最終更新日 2024.03.12
樹木によって、肥料を与えるタイミングが異なるため、わが家での固形肥のプランをざっくり考えました。毎月1日に固形肥を与える習慣にしています。
わが家の地域は、本州関東以西・太平洋側平地。野菜のタネ袋では「一般地」「中間地」と表現されていることが多いです。
なお、液肥については、毎月2日ごろに紹介している「水やり液肥プラン」の中で紹介します。
また、野菜の固形肥については、別記事でアップ予定です。いつ?w
樹木の施肥プラン
今月は「柑橘」「オリーブ」「秋果いちじく」「アボカド」「室内観葉植物セローム(サトイモ科)」です。
固形肥年間プラン
上図は、できるだけ管理が簡便になるように自分なりに調整しています。識者が推奨する時期と異なる場合があります。
緑=主に有機:「窒素控えめ、リン酸そこそこ」で肥効30日程度のもの
黄=緩効化成肥料:IB肥料 めやす10-10-10-1 肥効30日
青=緩効化成肥料:IB肥料 めやす10-10-10-1 肥効100~120日
※肥効期間が明記された肥料を使用すると管理しやすいです。
※これとは別に、水やり計画に基づいて液肥や、結晶硫酸マグネシウムも与えてます。液肥については、各月の「水やり液肥プラン」で触れています。
さて、以下、我が家での具体的な肥料の内訳や量を示していますが、ご自身の環境や栽培品種で、調整してください。例えば、ひいらぎの地植えは年間通して追肥不要でも、鉢植えは春秋2回IB肥料を軽く与える、ぶどうの地植えは12月に寒肥えを与えるが、鉢植えは不要。また、実梅の7月施肥は鉢植えに限るなど、違いがあります。
なお、このプランは、気候の状況や管理方法の変更等で、修正する場合があります。
柑橘
昨日、沖縄の居酒屋で、佐賀のハウスみかん農家さんと落ち合ったので(いつからそんな仲に!?)ついでに、家庭菜園レベルでの柑橘の管理方法をたずねてみました。肥料の件も含めて、後日、別記事で紹介します。
柑橘は、肥料食いの果樹とされています。しかも、この3月に年間使用量のおよそ半量をここで消費するとのこと。みかん専用の肥料の裏書きをチェックしてみても、同じようなことが書いてあると思います。
で、結論から言うと、柑橘類は、花をつけるまで、当面、硫安(硫酸アンモニウム)のみを与える方向へかじを切ります。後日、詳報。
春の施肥量は、一般的な化成肥料を与える場合、鉢植えなら、小さめのポット(6号程度)で軽く一握り程度。大きめのポット(10号程度)でしっかり一握りをめやすとしてみてください。
地植えなら、土の量に拠りますが、根が張る領域は、大きめの鉢の何杯に相当するか、なんとなく想像してみましょう。小さめの肥料袋なら使い切りそうになるかも。
これが硫安をあたえるとなると、一般的な化成肥の倍から3倍の窒素成分を含むので、半分以下を与えると考えましょう。
さて、ここからは、うちの柑橘のご紹介。
うちで管理している柑橘は2種あり、ひとつは、地植えで品種不明。根域制限はできてません。
その樹で、いまだに花を見たことはなく、当然果実も無い。予想ですが、実生の可能性あり、生育年数がまだ浅いかも。実際の作業では、周りの南天と密植した状態のため、私が枝払いしすぎている恐れがあります。また、アゲハの幼虫がついても、基本、見過ごしてます。さらに、越冬時の状態もベストではなく、落葉はさせなてないですが、一部黄化しています。肥料も十分なのかは不明。これらが原因で、花をつけないかもしれないです。
さて、もうひとつは、「せとか」を鉢管理中。苗は、楽天グリGOからの取り寄せで、届いたときのロングポリポットをわざと使って、管理しています。その理由は、根域制限して、花を早くつけさせられないかと考えたためです。今のところ、問題なく一年が経過しました。植え替えはどうするか、早急に決めます。
もし、鉢ものの柑橘を植え替えする場合は、土を入れ替え過ぎないことと、鉢サイズを大幅にアップさせないようにするのがいいようです。これは、私の持ってる情報。
オリーブ
有機肥料を鉢サイズに対して適量散布。10号で軽くひと握り程度。
緩効性化成肥料でもOK。有機石灰もいれてあげるといいですし、入れなくても何とかなるとは思います。
有機石灰は微量ミネラル分も豊富なため、葉の変形など、思わぬ障害が出にくくなるかもしれません。うちは、一時、葉の奇形で右往左往しましたが、何が効いたのか、落ち着いていきました。
今回、カレンダーに、せん定マークもついてます。
オリーブは、切った場所からY字に枝分かれしていく習性がある模様。切れば切るほど、枝は増えていきます。ボリュームを増やしたいなら、枝先など、こまめに、パチパチとはさみを入れるといいでしょう。逆にボリュームを減らしたい、混み合いすぎなら、枝の根元からばっさり入れるといいでしょう。
せん定の注意点としては、オリーブに限らず、切った場所より下に、葉っぱが一枚でもついてないと、枝葉が増えずに、単なる枝のぶつ切りになる恐れあり。
また、品種によって、ロケット型や扇型などのように、将来のおおよその樹形は決まっています。扇型品種を無理にロケット型に整えようとしても、抗えない恐れあり。失敗しないようにするには、購入時の品種の特徴をよく調べておきます。結実しやすい品種、花粉を供給する受粉樹も品種によるので、ついでにチェックです。
秋果いちじく
有機肥料か、緩効性の化成肥料を鉢サイズにあわせて、土に置いていきます。10号で軽くひと握り程度。
せん定も実施するとよいタイミングです。
切って刺激を与えることで、今年結実するための、新梢の成長を促します。切った枝を土に挿しておけばまた根っこが生えてくるので、挿し木初心者にもオススメできます。
アボカド
緩効性の化成肥料を、観葉植物と同様の扱いで、土に置いていきます。
まだ室内で管理されている方も多いと思うので、カレンダーどおり、有機肥料を使ってしまうと、部屋の中が匂ったり、虫が発生する恐れあり。
なお、スーパーで売ってる食用アボカドのタネを植えれば、うちのアボカドのように、比較的簡単に芽が出てきます。ただし、将来の果実収穫は非常に難しいとされる品種しか、一般に出回っていませんので、完全に鑑賞用としてのアボカド栽培です。
なお、今回は、植え替えタイミングじゃないですよ。南国系の植物の植え替え適期は、本州では、早くて6月〜が鉄則かなと思います。他の植物と同じ感覚で、3月ごろに根鉢を触ってしまうと、落葉するなどして、枯れますよ~。要注意。
室内観葉植物セローム(サトイモ科)
90~120日肥効の緩効性化成肥料を3カ月ごとに、季節関係なく、与えるように去年あたりから変更しました。10号で軽くひと握り程度。
うちは“くれ縁”にセロームを設置していて、晴れの日の室温上昇はかなりあり、この亜熱帯植物には向いている環境になっているかも。それで、冬場でもそれなりに活動しているのか、肥料を冬季に切りがちだと、春ごろには、落葉や黄化の症状が出がちでした。
ちなみに、うっかり水切れすると、古い葉を自ら落として、新しい葉を残そうとする防衛本能が働くようです。普段、放置気味の植物でも、水切れだけは起こさないようにしてあげましょう。
使用中の固形配合肥料
春から秋にかけて主に使用している肥料を紹介します。ホムセンで似たようなものも売ってます。
なお、IB肥料とマグァンプKは、屋内でも使用できますが、それ以外は屋内では使わないでください。
その理由として、有機肥料は、水を含んだ後のニオイが元で、不快害虫が発生します。原料が動物性のものは、水を含まずとも、特ににおうと思っておいていいですよ。また、有機肥料は、カビが発生することで、肥料の分解が進み、微生物のエサになりますので、それが気持ち悪い場合は、屋外の土中にしっかり埋め込むか、初めからIBやマグァンプKを使いましょう。
IB化成肥料10-10-10(ホムセン等)
NPK成分比が10-10-10である商品が多く見られ、中にはマグネシウムなどの微量元素入りの商品もあります。積極的に微量元素のアピールをしていない商品が多いので、裏書をよくみて、できるだけ微量元素入りのお得な商品を選びましょう。1粒1gとなっている商品が多いので、わざわざ計量しなくても、玉数を数えればよく、使い勝手がいいです。
化成肥料なので、溶け出したときの有機的なニオイ(動物の残さやフンのニオイ)がないので、コバエがたかることもなく、室内で管理する観葉植物に使うことができます。
追肥として使うのが専らです。土の表面に均等に並べるだけか、土に少し押し込んでもいいでしょう。後者の方が、肥料の効きは早いです。肥料成分が出たあとの残さは、その形が崩れない限り、残り続けるので、追肥するたびに、肥料の残さだらけになりますので、取り除きます。
ほとんどのIB肥料が肥効期間30日の緩効性ですが、例えば、サンアンドホープ社のIB肥料は100~120日のものも販売されていて、追肥の手間が軽減されます。使用感として、30日肥効の商品の方が少し効きが強い気がします。
元肥え専用マグァンプK6-40-6-15(ホムセン等)
園芸では定番の化成肥料ブランド。
1年肥効(緑パッケージ)と2年肥効(青パッケージ)のものがあります。鉢植えの果樹など、植え替えが2年おきと分かっていれば、2年肥効。年内に植物の寿命を迎えるものや毎年植え替えタイミングを迎える場合は、1年肥効を選ぶと、ベターかと思います。市販の肥料で1年以上の長期肥効をうたったものは少ないのではと思います。この肥料を使用するのは、ほとんどの場合、植え替え適期の春になろうかと思います。有機肥料ではありませんが、「カレンダーの緑」の区分としました。
定番の肥料で、これさえ使えば、あらゆる植物に対して間違いないはずですが、花もの実もので特に効果が出るように考えられているのか、リン酸分がまさかの40。肥料商品の中でもダントツ多いのでは。リン酸は元々、土中の鉄分と結合しやすいようで、リン酸を多く含んでいても影響は少ないことまで加味された商品設計なのかもしれません。他社の肥料でここまで突出したものはないように思います。
ちなみに、腐植酸を加えると、土中の鉄分と結合する前に、腐植酸が作用して、リン酸が根に効くようになります。花実がいまいちと感じるなら、腐植酸を試す意味はあるかもしれません。
マグネシウム15とこれも他社品と比べて、かなり多く、光合成を活発させる成分です。
日清ガーデンメイト固形骨粉2-12-7(ネット通販等)
天然原料100%の有機発酵肥料です。
広いお庭なら、土の上に置き肥してもいいですが、水を含むと、動物のフンのようなニオイが空気中に漂います。また、カビが旺盛に生えることもあるかと思いますが、肥料分解の過程なので、問題ありません。これらを軽減するためには、土中に埋め込みます。肥料の効きも早くなります。なお、室内の観葉植物用としては、不向きです。
油かすがベースの肥料の割に、珍しく「窒素がかなり少なめ」の成分構成で、多くの植物に最適の肥料のように思います。窒素が多すぎると、うどん粉病などの病気や、アブラムシなどの害虫が大発生する要因となります。
また、有機肥料で肥効が30日とは、驚きの分解の早さです。酷暑明け~休眠前の、数か月の間に効かせる肥料としても重宝しそうです。現在、うちの固形肥プランでは、9月~年末にかけて、肥効30日の化成肥料を与えることになっていますが、これなら問題なさそう。酸性土壌を好むブルーベリーにも最適。
リン酸12%と多いので、花や果樹向き。果実をつける野菜にも推奨されています。
1粒13g前後の玉肥
庭植えの果樹(かんきつ・ジンチョウゲ)に主に使用しています。
ただし、在庫が切れ次第、有機ぼかし肥料(ただし緩効性)に切り替える予定です。
8-8-8(ホムセン等)
畑で野菜を栽培されている方には、おなじみの基本の肥料8-8-8が広く愛用されています。「やさいの時間」でも使われている固形肥は、この8-8-8です。
主に肥料をあまり必要としない野菜に使用。逆に、多く必要とする野菜には、1回の施肥量を多めにしたり、施肥間隔を空け過ぎず、定期的に散布(2週間に1回ペース)することで対応できる万能型化成肥料と言えます。速効性
NK肥料14-0-14(専門店等)
主に肥料食いの野菜に使用。
わたしは、雨などによって畑から流亡しにくいPを除いた、NK肥料14-0-14をコーナンで手に入れたので、こちらを追肥用肥料として使用しています。特殊な肥料のため、どのホムセンでも販売されているわけではなく、畑作が盛んな地域のホムセンなら取り扱いのある可能性が高いです。
速効性化成肥料で、肥効は2週間ほどと思われます。
Pも必要な場合は、BMようりん0-20-0をミックスすれば、好みの比率の化成肥料が完成しますが、BMようりんが最近割高なので、この手法がやや使いづらい。
有機ぼかし肥料(ホムセン等)
長期間の栽培となる野菜に、肥効を長く効かせたい元肥に最適。
ぼかし肥と言っても、作り方や原料はさまざまかと思われます。原料さえそろえれば、個人でも作ることは可能。わたし自身は作ったことがないので、詳細はわからないですが、道の駅のような地域の小売店で、地元の方が作られたボカシ肥が販売されている場合があります。
うちはホムセンで先日(2023年8月)15L袋で購入しました。価格は2,000円弱
現在使用中のボカシ肥の概要
・6-5-3
・主な原料は油かす、魚粉、骨粉、たまご殻で有機100%
・ビタミンやアミノ酸、核酸(発根促進が期待できる成分)が豊富に含まれている
・形状はペレット状で散布しやすい
・原料から分かるように緩効性。栽培期間が数か月と、管理が長くなる野菜には最適です。逆に栽培が短い野菜に使うと、収穫後も、肥料成分が土中に中途半端に残ってしまい、次の作付けに影響を及ぼします。
・乾燥していても動物的なにおいがそれなりにします。水分を含むと一気にアンモニア臭が強くなりますので、室内では当然使用しない。屋外でも、できれば、土と混ぜ込むようにして散布する方が、ニオイや不快害虫、白カビの抑制にもなります。カビは肥料を分解している初期段階で一時的に発生するものなので、商品の品質不良ではありません。怖がる必要も無し。ただし、分解の結果、熱が多少発生するので植物の根にだけは当たらないように、株から十分離して施肥するか、定植よりも7~10日前に散布します。