最終更新日 2022.07.20
花も終わり、夏真っ盛りの中、鉢バラ4品種はどのように成長しているでしょうか。前回6月の中下旬に植え替えて以来の、ばらの生育レポートです。
害虫のハダニを完全に駆逐しない方針に転換した点も記載していますので、参考まで。
7月中旬の状況
ザ・マッカートニーローズ(HT)
マッカートニーローズは、花が終わり次第、各枝を半分程度まで切り戻していましたが、その後も順調に成長しており、葉も青々としています。
こんな暑い時期でもまだ蕾をつけて花を咲かせようとしています。鉢サイズは大きくしたし、株も元気そうなので、咲かせてもいいのかもですが、秋まで体力温存させるため、見つけ次第、つぼみは全て指で取り除いています。
そもそも秋がいつやってくるのか、秋らしい秋が来るのか、近頃不安な日本の気候です。
レオナルドダヴィンチ(FL)
レオナルドダヴィンチも、安定感のある成長ぶりです。
マッカートニーローズから10日以上遅れて、こちらでも蕾が発生し始めました。こちらも、秋の開花に備えて、今は蕾を摘んでおきます。
綺麗なバラも、常に咲いていれば、有難みと新鮮さがなくなる気がするので、これぐらいがちょうどいいのかも。
サマースノー(CL)
サマースノーは、植え替え時に、半分以上、ばっさりカットしたものが、ほとんど元通りぐらいにまで、伸びたようです。濃い色の枝葉が、新しく伸びた部分です。
ただ、枝の行き場がなく、ぶらぶらアーチ状に枝垂れたまま放置していては、植物の旺盛な生育が疎外されると思うので、フェンスなどを新たに設置して、冬に仕立て直すまで、仮止めして、枝を固定する方が、バラにやさしいかもしれません。
ユアインネルンアンブロ(HP)
ユアインネルンアンブロも、植え替え時から、かなり葉が茂りました。若干、株に勢いがないように感じていたので、一安心です。
葉先が一部縮れているのは、猛暑が続いた際、水が不足したときのものです。縮れた葉は、復活はしないので、取り除く方が、病気のリスク回避や見た目も改善されるでしょう。
緑の葉と、黄色く葉脈の浮き出たものが混在していますが、後者が葉ダニに吸汁被害を受けたものです。今後の葉ダニの対処の仕方については、下段に記しました。
つるバラを支えるために、曲がりやすいトンネル支柱を利用して、オベリスク風に仕立てています。当初は、特に風の影響を受けて、支柱の役目を果たさないかと心配しましたが、今のところ、持ちこたえています。
バラの管理状況
水やり
6月の植え替えで、7号プラ鉢から、10号スリット鉢(実質9号)に大幅サイズアップ、かつ、ばら培養土「プレミアローズ(ロサ・オリエンティス)」にならって、自主配合したものを使用していることもあるためか、かなり水持ちがいいです。
つるバラのユアインネルンアンブロとサマースノーは、水の減りが若干早いように感じますが、基本的に1日1回。雨や曇天続きなら、2日に1回でも問題ないほどです。
なお、日当たりは、日の出から正午過ぎまで直射日光が当たる場所。それ以降は建物の日陰になります。鉢の水は、少々の暑さでも乾きにくい環境ではないかと思います。
葉水
1日1回。特に葉ウラにかかるように吹きかけます。
葉水には、毎回、何らかの資材を500倍程度の希釈率で混ぜています。
・ハイポネックス1000倍
・食酢500倍
・ローズパーフェクト100倍(たまごや商店、有用微生物やミネラル等含む)
・酢酸カルシウム500倍(たまごや商店、液化カルシウム資材)
酢酸カルシウムは月3回まで可となっていますが、それ以外は、2~3日程度のサイクルで与えることで、葉の細胞強化を目的に、葉水を与えています。
肥料
6月中下旬に、花後のお礼肥えとして、「固形骨粉(日清ガーデンメイト)」を与えました。それ以降、酷暑の時期に、固形肥を与えるのはよくないと思います。
水やり計画に基づき、週1ペースで「ばらの液肥(住友化学園芸)」を与えています。
それ以外は、硫酸カルシウム(葉水)や硫酸マグネシウムを、こちらも水やり計画に基づいて、単体で与えています。
病気
特に見られません。
もともと、この4品種は、楽天市場「ばらの家」から、比較的病気に強い品種として取り寄せました。その恩恵もあると思います。そして、先述のとおり、できるだけ、スペシャルな葉水を与えることで、病害虫に強くなるように意識しています。
薬剤散布と言えば、植え替え時に、「ベニカXガード(住友化学園芸)」と「害虫オールスターズ(アース製薬)」を入れた程度で、これらは薬効1か月。今のところ、予防薬として、葉面には、何も散布していません。
ベニカXガードは、コガネムシ対策で、残り1回9月上旬に散布するだけです。
害虫<ハダニ>
ユアインネルンアンブロにのみ、発生しています。株の5割程度がやられている印象。
6月上旬に小規模発生していたサマースノーでは、現在見られなくなりました。
葉の表面が点々とかすれてくるのが、初期サインかと思います。これを好き放題させた暁には、葉が全面的に乾燥してカスカスになり、黄化して枯れてしまいます。
こちらは、バラの足元に生えている雑草(カタバミ)のようすです。葉ダニは普段、このような草を根城にしているようで、実際、すでにカスカスになっています。これが食い足りなくなると、周りの植物へ移住してくるようです。
昨年から先月の植え替え前まで、バラで葉ダニを見つけ次第、必死に薬剤(ベニカXファインスプレーのみ)を散布していましたが、虫と格闘すること自体を止めて、共生させることにしました。理由は、薬にお金をかけたくない、薬剤が好きではない、葉ダニとのいたちごっこが面倒くさい等。。
そもそも、葉ダニと共生が可能なのかどうかはわかりませんが、バラ(ユアインネルンアンブロ)は壊滅状態には至っていません。
周囲にバラ3品種を近接させているのですが、不思議なことに、どの株にも転移していません(6月上旬に被害のあったサマースノーは、すでに回復)。一般的に害虫と呼ばれるものは、弱っている株に集中して、食害すると言われていることと、葉ダニが好む植物は絞られる習性があることとも、関係あるかもしれません。カタバミを食い尽くしたハダニが、次の的をユアインネルンアンブロに絞って以降、ここで静かに過ごしているなら、そのまま落葉するまで、そっとしておいてもいいかと思うようになりました。
ただし、ハダニが勢いづかないように、毎日、葉水を欠かさないようにしています。葉水に含ませる資材の種類は先述のとおりです。
害虫<シャクトリムシ>
尺取虫が、バラ全般で見られます。特に枝先のやわらかい葉を食害しているようです。
葉水をやる度に、初期幼生(数ミリ程度)が、糸を垂らして垂直降下で、逃げようとするので、手ですぐにキャッチして、捕殺しています。
大きいものだと、10cm以上に成長し、このサイズを見つけると、さすがに可愛くないので少々引きますが。。ある程度、大きくなってくると、葉水程度では、逃げずに、枝に擬態してじっとしています。擬態されると、全くわかりませんが、食害された葉や、数ミリ程度の大きなフンを、枝葉の上に見つけることはできるので、その周囲をよく観察しましょう。
巨大化したイモムシは、捕殺するか、「ベニカXファインスプレー」などの殺虫剤で駆除します。