枯れた、廃れた、見放された・・そんな悲しい植物を復活させる「再生シリーズ」です。
シリーズ第5弾はいちじく「ゼブラスイート」。2022年から23年あたりにかけて、樹勢を取り戻すことが一番の目標なので、結実・収穫はありません。そんな養生中のゼブラスイートですが、ある管理に失敗して、葉が黄化して枯れかけました。
成育状況
前回までの振り返り
22年5月下旬に、棒苗状態のセール品をホムセンで買ってきて、栽培をスタートさせました。生育状況としては、2年生程度かと思われます。ほとんど丸坊主状態だったものが、2か月経過で、株元付近から葉を茂らせ、順調そうに見えました。
ここからもっと葉が出てくるかと期待したのですが、その後、異常な気温の急上昇もあってか、成長が完全にストップ。ほぼ、写真のままの状態で、9月に突入しました。
ゼブラスイートとは
フランス原生。クワ科。いちじくの品種のひとつで、秋にのみ実をつける秋果専用種。ゼブラスイートは、9~10月ごろが収穫期。
海外ではPanacheeの名称で流通。日本では、親しみやすい名前で販売促進させるため、ゼブラスイートと名付けられたと思われる。熟した果実の表皮は、うすい黄色を帯びている。名前のゼブラに示されるように、結実の初期段階には、緑のしま模様が入っているのが特徴だが、成熟するにつれて、その模様が薄れていく。
なお、「無花果」と書いて、いちじくと読むが、実際は、いちじくの「花の集合体」を果実として食している。
現在の成育状況と水やり問題
9月5日ごろ台風がやってきましたが、我が家では、多くが鉢管理のため、転倒しそうな植物は、前日の早い段階ですべて屋内に避難させました。台風通過後に、鉢を外に出したのですが、この一連の流れで、いつもと違うことをしたことによって、葉の黄化につながってしまいました。
その原因は、後で思い返せば、水不足だったと思われます。
まず、8月末から、比較的涼しい気候になったことで、水やりペースが2日に1回程度になって、乾き気味になっていたこと。これは管理方法としては、特に間違ったことではありません。
9月4日午後には、屋内へ取り込みました。ただ、偶数の日は、水やりの日だったにも関わらず、確かサボって、朝に水を与えておらず、そのまま、室内へ。
9月5日台風通過中は、受け皿なしで室内に置かれており、朝に「ちょろ水」程度しか与えていませんでした。確か、その夕方に、いちじくとしては珍しく、全ての葉がお辞儀をして、下を向いていました。通常は、地面と水平に葉を茂らせています。慌てて玄関土間で、水やり。
9月6日、葉は再び上を向きました。ただ、葉色が悪くなりかけているのを確認。
9月7日、葉が全体的に黄化して、葉を落とし始めました。この流れが止まらないのを確信。。翌日以降も、ボロボロと葉っぱが落ちていきました。
黄化した原因として、ネキリムシも疑ってみました。
スリット鉢から根鉢を抜き取りました。まず、主枝は強固に根鉢と結びついており、ぐらつきがありません。また、根もしっかり張っていて、異常はなさそうでした。
ちなみに、植え付け時、根をやり過ぎなまでにカットしていたんですが、四半期の間に、根が回り切るほど、旺盛に伸びてくれました。
その他、黄化の原因としては、肥料不足も考えましたが、IB肥料を9月1日時点で与えているので、それはないかと思います。その場合は、下葉から黄変するはずと思います。念のため、メネデールに鉢ごと3~4時間、漬け込みました。
日照不足もあり得ますが、数日で激変するようなことはないと思います。
結局、半分以上、葉を落としました。残った葉も、葉先が焼けてきているので、そのうち枯れ落ちると思います。
ということで、改めて、大切な水やり。鉢底から水が出るまでしっかり与えること。土の乾き具合を見ながらですが、水やりのペースを急に変えないこと。
鉢サイズは、スリット鉢10号(実質9号)。小さすぎることはないですが、ただ、枝ぶりからすれば、土量は少ないと言えそうです。鉢植えの場合は、休眠中にしっかり枝を切って、枝葉の量を制限した方が、水分が蒸散する量を抑えることができます。結実のための新梢を出させる刺激にもなります。
土があまりに乾きやすかったのか、考えてみましたが、赤玉中~小がもう少し多くてもいいかもしれません。そもそも、水やりペースが乱れなければ、こうはならなかったので、次の休眠期に、絶対植え替えが必要ということではないと思います。
いずれにせよ、休眠期に近づくに連れて、落葉して、来春、再び葉が出てくるので、根を枯らさないようにだけ引き続き管理できれば、問題ないと思います。
日々の管理
日当たり
9月5日の台風以降、午前中から午後14時ごろまで直射が当たる場所に変更しました。(以前の管理スペースが狭いため)本来は、管理場所を変更するのは、好ましいことではありません。植物が環境に適応するのに、体力を消耗してしまいます。
置き場所の変更で、風当たりはやわらかくなりました。
フランスの品種につき、気温10度を下回る頃に、室内へ取り込みます。ただし、暖かくなりすぎない程度の部屋に置きます。アボカドと同じ管理にするつもりです。
水やり
水やり計画に基づいて、2日に1回程度としていましたが、7月の気温の急上昇とともに、毎朝与えるように変更しています。
今後、最高気温が継続的に30度を下回るようになれば、水やりペースを2日に1回へ減らします。2022年は、10月下旬ごろから、急に気温が下がる予報となっているので、水やりペースをさらに減速させて、休眠期に備えます。
病害虫の心配は少ないため、雨に当たる場所に置いています。
病害虫
現在、被害は見当たりません。
害虫テッポウムシ(カミキリムシ)の心配があります。対策は取っていません。
今後の管理
ゼブラスイートは、結実していれば、収穫時期は9~10月です。
追肥
<固形肥>毎月1日を固形肥の追肥日としているので、御礼肥えと休眠期入りの体力づくりを兼ねて、10月1日に、IB肥料(花ぼ~ろ等)を鉢のサイズにあわせて、施肥予定。これが本年最後の追肥です。残った葉の枚数にあわせて、与える量も減量します。
めやす10号20粒につき、10号スリット鉢(実質9号)で18粒。1粒1g
<液肥>水やり計画に基づいて、液肥(ハイポネックス等)を1週間に1回ペースで与えます。こちらは、10月いっぱいで終了します。
せん定・植え替え
休眠期中に行います。年明けの予定です。鉢サイズはそのままで、周囲の根を少しほぐす程度の植え替えに留める予定です。土がやせて、減量した分は、赤玉土を上から追加して、保水性を少し向上させます。