最終更新日 2023.03.24
1年前に鉢植えした「ビオレソリエス」と「ゼブラスイート」の植え戻しと、先月グリGOで取り寄せた「ロードス」の植え替え作業を3月中旬に行いました。
いちじくとは
クワ科の落葉果樹。日当たりがしっかり確保できるなら、家庭でも育てやすい果樹の代表。漢字で「無花果」と書くが、果実の中心部分にできるつぶつぶが花(の集合体)。つまり、ブロッコリーなどと同じ感覚で、花も食べる果実ということになる。
夏に果実がなる品種と秋になる品種、その両方を兼ねる品種があり。春に芽吹いて、夏までの超短期間で果実をならせる夏果種より、秋果専用種が甘さがしっかりのりやすいとされるため、秋品種がオススメ。さらに、根域制限で樹木の成長をとめて、果実をならせやすいプランター栽培がオススメ。越冬時は外に放置すればいい。
ビオレソリエス
2022年1月にグリGOで取り寄せました。落葉樹なので、棒苗からのスタート。どのタイミングで、どのぐらい切り戻すかどうか迷っているうちに、あれよあれよと新梢が伸びてしまったので、そのまま栽培。切り戻した枝を挿し木するかどうかも迷った理由のひとつ。
ビオレソリエスとは
「ビオレソリエス」は、フランス原生。Violette de Solliès(ヴィオレ・ドゥ・ソリエス =”ソリエス村の紫”)。ソリエスは、ニースやカンヌの南西部にあたる、地中海沿いの、年間通して暖かい地区。秋にのみ実をつける秋果専用種。
果実自体は大きくなく、収量も少ない。そもそもビオレソリエスは、果実を成らせるより、樹木の成長を優先する品種であるという。また、イチジクの中でも晩生の品種のようで、果実が成熟する前に、日本では秋冬が到来して、光合成効率や気温が低下してしまう。そのため、素人には収穫自体が難しいとされる。そういった背景もあり、流通量が少なく、希少価値があり、「幻の黒ダイヤ」とも呼ばれる。プロの収穫時期めやすは10月~11月上旬ごろ。
植え戻し作業
ビオレソリエスの品種特性もありますが、果樹は全般的に、できるだけ鉢サイズを大きくしたくない方針です。根の成長をあきらめさせて、果実の成長に切り替えさせるためです。よって、春に根鉢を崩して、新根に更新しても、鉢はそのまま再利用します。その方が経済的でもあります。
3月末に、垂直の枝は残して、Y字の上枝2本はひと芽残して、切り戻します。ビオレソリエスは、横枝を出させる意味がほとんどないらしいです。よって誘引はしません。
この鉢は大和プラスチックの商品です。下がかなりすぼんでいるので、鉢カバーをつけるには、幅広い商品にフィットしそうに見えますが、これ単体で使うと、とても倒伏しやすいです。特に根域制限して育てているので、地上部が育つと、風にあおられやすくなります。
根張り良好。
元の鉢に戻して、新しい土や元肥えを入れようと、それなりに根を切り崩すしかありません。あまり根を触り過ぎない方が、結実につながるのに、と思いながら仕方ありません。
それから、大和プラスチックのスリット鉢は、スリットの効果が鉢の下方にしか出ていません。鉢の上方は、根がグルグルと回り過ぎです。いちじくの根が強すぎるのも一理あるかもしれません。スリット鉢を使うなら、カネヤ産業がベストではと思います。
いつの間にか、ミミズが中に入り込んでいたので、土の状態はとてもいいと思います。そして、ビオレの根を切ると、とても甘い香りが漂いました。もし結実したら、想像以上に感動しそう。
ほとんど土は入れられませんでしたが、土の配合比率は、
赤玉土6、腐葉土1、バークたい肥2
元肥えは、8号鉢でトータル32gめやす。ビオレソリエスに関しては、かんきつ類と同じで、鉢を大きくしたら、その分だけいくらでも地上部が育ってしまうようなので、あと数年は、これ以上鉢増ししない予定です。
カニガラ20g、魚粉10g、塩化カリ5g、石灰10g、腐植酸5g
これと別にマグァンプK中粒1年肥効も投入。
ゼブラスイート
2022年春に近所のホムセンで激安で手に入れてきました。長年放置されたままだったようで、春になっているのに、枝も葉もまるでついていない、仮死状態でした。
ゼブラスイートとは
「ゼブラスイート」は、フランス原生。秋にのみ実をつける秋果専用種。ゼブラスイートは、9~10月ごろが収穫期。
海外ではPanacheeの名称で流通。日本では、親しみやすい名前で販売促進させるため、ゼブラスイートと名付けられたと思われる。熟した果実の表皮は、うすい黄色を帯びている。名前のゼブラに示されるように、結実の初期段階には、緑のしま模様が入っているのが特徴だが、成熟するにつれて、その模様が薄れていくため、残念ながら収穫物にはゼブラ感はほぼゼロ。
植え戻し作業
白い枝が購入前から伸びていたもの。株元付近の方が元気に新梢が伸びています。枝先は頂芽優性で、いくらか芽が待機していますが、下ほど元気がないですし、途中の芽がほとんど動いていないように見えるので、3月末には、8割ほど切り戻してしまいます。死んだように元気のない枝を挿し木に使うわけでもないので、春に切り戻す意味はほとんどないです。
鉢の表面を覆っているのは雑草。これらの若い枝もほとんどを根元から立ち落とすのと、白枝と更新するため、いくつかだけ、ひと芽残します。
鉢下に庭土があったため、根が鉢を突き破って伸びていました。いちじくの根の強健さを物語っています。
ほとんど土は入れられませんでしたが、土の配合は、
赤玉土6、腐葉土1、バークたい肥2
元肥えは、10号鉢でトータル50gめやす。ゼブラスイートは、ビオレソリエスほど、生殖成長への移行にシビアではないようなので、そこそこ鉢サイズが大きくても大丈夫かと思い、10号サイズ。
カニガラ28g、魚粉14g、塩化カリ5g、石灰20g、腐植酸8g
これと別にマグァンプK中粒1年肥効も投入。
ロードス
(3/24修正)ロードスとは
「ロードス」は、ギリシアのロードス(ロドス)島原生。ロドスは、トルコの目と鼻の先にある島。果皮は淡褐色、果肉は鮮烈な赤。皮ごとひとくちで食べられるとのことで、皮の薄さも特徴。そして糖度は30まで乗るという、それが本当なら異次元クラスの極甘いちじく。
1か月ほどポットのまま、外の軒下で管理しました。10日に1回の水やりでも十分。水やりから5日目でもまだ十分湿っていました。植え替え時は、もう少し乾いていた方がやりやすいかも。根張りもいちじくらしく、かなり良好。
春先の植え替えでは、ある程度、根をほぐして、根が再生する余地を作った方が成長が促進されるので、熊手で少し根をひっかきます。そこで、初めて気づきましたが、細根がまるでブルーベリーのように極細。ちょっとびっくり。品種特性なのでしょうか。しかも、根が張っているように見えて、土はほとんど抱いていません。熊手で少しひっかいてやると、底が抜けて、土が雪崩のように、ざざーーっと流れ落ちてしまいました。
(修正ここから)また、土質について、これまでグリGOで取り寄せた果樹のものとは、まったく違いました。グリGOの土は、バークたい肥がたっぷり入っていて、硬質大粒赤玉土が入っているパターンでした。
一方、ロードスの生産者はMottoHouse。土の配合は、あくまでも私の推測ですが、砂粒状の土(硬質極小粒赤玉土)とココピートぐらいで、どちらかというと、あっさり味。これ、育苗用培養土かも。水はけと水持ちを両立させようとしているかもしれないです。このパターンの元土は無かったので、これからどんな土で育てればいいか、少し悩んでしまいました。(修正ここまで)
と悩んでいる間に根鉢が乾いてきました。これでは株にダメージを与えかねません。急いで作業に移ります。そういう点でも、暖かくなる前に植え替え作業を行うようにすることは、理にかなっています。
スリット鉢6号の底に、さきほど崩れ落ちた元土を入れて、根鉢をその上に置きます。そしてその周りに、元肥えを混ぜたオリジナルの土を入れて突き固めました。
培養土は
赤玉土3、腐葉土(バークたい肥入り)6、パーライト1
結局、他のイチジクの土の配合に寄せていくことに。安物の小粒赤玉土なので、いずれ微塵になっていきます。ということで、念のため、水はけも確保したいということで、ダイソーのパーライトを1割混ぜました。我が家ではパーライトを使う機会があまりないので、110円でそこそこの量が入っているのは助かります。
元肥えは、6号鉢でトータル18gめやす
カニガラ10g、魚粉5g、塩化カリ2g。加えて石灰5g、腐植酸3g
これと別にマグァンプK中粒1年肥効6gも投入。
今後の管理
切り戻しせん定
新梢の成長を促進するため、すべての枝を切り戻します。イシヅキちゃん曰く、いちじくは、切り戻して新梢を出させないと、いい結果は得られない旨を、毎度、口酸っぱくおっしゃってます。果実放任主義の方は気持ちを新たに、今年こそぜひ切りましょう。外気温が20度を超えるほど、上がり切れていないため、芽はまだ大きく動いていません。なので、3月末までに完了させる予定。葉っぱが出始めるほど活動が始まってしまうと、樹木にはせん定が負担かもしれません。
挿し木
これ以上、鉢が増えてもスペースがないので、正直困りそうですが、切断した枝をただ捨てるのももったいないので、挿し木します。いずれもPVP品(自己増殖が禁止された植物。個人の趣味範囲であっても違法行為になる商品)ではないため、法的にも問題ありません。
関連リンク
グリGO楽天市場店
楽天の苗木専門店。三重県の巨大ホームセンターが運営。最近よく利用してます。植え替えシーズンに全く向いていないような時期にセールされるので(楽天スーパーセールに便乗されるのでさらにお得)、取り寄せても、収穫は来期以降と考えて、それが耐えられるならお得です。果樹なら12月~3月上旬が取り寄せの適期で、その期間のセール情報をじっと待ちます。セット品をのぞいて、ほぼ全品、送料別。近所のホムセンにはない品種も多いので、その分の手数料と考えるか、できたら4~6株ほどまとめ買いできるなら、その方がいいかも。
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