最終更新日 2023.08.23
先日取り寄せたタネの中から、ちりめんキャベツ「クリスピーノ」と、ハクサイ「オレンジクイン」のたねまきを実施しました。発芽前の処理も、あわせてご紹介します。
今回採用した品種
クリスピーノ(カーボロヴェルザ・ちりめんキャベツ・トキタ)
キャベツ(アブラナ科)の栽培に初挑戦します。
たねまき適期(一般地・中間地・温暖地):~8月下旬
発芽適温15~30度 発芽日数めやす7日
オレンジクイン(ハクサイ・タキイ)
生食できるハクサイ(アブラナ科)。白菜の栽培も初。このタネはペレット状になっており、コーティングたねも初めての経験。タネ袋によると、農薬がコーティングされているようです。
確かに発芽後の新芽が害虫に食べられると、一発アウトですから大事かも。他のタネは、防虫ネットもかけずに育苗しているのが心配になってきました。
たねまき適期(一般地・中間地・温暖地):8月下旬~9月上旬 適期が狭く注意
発芽適温:20~25度
成育適温:15~20度 ウソ!?無理でしょ?この気温なのに?
※ハクサイは適期を少しでも遅れてたねまきしてしまうと、絶対に成功しないそうです。畑のベテランによると、「葉がまかない」からだそう。自然と球状になっていかないんですね。太陽光の短日と関係があるようですよ。ドキドキ
ちなみにハクサイを畑でワラなど使って縛る風景を見るのは、畑で日持ちさせるためであって、球にさせるために行う行為ではありませんよ。球づくりに失敗したらあきらめてくださいね
たねまき前の処理
まず、オレンジクインについて、このタネは特殊で、コーティングが施されています。つまり、このタネを冷蔵庫で吸水したりできないということ。いきなり土にたねをまくことになります。コーティングしたタネを吸水させたらどうなるか、ひと粒だけ実験してみましたが、コーティングが数時間で、はがれ落ちてしまうので、わざわざそのタネを買った意味がありません。
ここでは、クリスピーノの処理のようすをご紹介します。
冷蔵庫での吸水
たねまき前に、まず吸水させます。しかも冷蔵庫(我が家の庫内は開け閉めして平均10度前後)で24時間以上寝かせておきます。
常温での発根促進
冷蔵庫から取り出して、常温で発根を促進します。
発芽適温が15~30度なので、うちの常温(30度前後。あつっ)でもギリギリ発芽ラインですが、保冷剤で空気をひやして25度前後をキープ。たねが浸かった水は、保冷材の結露が滴った影響でしょうが、もう少し水温低めです(17度とか)
これぐらい発根、発芽していても全く動じなくなりましたw むしろ発芽してくれていた方が、安心。この暑さの中、土中で発根とか、結構厳しそうです。ロマネスコとケールのようすを観察していて、完全にタネからの発芽率は50:50ぐらいじゃないでしょうか。
夏のたねまきは、この発芽処理、特におすすめします。
たねまき
たねまき資材
今回使用した資材は下記の通り
・128穴セルトレイ
・たねまき培土(新品)
・酢酸カルシウム液肥(たまごや商店)
今回採用の、たねまき培土には、肥料が含まれていませんが、もみ殻が含まれている模様。これは徒長防止に役立つので、評価しています。あとはカルシウムが欲しいので、カルシウム液肥を1000倍希釈して、予め、ひと晩、底面吸水しておきました。
培土の主原料はピートモス(60%)、パーライト、鹿沼土小粒、バーミキュライト。配合比率はとてもいいと思います。
追肥は、双葉が出揃ってから、かん水に液肥を希釈して与えます。「住友液肥2号」(10-5-8)を使用予定。
クリスピーノ
発芽処理したたねを、土に埋めていきます。
でも、さすがにこんなに発根してしまうと、埋めるのが大変!? いや、こちらは、まっすぐ状態なので、やりやすいですが、根がぐるぐると回ってしまっているものは、とても困ります。。
しかし、根っこが出かかってるかどうかのタネもあるっていうのに、なんなの、この差は!?
50粒たねまき、3粒おまけに入ってました。
この3粒については、外殻は破れており、ちょうど発根するかどうかの瀬戸際でしたので、50粒の中で生育不良が出た場合の差し替え用に、引き続き、保冷剤をつかって、芽出し処理をしていきます。
芽と根の状態が、基本的にまっすぐにはなっていないので、土に埋めると、必ず、あっちこっち向いた状態になってしまいますが、ひと晩もすれば、必ず、上を向いてくれます。
8/22追記)オレンジクイン
コーティング種子のため、発芽前の処理を行わず(行うことができず)、素直にたねを土にまいていきます。竹箸に1センチの印をつけたもので、穴をできるだけ均一に開けていき、タネを投入しました。
72粒使用(+1粒浸水実験でロス)。残り27粒は、発芽不良のために冷蔵庫で引き続き保管。それでも余った場合は、来夏に使いまわします。
購入資材をケチった関係で、セルトレイを半分ずつ、異なる野菜の育苗に使用しているのですが、片方がしっかり日射を当てないと徒長してしまい(現在の日中平均気温30度超)、もう片方は発芽適温が20~25度以下という、必要な環境が異なってしまう状況を自ら作ってしまいました。仕方がないので、発芽するまでは厚手のシートなどでタネを覆って、土中温度が上がらないようにするしかありません。今回使用したシートは、園芸用培養土が入っていた厚みのあるビニール袋で、外側が白っぽく、内側が黒のため、遮光性が非常に高いものです。
春の発芽時にも学んだことだったのですが、1トレイ1品種のタネにした方が管理がラクです。
関連リンク
ちりめんきゃべつ「クリスピーノ」の取扱いあり。たねまき適期が8月下旬まで、この記事が公開された時点ならまだ間に合います。
アイビーでは、クリスピーノの取り扱いはありません。ハクサイ「オレンジクイン」は取扱いあり。
白菜は、全般的に、種まき適期が非常に短い野菜です。購入前、特にたね袋の裏書きをよく注視してください。たねまき適期を無視して、たねをまいてしまうと、太陽光の日照の関係で、ハクサイの球がまかない事態に陥りますので、無残な白菜を見たくなければ、とにかく守りましょう。間に合わないときは絶対買わない、来年にたねを買うこと。
茨城県稲敷郡にある農業資材のお店。このお店から、ホムセンで取扱いのないような、カルシウムやマグネシウムなどの単肥を取り寄せることが多いです。栽培と資材の相談にも乗っていただけます。