合が多いため、次回は6/1付近、その後15日、翌月1日といった風に、施肥タイミングを統一しておいた方が、管理はラクになります。
時々、ウリ科のような、果実の肥大タイミングが初回の施肥(それ以前はつるぼけになるため)といったように、例外野菜が紛れているので、注意が必要です。
施肥の量
多すぎても少なすぎてもよくありません。どっちかというと多すぎに注意が必要です。
肥料過多は、病害虫が発生しやすくなります。とくにN過剰。害虫が寄りつきやすくなったり、うどん粉病(葉っぱが真っ白なカビで覆われる)にかかりやすくなります。ハーブのような香りを楽しむ野菜は、香味がなくなります。
逆に肥料を与えないと、まず、株が大きくなりません。体ができて初めて、果実がたくさん、あるいは大きな実をつけるので、初期の肥料切れは後々の収穫に響くことになります。葉が黄色になって、光合成も滞ってくると、いよいよ末期なので、葉色の変化にも注意します。元肥えがしっかり入っている場合は、基本、1カ月は与えない期間を設けます。ここで追肥を与えてしまうと「肥料焼け」と言って、根が黒ずんで焼けたような症状を起こして、結果枯れます。
葉物の肥料過多は相当ヤバイことになりますが(出荷直前にあえて硫安を与えるテクもあるようですが)、逆に与えないと、少ない栄養でなんとか組織を守ろうとするのか、食感が硬くなり、スジっぽくなってしまいます。
指示された肥料の量は、超厳密に守る必要はないと思いますが、おおむね従っておく方が無難でしょう。それと、肥料を手で握ったとき、どれだけの肥料をつかむことができるのか一度量っておきましょう。作業がラクになります。成人男性で50g、女性で30g前後とされています。例えば、10g必要ならどう握ればそれに近くなるかも試しておくといいですね。
施肥の場所
肥料を吸うのは、根っこの先端付近です。野菜の成長にあわせて、施肥の位置が変化します。植物を真上から見たとき、枝葉の外縁部の真下に、根っこの先端が到達しているとされています。
野菜の場合は、株が小さければ、株元やマルチの穴の中。成長に従って、マルチをめくって与えたり、うね間(通路)に肥料を与えたりします。根っこの位置を想像しながら、施肥してください。
なお、ボカシ肥料などの分解が遅い有機肥料は、土の上にばらまくより、土になじませましょう。その点、効率を考えるなら、化成肥料の方がラクということになります。
肥料の種類
栽培者の考え方によりますが、畑では固形肥が適しているかもしれません。液肥は即効性で、希釈などの準備作業も伴います。範囲が広いと希釈水を用意する分量も膨大です。わたしが利用している畑には、水道がありませんので、液肥の希釈作業は実質、困難です。
Eテレ「やさいの時間」は、基本的に8-8-8と呼ばれる化成肥料を使用されています。NPKのバランスがよく、多すぎも少なすぎもしない比率で、初心者に広く使いやすいく、無難な肥料だからです。
多少値段が高くても有機資材で、肥沃な土づくりを目指すならボカシ肥料もおすすめです。微生物資材のひとつでもありますので、与えるだけで手軽に微生物を増やすことができます。わたしもできるだけこのボカシ肥を多用したいと思います。理由は有機物が入っていない土で堅いから。ボカシ肥料だけでなく、微生物の長期的なエサになる「もみ殻」もできるだけセットで与えたいところ。成分比は、おおむね「8-8-8の半分程度」です。
肥料と水
乾燥しきった土に肥料をまいても、成分は溶けていきません。ある程度湿っているか、物足りなければ、降雨前を狙ってまいたり(少雨に限る)、施肥後に水を与えてもいいでしょう。
肥料成分を運ぶのは水です。水不足では何をやってもほとんど意味がありません。水をしっかり与えることが結果、養分をしっかり運ばせることにつながります。下手に水を切って、「果実を甘くする」と言ったような小手先のテクニックを使うのは、素人は避ける方が無難です。そもそも人間が与えたつもりの水量は、植物にはまったく足りていないことがほとんどではないかと思います。
畑で管理中の野菜
ほぼ草。w
週1回1~2時間しか滞在してないのだから、当然と言えば当然の結果。高すぎる草はもう少し刈りこんでおけば、そこまでひどくはないと思う。
なす
なすとおくらのうね
ニジュウヤホシテントウの成虫と幼虫を2~30匹つぶしてからは、多少、状態がよくなったなすび。肥料の最適量が不明なので、毎週ちょこちょこ与えてます。かん水していないので、土が保水している分だけでなんとか成長している状態。
定植1カ月後が初回。その後2週間おきに30g/㎡ なすの肥料切れは、深刻な収穫減に結びつくので要注意。
葉っぱを食害するよりも、果実の方が好物なのかもしれないですね。葉っぱに大きな穴があいているのは、バッタの食害かと思われます。
じゃがいも
出島の多くが埋まったまま、2カ月以上放置。。もう跡形もなく腐ってると思いますが、念のため、掘って確かめたい。そのうち秋じゃがの芽が出てくるかも。
スティッキオ
栽培から1年以上経過した株です。本来はここまで放置するような野菜ではありません。若苗を早採りしていただく野菜です。花が咲いていない状態であれば、株が大きくても意外と美味しく食べられます。花が咲く兆候があれば、株元まで切り戻しします。
2週間おきに1回、30g/㎡ 肥料を与えないと、子孫を残す方にスイッチしてしまうので、適度な施肥は大事です。うちは、ほったらかしなので、花がすぐに咲きますw 花が咲くと可食部が硬くすじっぽく、風味も落ちるので、できるだけトウ立ちさせないように管理してください。
つくねいも
このページを見るまで、存在を忘れていたので、施肥は2カ月連続で忘れてますねw
植え付け1カ月後に初回。その後、月1ペース。4/28に植え付けたので6月以降、毎月1日が追肥のタイミング
おかわかめ
もう少し大きくなっていたはずですが、背丈は半分になって、しかも株が2つに別れてました。乾燥防止と根の活性化のため、株元にバークたい肥を与えておきました。
植え付けから2週間後に初回。2週おきに1回。草丈が2mに到達で、枝先を収穫します。
みょうが
草をかなり生やして、直射日光による葉焼けと、土の乾燥を防ごうとしていますが、毎回枯れてないか、冷や冷やします。遮光をしてやった方が、また少し違う成長を見せるのかもしれません。バークたい肥を株元に与えました。
植え付けから2カ月後に初回。その後、月1ペース。4月上旬植え付けのため、6月から毎月1日が施肥タイミングです。
さといも
みょうがの日陰対策として、さといもを寄り添うように植えています。苗は畑内で勝手に生えてきたもの。さといもを植えることを見込んで、土づくりの時点で、硫カリを混ぜ込んでいます。
そのほか、じゃがいも跡地にも勝手に生えてきているので、そのまま栽培続行。
また、キッチンで芽出ししていた相馬土垂(そうまどだれ)が1個だけ発芽。畑に定植して、無事に生育中。相馬土垂は、福島県の大野村農園さんが復活させた、幻の地場伝統野菜のひとつ。福島を飛び出して、うちでも大切に育てていきます。
定植から1カ月後が初回。その後、月1ペース。さといもはいもを増やすために、適宜土寄せが必要です。
かぼちゃ
台所で出たかぼちゃのクズをコンポストに捨てたところから発芽したもの。南米か北海道が産地の南京かぼちゃのはずです。
畑に移植しても、思ったほど成長していないようですが、暑さが原因かな。ウリハムシが数匹ついているものの、思ったほど食害は進んでいません。
ズッキーニ
ゼルダパワーは毎週10センチほど成長したところで収穫してしまいます。これ以上大きく育てようとしたら、株に負担になる暑さですからね。
黄色いズッキーニ「ゼルダ・ジャッロ」はトキタ種苗。長らく着果していませんでしたが、今は数本確認できます。
定植から1か月後に初回。その後、2週おきに1回。
大玉・小玉スイカ
ナント種苗の大玉「羅王ザ・スウィート」は、草に負けたか、消滅しました。
小玉の「ピノガール」も消滅したかと思いましたが、小さな果実を発見。
23年は株が全く大きくならないまま終了してしまいました。元肥を無施肥で始めたが主因とみています。あと、「底なし袋栽培」にしたことで、乾きやすすぎるのと、根がいまいち張っていかない。袋栽培にすると、根がまず下へ行かない限り、大地にたどり着かないので、それはスイカの成育には合ってなかったかも。
スイカの追肥は、果実がピンポン玉になったときが初回、というのがセオリーです。今回は、元肥も与えた上、初期で2段階の追肥を実施します。摘心から2週間後、10g/㎡と、さらに2週間後に10g/㎡を与えます。この2品種は草勢が強いらしく、ピノガールの初期はおとなしめらしいので、ここで追肥するのは少々危険かもしれません。ここは「化成肥料888を10g」与えておきます。
さつまいも
品種は「べにはるか」
通常はつる苗を買ってくるのですが、今回は「つる苗を自分で作る」という特殊な苗(これを植えてもイモは成らないらしい)を買ってきました。ただ、中間地は植え付け適期が6月上~中旬につき、すでに適期をすぎました。。
ミニトマト・大玉トマト
一番心配だったビニールが、また風に飛ばされてるだろうと思っていたのが、意外と耐えてました。いいぞ~w 薄皮ミニトマト「プチぷよグリーン」は雨よけ栽培が必須となっています。大玉もできたら雨よけしてあげると◎
先日大玉を獣害でひとつやられました。恐らくカラスでは?と思うのですが、カラスはもっと賢いのだと思ってました。よほど飢えているのかもしれない。。
ということで、イチゴに被せる予定にしていた防鳥ネットをトマトに流用。イチゴはとっくに収穫時期も過ぎましたし。。
網は意外としっかりしています。この網を広げる際に苦戦しました。使い始めだけなのかもですが、結構クセがついているので、反発力が強く、きれいにすき間なく張り巡らすには、時間を要するかも。
Uピンなどでしっかりと地中に抑えつけていく必要があります。畑のどこかにあるのだが、、わかんないw
今回使用したマルチをとめるプラペグだと、ペグの方が少し大きいので、網が破れやすく、止め直すときにペグのギザにひっかかりやすくて、ストレスです。
カリーノドルチェ
苗づくりの時点で、消滅したと思っていた中玉フルティカが混じってましたw いい加減な苗管理。。GWの定植適期に遅れないよう植えつけした結果、今年は調子がいいので満足です。
ジャングルミニトマト
定植から1か月後に1回目の追肥。その後、2週に一回ペース。30g/㎡
おくら
真ん中がおくら。背丈はまだかなり低い。
本葉が出たら施肥スタート。1回ひとつまみだけ(およそ3g)与えすぎないでください。2週間おきに施肥。
にら
何年ものかわからないぐらい、ずっと成長し続けてくれている。2週間おきに1回ペースで。ひとつまみでOK
エルバステラ(オオバコ)
無施肥。草なんでw
いちご
お礼肥えとして株元に10gほど。6月下旬ごろから7月にかけて、来春に向けた、子株取りを始めるつもりですが、そのままほったらかしです。ランナーから伸びた次郎苗がうね間に勝手に根付いていくでしょう。
ピーマン
100均ピーマンを6月中旬に定植。成長はゆっくり。
定植から2週後に初回。なので、7月1日から2週おきに施肥。
カリーノケール
秋冬野菜として育てていたトキタ種苗のカリーノケールのこぼれ種が勝手に生えてました。葉をやわらかく保つために、適度に肥料を与えておきます。与えすぎると害虫が飛来しやすくなりますので注意。
月2で軽く一握り程度。
しそ(大葉)
畑をやってたらいつの間にか生えてる野菜と言えば、大葉です。無施肥でOK
苗づくり中
島ゴーヤ
島ゴーヤは自家採種したものがひとつ発芽していましたが、定植前に消滅。
フダンソウ・セロリ
フダンソウは、長年失敗続きだったので、今年はやけに調子がよくてご機嫌です。食害もなさそうで、暑い中、ぐんぐん育つようなので、これからもっと増やしてもよさそうな葉物野菜です。
セロリは本葉が出たので、雑草でなく、セリ科であることを確認。
アーティチョーク
ポット苗はほぼ仕上がったと思ったら、油断して水切れで、一度全枯れに近い状態にしてしまいました。ただ、生長点は無事だったようで、しばらくして復活。その後、酷暑でまた水切れさせて、またまたダメージ。。定植のタイミングも完全に見失ってます。
定植から1か月後が初回。その後、月1ペース。
関連リンク
本文に出てきた商品[PR]
・防鳥ネット「日本マタイ 防鳥バードX 2m✕10m」
網目が大きいので、鳥を避けつつ、受粉媒介虫は花に到達させることができます。Uピンとの併用必須。