最終更新日 2022.06.10
日本で有名なバラ専門店のひとつ「バラの家(ロサ・オリエンティス)」から、バラ新苗と培養土を取り寄せてから、一年経ちましたが、水やり回数を減らすために、いよいよ植え替えます。
うちのバラを健やかに成長させてくれた園芸資材のひとつに、培養土「プレミアローズ」があげられるのは、間違いありません。
ただ、すべての鉢を満たすだけの在庫が手元に残っておらず。
そこで中身を拝見しながら、見よう見まねで、似たようなものを自作します。果たして結論は。。
解析は困難~独自の肥料とたい肥配合
結論「参った!」
これと同じレベルのものを自作するのは難しい。
何が難しいかって、特に、企業秘密と思われる「肥料」と「たい肥」が、何なのかを特定すること。そんなこと言われなくても、予想どおり?
ですが、こんな素人でも、ざっくりですが推察できる部分、プロの知恵から学べる部分もありましたので、日頃の土づくりのヒントになり得るかと思い、勝手ながら、ご紹介申し上げます。
プレミアローズ培養土とは
販売主は「バラの家(ロサ・オリエンティス)」、日本を代表するバラ販売ブランドのひとつです。そんな一流のバラ専門家による、バラのために考えつくされた培養土。
ただ、商品キャッチには「多くの植物栽培の王道となる」と、うたっていらっしゃいます。汎用性はありそうなので、なんでも使いまわしたい庶民としては、ありがたい商品です。
商品特徴
1)初心者でも驚くほど良く育つ
2)水やりが苦手な人も失敗しづらい
3)木がしまり悪天候に強い植物に育つ
4)じっくりしっかり右肩上がりの生育
基本の土を勝手に分解
さっそく、新品の「プレミアムローズ培養土」を開封して、中身を観察してみます。
なお、ここからは、個人が勝手に推察している”妄想”の領域ですので、記載内容の保証は一切ございませんので、悪しからず。
赤玉土 小~極小~微粉
鹿沼土 小~極小
腐葉土 小石のような木片も
ココヤシ
もみ殻くん炭
割合は 赤玉8:鹿沼1:その他1
一年前の植え替え以来の開封で、改めて思ったことは、基本の土となる、赤玉土や鹿沼土など、オーソドックスな土が主な構成要素らしい、ということ。いろんな意味で、安心しました。。
そして、今回気づいたことは、ほとんどの粒の大きさが揃っていて、割と細かい。特に、赤玉土は、玉が崩れた”微粉”が、かなり入っているように見えることです。
他社製品では、この微粉を、植物の生育上、いわば、”悪役”とされる園芸のプロもおられます(あとでちらっと、その商品をご紹介)
土が細かすぎると、例えば、一旦土が乾ききってからの排水性が極端に悪くなる(はじく)ことなどがあげられます。また、空気が入る余地がないので、根の呼吸が疎外され、成長に悪い影響が及びます。
ただ、土の微粉も、販売側からすれば、商品の一部であって、これをふるいにかけてしまえば、ただのゴミ。しかも、想像以上に、かなり大量に出るはず。
ところで、商品レビューを拝見すると、「他社製品と比べて、いくら水をあげても、なかなか鉢底から水が出てこない」というものが見受けられました。同じ赤玉土を使った商品でも、粒の大きい方が、水は早く抜け落ちるのです。さらにお客様は「水が出てこないので良い」という高評価でした。
ここで、先ほどの商品特徴のひとつ「水やりを失敗しづらい」点を思い出しました。
世の中「水やりで失敗した(枯らせた)」と思われる人は、
・水やりを忘れた
・水やりをできなかった
・水をやってるつもりで実は全く足りてない
そんな人が、恐らく多いんだろうという気がします。水をやりすぎて失敗したという人よりも。
排水性と保水性を両方兼ねるのが、赤玉土ですが、客は、排水性より保水性を求めているのではないか。とすれば、できるだけ粒のサイズは、小さい方がいい。なんなら、微粉も適度に入っていた方が、水やりは失敗しにくくなる(逆に、排水性や通気性が確保できなくなる諸刃の剣ではあるけれど)
この商品は、そんな風に設計されているのだ、と妄想しました。
肥料を勝手に分解
パッケージには書かれていませんが、公式サイトでは「最先端の肥料」が入っている、ともうたわれています。
当初、勝手な推測では、「最先端の肥料をしっかり入れたら、赤字になるだろうから、微粉をいれて、入れたことにしているのでは?」と、めちゃくちゃ失礼なことを妄想していましたが、土をよく見ると、あ~ら、びっくり。
樹脂コーティングされた肥料が入ってました。。
このような玉の肥料の中でも、確認できた数としては一番多く、特に、花をつけることが、培養土の肥料として、最大の使命である点から、これはリン酸か、あるいは「悪天候に強い」とされることから、根張りを強化するカリ、といったところでしょうか。
写真には、”微粉”の入った肥料が写っていますが、他にも”液体”が入っている樹脂コーティングも確認しました。「ミネラルや微量元素が豊富」とされることから、この液中に、それらが含有されているのかもしれません。
ちなみに、公式サイトでは、「気温の高まり、バラの成長曲線」に応じて、これらの肥料が溶け出すとされていますが、そのからくりは、肥料成分が”樹脂コーティング”されているからです。地温に上昇に応じて、コーティングがはがれる仕組みです。
さらに、白い樹脂コーティングも発見。「木がしまり、悪天候に強い」とされる点から、細胞強化するカルシウムか。あるいは、「(土中に)酸素が多い」とされる点から、酸素供給材なのかもしれません。
たい肥を勝手に分解
公式サイトには「新たな植物性たい肥」も使っているとありました。
コーティングされていない黒い玉を発見したので、これは肥料ではなく、たい肥と判断。今注目されているバラ用のたい肥と言えば「馬ふん」かな?と思いましたが、動物性だから違うでしょう。
植物性で新しいものって何でしょう。例えば、ニームや炭を使ったたい肥だったら、新しいと言えるのかも。
バラの培養土を自作
基本の土
これらの観察を踏まえて、ばら用の培養土を、手元にある資材で、自分なりに配合してみました。
赤玉土 小
腐葉土 バークたい肥入り
鹿沼土 小
もみ殻くん炭
割合は 赤玉8:腐葉土1:鹿沼1 もみ殻少々
ココヤシを持ち合わせていないので、その雰囲気を、この写真で出してみたく、撮影の際のみ、鹿沼土の代わりに、「杉山拓巳氏の 『プレミアム用土』」(ただし軽石を手で取り除いた)を使ってみました。あまり期待したほどの視覚的な雰囲気は出てませんが。。
赤玉土など「小粒」を使いましたが、本家と比べれば、まだ大きいのが分かりました。つまり、排水性は、本家よりもアップしそうなので、しばらくは、バラの顔色を伺いながら、水やりに慣れていくことになるでしょうか。
元肥
本家の肥料を再現するために、「マイローズ ばらの肥料 粒剤(住友化学園芸)」のような、樹脂コーティング肥料を使いたいところですが、現在持ち合わせていないので、通常の肥料を、元肥や追肥として、必要なタイミングで投入していくことにします。
元肥としては、次の内容を投入しました。
マグァンプK(中粒・肥効1年 6-40-6-15)40g
カニガラ(たまごや商店 4-4-0)4g
BM溶リン(朝日工業 0-20-0-12)4g
魚粉(東商 7-6-0)4g
カキガラ石灰 4g
ゼオライト 少々
マグァンプKだけでも十分かと思いますが、微量元素(溶リン・カキガラ)、アミノ酸(魚粉)、害虫防除(カニガラ)、根腐れ防止と窒素調整(ゼオライト)のために、その他を少しずつ投入して、自分なりにプレミアミックスにしてみました。
ただし、マグァンプK以外の分量は、多くなりすぎないよう注意を払いました。
市販されている、いわゆる、”バラ専用培養土”について「土中に含まれる肥料成分が多すぎる」といった、専門家による指摘を時々見かけるので、ご自身で肥料を配合される場合は、とにかく入れすぎないようにしなければいけません。
わたしの場合、化成肥料はマグァンプKのみで、しかも緩効性につき、計算上は、ひと月あたり3gほどしか溶け出しません。それ以外は、動物性肥料か鉱物ばかりなので、数か月かけてゆっくり溶け出します。トータル60g弱で、一見多いように見えますが、心配ないかと思っています。
なお、これらに加えて、例えば、花後のお礼肥えや、週1ペースでの定期的な速効性液肥を与えることになります。