最終更新日 2023.08.22
先日取り寄せたタネの中から、にんじんの早生品種と言ってもいい「バーニャカウダ」をたねまきしました。発芽前の処理も実験的にやってみましたので、あわせてご紹介します。
今回採用した品種
バーニャカウダ黄・紫(トキタ公式カラフルミニ根菜セットより)
トキタ種苗作出の早生種とも言えるにんじんのひとつ「バーニャカウダ」。収穫適期は、60~70日で、一般的なにんじんと比べて1カ月も早い。収穫サイズめやすとしては根部直径1.5センチでかなり細く、早生として収穫できる要因が、このサイズ。直径からの見た感じ、可食部の長さは20センチ弱といったところ。カラフルでオシャレなミニにんじんを育てるなら、有力な選択肢のひとつです。
ただし、標準では1000粒1000円超での販売で、なぜか家庭菜園者にあえて手が出しにくい設定。。そこでトキタ公式でのみ販売されている「カラフルミニ根菜セット」で、お試し栽培?ができるようになっています。
トキタにしては珍しく、内包するタネ袋が透明のビニル袋。通常、トキタの野菜タネはアルミの種袋に内包されていて、取り出しやすく、またタネが劣化しにくくされている。
このセット販売品で、最も気になったのが、各たねの管理方法が何も書かれていない点。トキタ、最低です。。消費者目線がどこかいまいち欠落しているので、残念で仕方ないです。
バーニャカウダ栽培情報(一般的なにんじん栽培情報を含む)
・たねまき適期(一般地・中間地・温暖地):~8月中旬
・深耕めやす20センチ以上
・元肥8-8-8 100g/㎡ 追肥8-8-8 株元にひとつまみ程度 過剰施肥注意
・株間3センチ(種まき時は1センチで本葉確認後3センチ)
・発芽適温15~25度、発芽日数めやす8日
・生育適温20度前後
・たねまきから60~70日後に収穫(根元直径1.5センチがめやす)
たねまき前の処理
冷蔵庫での吸水
にんじんに対して、こんなことする必要があるのか、聞いたこともないですが、たねまき前に、まず冷蔵庫で吸水させました。我が家の庫内は開け閉めして平均10度前後。通常、タネの低温吸水は、24時間以上寝かせてます。今回のバーニャカウダは24H。
タキイによると、5度以下で、発芽不良が起きてしまうらしく、そんなにんじんをわざわざ冷蔵庫で吸水させるのは、ハイリスクな感じもしましたが、、決行。
常温での発根促進
発芽適温が15~25度なので、ケールの感覚に近いとすれば、保冷剤入りの保冷庫で寝かせないと反応しないかも。ただし、にんじんは好光性種子ということも忘れてはいけません。うーん悩ましい。。すぐ氷が溶けてしまうけど、保冷庫に入れないで様子見。ひと晩灯りがついた空間で管理します。
それと、根菜なので、タネの状態で、いつまでも発根を待たず、発根の刺激を与えられたと思ったら、すぐに土へ埋め戻した方がいいかと。
我が家でのゴボウの発芽は、双葉がしっかり出るまで待ってから、土に植え付けることが多いですが、にんじんは、繊細に見えるので、そこまでやるのは、やめて、タネから白根が少しでも見えたらすぐ土へ。
8/21追記)20日ごろ発根確認
8/16から常温に戻したあと、何の反応もないので、冷蔵庫で冷やし過ぎたのか、常温が高すぎるのかどちらかが理由で、発根に失敗したようで、「にんじん難しすぎ~」と思ってました。たねが腐ったにおいまで立ち上ってきたので、完全に敗北したと。
ところが、8/19か8/20ごろにふと見てみると、数粒で発根確認。今頃出る?あの匂いは何だった? 発芽処理でこんなに裏切られることって普通ないので、ほとんどやる気無くして、タネの状態確認するのもやめていたのですが、クセで、たねを間接的に冷やすための保冷剤だけ一日数回交換していました。そこは救いだったかな。もし30度ぐらいで放置していたら、本当に腐ってたかも。
ただ、発根確認したのに、たねまきする気力もなく、ここ数日放置してたけど、土にうめなきゃ報われね?ってことで、週明けたねまきしてみますw なんじゃそりゃ。
管理方法がよくわからない商品を平気で送ってくるトキタ種苗、嫌い。
たねまき
最近セルトレイでのたねまきの紹介が多いですが、今回は畑に直まきします。
土づくり資材
今回使用した資材は下記の通り
・たまご殻石灰 さらっと適当
・ハイパワー苦土石灰(リン5、マグ10、腐植酸10)
・腐植酸(たまごや商店) 適当 50g/㎡ぐらい
・有機ぼかし肥料(6-5-3)100g強/㎡ ※本来めやす8-8-8を100g
・塩化カリ(0-0-60)(たまごや商店)少々/㎡
・川砂 少々
・もみがら 少々
久々にぼかし肥料を買いました。
当初、NK肥料にようりんを補って、オリジナルで高度化成肥を作って、これで土づくりするつもりでしたが、安いようりんが近所に売ってません。なので、7年ぶりぐらいに8-8-8を20K2,500円強で買いました。その方が安くて、いちいちミックスしなくていいし、強い肥料や長期肥効を必要としない野菜にも使いやすいです。これをにんじんに使えばそれでもよかった。
でも、ついでに、目に止まったのが「有機ぼかし肥料(6-5-3)」でした。こちらはオール8よりもさらに弱いのと、アミノ酸なども豊富なようで、にんじんに、ちょうどいいのではと思い、併せて買ってみました。そして結局、にんじんには、このぼかし肥料を採用。15K1,800円強で、重量比で言えば、オール8より少し安い。。Kが低いのは牛ふんたい肥との併用が前提になっているのかも。不足分は、牛ふんたい肥、塩化カリ、草木灰などで補えばいいです。
本来、土を薄っすら被せればいいのですが、畑の土はたいてい団粒構造で、好光性種子にうっすらかけるのは、実際難しい。ということで、オリーブの土を作るときに使っていた園芸用の川砂を使って、覆土代わりとします。
さらに、もみがらは、乾燥防止のため、種まき後、土をかける代わりにもみがらをまきます。土もほんの気持ちかけますが。風が強かったり、もみがらがない場合は、不織布や新聞紙などでも代用できるかと思います。
たねまき地
飲食店出荷用にエディブルフラワー区画として使用している場所ですが、これから春に向けては、根菜を栽培していきます。
マメ科・ムラサキ科(ボリジ)の跡地です。同じ区画内には、まだアイコ(ナス科)・イタパセ(セリ科)が育っています。なお、にんじんは、セリ科です。
意外と土の粒がそろっていて、半年作物を育てている間に、少し土質が向上したように見えました。石ころなどの障害物もさほど見られませんでした。高うねなので、水はけは良く、適度に湿っています。まるで根菜向きになったように見えます。
8/21追記)たねまき
発芽処理したタネを畑へ持っていって、発芽状況を確認しました。
意外と発根してたわ。。
しかも黄色はほぼ発根。紫は60%程度。この違いは、恐らく光を浴びた量と水分量に関係していると思う。薄いプラスチックのようきに、キッチンペーパーを敷いて、それを重ねて管理していたので、上側になっていた黄色は発芽率が高く、逆の紫は低いという結果に。
また、上の黄色は乾燥寸前までいくことが何度かあり、それも発根の促進になったはず。逆に紫は、上にのっかったプラ容器のおかげで、ペーパーの水分が常に潤った状態で、タネが乾くことがなかった。根が伸びにくい条件になってしまいました。
根の伸び方には、個体差が大きいですが、ここまで伸びてしまって大丈夫なのでしょうか。根菜は根が曲がったらアウトなんですけど。。ま、これも実験。ほとんどの根は短いものが多いので、収穫後に比較してみたい。
たねの間隔は、はじめから3センチ程度あけて、間引きしなくていいようにしました。通常は、1センチ間隔でのたねまきが推奨されているようで、発芽後双葉同士が競い合って、大きくなるという理由ですが、間引きがもったいないのと、この暑い中、間引きが面倒なので。
写真では、下側にうね板があります。理由は、高うねにして、水はけ改善と、根の発育領域(高さ)をかせぐためです。ただ、このことが自然光を遮ってしまい、苗の徒長、または発育不良を起こす原因になるので、プランター栽培の方は、できるだけ端っこにたねをまかないようにしましょう。うちは、たねまきスペースが限られているので、発芽不良のタネを端っこに、生育が良さそうなものを中央にもってきて、まきました。
たねは、穴を開けるのではなく、「まき溝」をつけて、そこに並べた格好です。写真の上にうっすら写ってます。くわなどを使って、土にエッジを効かせて、溝をつけました。条間(うねとうねの間)は10センチ程度。
たねや根っこの上には、川砂をうっすらまぶして、もみがらをびっしり盛りました。乾燥してしまうとアウトなので。それと、不織布を買うつもりがないので、防虫ネットを二重にふんわり被せて、風と太陽光を和らげるようにしました。
にんじんは、小雨が続くような天候のときが最適と思います。一度乾燥すると、タネが死滅するようなので、とにかく乾燥させないようにして、発芽まで持っていきます。うちの場合は、多くのタネがすでに発根しているので、これだけ気温が高くても、発芽率は高いはず。
発芽後は、根が太りやすい環境をいかに維持できるかにかかっています。わたしはここがどうも苦手。どうなることやら。10月21日ごろが収穫めやす。
関連リンク
バーニャカウダの取扱いあり。ただし、8/10ごろがたねまきの最終リミットのため、23年の取り寄せ期間は実質、終了です。
アイビーでは、にんじん「バーニャカウダ」の取り扱いはありません。
同じ楽天市場内で、「バーニャカウダ」を取り扱うお店は限られています。
茨城県稲敷郡にある農業資材のお店。このお店から、ホムセンで取扱いのないような、カルシウムやマグネシウムなどの単肥を取り寄せることが多いです。栽培と資材の相談にも乗っていただけます。