オリーブの花が終わったのを見計らって、全5鉢を植え替えました。植え替え適期の5月末から、月をまたいで、6月上旬にかけて作業しました。
植え替えリポートは前半後半で分けています。後半の今回は、ルッカ・ネバディロブロンコです。
オリーブとは
地中海沿岸原生。モクセイ科オリーブ属。常緑樹。
自家結実性はほぼ無し。2品種栽培して結実させる。受粉相性あり。開花期はいずれの品種も5月。
同時期に新旧の葉と花ガラが落葉するので掃除が大変。おしゃれな樹木ではあるが、「外構」に植えると近所迷惑になりかねないので、向いていない。
現状と問題点
この2株については、健全に育っています。
前回の植え替えから2年は経過しているので、セオリー通り、植え替え適期ということでの作業です。
樹形の傾きを植え替えで修正してみます。
入れ替える土の配合と肥料
基本用土として(左から)
バークたい肥30%
赤玉土60%
腐葉土10%
バークたい肥を使う必要はないんですが、腐葉土が意外と割高な資材なので、ミックスしてコスパ改善。
ただ、私が用意したのは「バークたい肥入り腐葉土」。この時点で、バークたい肥要らなくない?w しかも、この腐葉土の中身を確認すると、ほぼ「バークたい肥」。。安い腐葉土を買うと、こうなります。
さて、ここから、オリーブ用の土に寄せていきます。オリーブの土づくりで意識したのは、中性寄りの酸性土壌、水はけと通気性です。
(左から)ゼオライト
カキガラ石灰
もみ殻
もみ殻くん炭
ゼオライト、カキガラ石灰、もみ殻くん炭が酸度調整材として、中性へ導いてくれます。くん炭が割高なので、普通のもみ殻を混ぜて、コスパをあげています。当然、炭の効果がないものを混ぜているわけですが、普通のもみ殻にも、保湿や通気の確保といった、立派な役割があります。
前回は、川砂も入れましたが、手元の在庫がほぼないので、使わず。川砂は、水はけと、樹形が大きくなるオリーブの転倒を防ぐ役割があります。うちは、まだまだ小さいから、今回は抜きにしました。
鉢底石として、「鉢底石 根腐れ防止剤入り」と「赤玉土大粒」を半々使いました。
昨年植え替えたオリーブの鉢底に、赤玉土大粒を全面に敷きましたが、土の量さえあれば、根張りはよかったので、今回も採用します。
今回新たに、竹炭を使用します。鉢の側面に、鉢底から土の表面までタテ方向に、4か所挿入しました。通気性と有用微生物を確保します。
このアイデアのヒントは、先日放送の『情熱大陸』から。樹木医の後藤瑞穂さんが、竹筒に入った竹炭を土中に埋めて、根の健全化に使用される様子を拝見。炭が微生物のすみかになるという話は知ってましたが、今までマユツバと思ってました。ところが、樹木医は、その竹炭と微生物の関係に言及。
また、樹木医は、竹炭と酸素供給材を併用されていました。竹炭で物理的に空間を確保し、さらに根に対して酸素を供給しようという意図が見えました。締まった土がいかによくないか、再確認したところです。
それなら使わない手はないと思って、わたしなりに採用してみました。スリットのない鉢でも同じ効果が得られそうな予感がするので、今後、単なるプラ鉢には、採用したいと思っています。
オリーブの元肥を入れると、成長が思わしくないとの指南があり、前回入れないようにしていましたが、今回は入れます。ただし、定番のマグァンプK(6-40-6-15)は、基本的に使っていません(ミッションのみ使用)
(左から)カニガラ(2-2-0)
塩化カリ(0-0-60)
BM溶リン(0-20-0-12)
害虫対策でカニガラと、微量元素補給でBM溶リンを使いたく。結果、Kが全くないので、塩化カリは調整役で入れた格好です。
成分調整した結果、投入する分量は以下のとおり。
実質9号のスリット10号(表面積572.5㎠)ルッカ・ネバディロブロンコ
カニガラ 10g
塩化カリ 1g
BM溶リン 10g
8号(表面積452.3㎠)エルグレコ・レッチーノ
カニガラ 8g
塩化カリ 0.8g
BM溶リン 8g
8号ミッションのみ配合が違います。他のオリーブと、何か違う結果が得られれば。
マグァンプK 40g(2年肥効)←32g程でよかったかも
カニガラ 8g
BM溶リン 8g
その他、薬剤は、害虫オールスターズ1g、ベニカXガード5gを使用。
植替え前
根張り状況
ルッカ
2年前は、川砂多用で、水はけと根鉢の重量を、重視した植え付けをしていました。
主な土の構成は、川砂・鹿沼・赤玉大・石灰。鉢底には、全面、鉢底石を採用しました。単なるプラ鉢に、水を頻繁にやる方なら、鉢底石の方がよさそうです。(そもそも赤玉土を底に敷く人はいないと思いますが)。
土中に、有機的要素はほぼ無し。
根鉢を軽く崩すと、浅根の植物だというのがよくわかります。15センチより下には、根っこを伸ばしていませんでした。はさみは入れずに、そのまま植え付けました。
ネバディロブロンコ
鉢が7号と小さめだった上に、鉢底石を多め、そして土が少なめか、あるいは2年で目減りしたか、明らかに土の容量が少ない印象。そのため、行き場のない根が回っていました。
ただ、鉢が小さいことで、生殖成長に切り替わって、花をたくさんつけたのかもしれません。元々花をつけやすい品種ではあります。
逆に、ルッカのような、栄養成長が優位の品種は、鉢サイズをキープした方がよかったかなとも思いました。そう考えると、来年、ルッカは花をつけないかも。
ネバディロブロンコは、花後で株が疲れているはずなので、あまり根にダメージを与えないように、崩しすぎないようにしました。幸い、何本か長い根っこの先端や、古い根のいくつかを切っただけで、浅根の根鉢に整えることができました。
植替え結果
9号プラ鉢。
幹の傾きをできるだけ垂直にするため、根鉢を傾けた結果、葉っぱが横向きました。野菜なら翌日ですが、こういった樹木が葉っぱを日光の方向に向けるまで数日かかりました。
9号プラ鉢。
こちらも、枝の向き変更。横に枝を張っていましたが、タテ向きになるよう、根鉢を傾けました。横枝が出ていたからこそ、花もよくついたんじゃないかと思うので、わざわざタテにするのもどうかと思ったんですけどね。来春どうなるでしょうか。
その前に、夏の気温のピークから多少下がって、9月に入ったら、枝を半分切り戻すかもしれません。そうなると枝ぶりも変わってくるでしょう。
今後の管理
・ルッカとネバディロブロンコが結実したようなので、初の収穫が期待できるかもしれません。無事、結果させるため、土を乾かしすぎず、濡れすぎずの、絶妙な水やりができるかが、今夏の課題になりそうです。
・オリーブの葉先焼けが起こるかどうかが、最大の関心事です。栄養素の補給で今年は症状を出さないようにできれば嬉しい(この記事を書いている最中に、エルグレコで発見。。👉オリーブ葉先焼けと対策)
・全品種、強剪定まではしませんが、秋までの成長期の間に、枝先などをピンチしながら、樹形を少しずつ整えていきます。