最終更新日 2022.06.12
まだ初夏ですが、バラの花後の植え替えを行いました。
植え替えリポートは前半後半で分けています。前半の今回は、「サマースノー」と「ユアインネルンアンブロ」をご紹介します。
植え替え前に
鉢バラの植え替え適期
通常の植え替えは、バラの休眠中で、かつ、1月中旬までにおこなうのが良いとされてます。
ただ、気温が上昇してから花期までの間で、1日の水やり回数が1回で済まないようであれば、花後、根っこを一切いじらない前提で、土増しをするための植え替えは可能とのこと。
盛夏の水やりの負担を減らすためにも、バラに酷暑を乗り切ってもらうためにも、春の花後のタイミングで、植え替えをやっておきます。
せん定
まず、花が終わった株から、剪定を行いました。その方が植え替え作業がしやすく、プラ鉢のどの辺に根鉢を置くか、立ち姿を決めやすいからです。
つるバラCLサマースノーは、主幹を半分切り戻しました。主幹は昨年伸ばした幹なので、切らなくてもよかったとは思いますが、株をコンパクトにしておいた方が、病害虫に対する注意が行き届きやすく、葉水の時間も短縮できるので。
主幹から若い枝が勢いよく出ているので、これらを伸ばしていきます。実際に一番伸びるのは、枝先についた新枝でしょうか。
せん定前は、つるを上に伸ばさず、枝垂桜のように、M字につるを伸ばしていました。せん定で、がっちりしている枝を半分ほど切り戻しました。もう片方の枝は、細いので、株元付近まで切り戻しました。細い枝をがんばって伸ばしても、先細りする一方なので、花付きが悪くなるだけだからです。
ユアインネルンアンブロは、つるをタテに伸ばすより、横に誘引した方が、たくさん咲くんじゃないかと思って、こんな仕立てにしていました。実際、たくさん咲いてくれたと思いますが、鉢が小さい分、花数には限界があるように思いましたし、二番花に元気がなかったのは、鉢が小さすぎたことも関係あると思っています。
せん定前の枝サイズは、この2~3倍ぐらい長くて、写真に収めるのが難しいほどでした。
上に伸ばしても、それなりに咲くのだと思いますが、脚立が必要なくらい、上方向に伸ばすと、ダイナミックになる反面、管理面では面倒になります。
根張り状況
サマースノー
びっしりと根が張っています。白いところも茶色いところも、全部根っこです。土の表面には、バークチップを敷いて、直射日光を遮断することで、乾燥を防いでいたのですが、結果、土の表面もすべて根っこに覆われています。
鉢底に石を敷く代わりに、竹炭を使っていました。ただ、根っこが竹炭を抱き込んでしまっているので、取り除かず、このまま植え替えます。
作業しながら感じましたが、根鉢をいじらず、このまま植え替えるって、とってもラク。
ユアインネルンアンブロ
こちらも根張りが旺盛でした。
植え替え
鉢
今回はスリット鉢(10号鉢、ただし円錐型なので実質9号)を使用。スリットで、通気と水はけは確保されているので、鉢底には何も敷きません。土を直接敷いていきます。
培養土
土をある程度、鉢底に入れて、平らにならしたら、さきほどの根鉢をそのまま、置きます。空いた空間に土を入れていきます。
使った土は、先日、ロサオリエンティスの商品を手本に、自分で配合してみたバラの土です。一番肝心の水持ち効果ですが、やはり赤玉土のサイズが、小粒と言えども、本家よりもだいぶ大きいため、今までより排水スピードが速いです。ただ、鉢容量を大幅にアップできたので、1日1回の水やりで済むようになりました。植え替えの効果を感じています。👉プレミアローズ培養土~勝手に解析
肥料
今回の肥料の内訳です。鉢サイズは実質9号
マグァンプK 40g(6-40-6-15)中粒、肥効1年
カニガラ 4g(4-4-0)たまごや商店
BM溶リン 4g(0-20-0-12)朝日工業、微量元素
魚粉 4g(7-6-0)東商、アミノ酸
カキガラ石灰 4g 微量元素。今回は酸度調整のためではない
ゼオライト 少々 たまごや商店、根腐れ防止
肥料焼けの不安がある肥料は、カニガラと魚粉ですが、土の総量に対して、微量と言えると思うので、あまり心配ないかと思っています。
わたしは、土に入れる肥料を、はじめに全て混ぜ込みません。肥料を入れる分量は決めていますが、土の総量がはっきりわかりません。土を何回かに分けて用意しながら、そこに肥料を少量ずつ加えて、肥料をちょうど使い切るように調整しています。
薬剤
害虫オールスターズ 1g スリップスなどの対策
ベニカXガード 5g コガネムシなどの対策
植替え結果
根鉢の位置は、できるだけ、幹が中心にくるように、ずらして植えます。見た目のバランスもそうですし、鉢の重心も安定させることができます。
二重鉢には、まだできていません。鉢色が濃いので、日光を吸収して、地温が上昇しやすく、根っこが傷みやすい状態です。できるだけ、バラの鉢の周りに、小花の鉢などを寄せて、直射が当たらないようにします。
野菜などと同じく、根鉢は浅植えにしています。浅植えとは、土の表面と根鉢の上面が同じ高さにすることです。これは根っこが呼吸しやすくするための、知恵のひとつです。
乾燥防止のための資材をこの上にかぶせれば、完了です。安上がりな、バークたい肥でもいいのですが、毎日水やりしていると、バークたい肥がぬれて、空気を遮断しそうなので、通気性の高いバークチップやココヤシファイバーの方がいいかもしれません。
上に伸ばさない方がラクと言いながら、ユアインネルンアンブロは、見た目を変えたく、タテ向きの仕立てにしました。結果、枝葉が密生することになったので、風通しが悪く、病害虫の不安は多少あります。
ちなみに、この支柱は、畑で野菜のトンネル栽培するために使っていたものなので、ふにゃふにゃと曲がる支柱なんです。したがって、つるを強く巻き付けることができませんし、突風が吹いたら、あおられて、風の方向に曲がるはず。おすすめできる使い方ではありません。
今後の管理
・ユアインネルンアンブロは、病害虫の予防あるいは発生で、枝の間引きが必要になるかも。樹高が高くなりすぎて、世話しづらい場合は、再び横へ伸ばすなど、仕立て直す。
・万一、肥料焼けの症状が出るようなら、土を無肥料の土に入れ替える。
・年末12月ごろ、すべてのばらで、冬せん定と、植え替えが必要。