最終更新日 2024.03.21
鉢バラ4品種の、せん定と植え替えを行いました。バラの種類としては、つる性(CLサマースノー、ユアインネルンアンブロ)と木立性(マッカートニーローズ、レオナルドダヴィンチ)の大株2種類を管理しています。その方法を具体的にご紹介します。
植え替え・新たに栽培する前に
2023年バラの管理成績
まず、23年の栽培成績ですが、病害虫に大きく侵されることなく、割と健全に育ってくれたと思います。
一番よかったと思える点は、自動かん水器の設置で、水の供給が十分に行えるようになったことで、バラの成育が目に見えて、向上したこと。21年と22年は、秋になる頃には、葉がボロボロになってしまい、返り咲きの花はもちろん咲きませんでしたし、このまま株自体が、枯れ落ちるんじゃないかと思わせるぐらい、状態がよろしくなかったですが、23年は12月まで葉が割といきいきとしていました。
また、夏場は特に、じょうろを使って、毎朝6時台にがんばって与えていたのが悲しくなるぐらい。自動かん水器は、自然の降雨並みに、植物に与えるインパクトが違います。
失敗点としては、23年春に行った植え替えで、投入した元肥の量が与えすぎだったようで、YouTuberの牛ちゃん@花友に、そのことを直接ご指摘いただきました。特にオールドローズ系のバラは、過剰施肥になると、花がキレイに咲かないという重い障害が発生するようです。花がキレイに咲かないなんて、何のためにバラを育てているか分かりませんからね。。
ご自身のバラの調子が悪いなと思われる場合は、バラの名前から、どういった系統のバラなのかを一度調べてみましょう。
そもそも、単に「バラ」としか表記されていないような、二束三文のバラを買ってこない、ラベルを早々に廃棄してバラのプロフィールが分からないなどは、管理上まったくもってNGです。
自分が管理するバラの名称が分からない場合は、例えば、オールドローズの特徴として、香りがよい、また、写真のようなロゼット咲き(八重咲き)であったり、つるバラであることが多いようですので、これらの特徴から、花の調子が悪い場合は、肥料過多を疑ってみるのもいいでしょう。
ちなみに一度投入した肥料は、植物に消費されたり、水で洗い流されるまでは、植物に効き続けます。その年の花はあきらめて、翌年まで施肥しないようにします。
鉢バラの植え替え適期
通常の植え替えは、バラの休眠期にあたる12月ごろから、1月中旬ごろまでにおこなうのが良いとされてます(諸説あり)春の開花に向けて、植え替えダメージの少ない時期に、地下部の準備をしておこうというものです。根っこが健全に成長すれば、地上部もしっかり育って、花も楽しめます。植物全般に言えることですね。
なお、気温が上昇してから花期(おおむね4月末~6月上旬)までの間で、1日の水やり回数が1回で済まないようであれば、花後、根っこを一切いじらない前提で、土増しをするための植え替えは可能とのこと。盛夏の水やりの負担を減らすためにも、バラに酷暑を乗り切ってもらうためにも、必要なら実施しましょう。2022年は実際に花後の植え替えを行いました。
土の準備~古い土の再生利用も実践
バラを美しく健全に育てるため、できるだけ最適な土を用意しましょう。
一番簡単なのは、「花用の土」をホムセンなどで購入してくること。もう少しこだわりたい方は、「バラ専用の土」を購入すること。
もっと土にこだわりたい方や、今まで専用土を購入しすぎて、資材の管理が大変だと思っている方は、自分オリジナルのMIX土にチャレンジしてみましょう。今回はこの方法で植え替えします。メリットは、バラや自分好みの土を自分でアレンジできること。デメリットは、初期投資として、複数の土に使う資材を買いそろえる必要があることと、それを常に保管しておくスペースが必要だということ。ただ、一度、基本の資材をいくつ揃えてしまえば、植物にあわせて、配合比率を変更することで、ほとんどの植物に対応できるようになります。
一番やってはいけないことは、土の良し悪しを見極める力がないのに、玄関先や庭先などにある土を、適当に掘り起こしてきて、バラなど植物の土として流用してしまうことです。メリットは、お金も時間もかかりません。デメリットは、最悪、枯れます。
土の中には、さまざまな病原菌や、害虫(卵やさなぎ、成虫)が含まれていることがあります。また、土のpH(酸度)が酸性に傾きすぎている場合もあります。さらに、土が水を吸いこまなかったり、水がまったく抜けない土もあります。それらには、すべて原因があります。それが理解できれば、必要な対処を行うことで、ほとんどの土は再生させることができますよ。今回は、バラの古い土を「再生利用」しています。単に再利用しているわけではないので説明しますね。
この写真は、23年春にバラを植え替えたときに、1年間使い終えた古い土として、乾燥だけさせて、その後、流用せずに1年間保管しておいたものです。
ほとんどが赤玉土の小粒。ところどころに鹿沼土(かぬまつち)、大きな黒いかけらは竹炭。干からびたバラや草の根っこも見えます。
このまま再利用しても育たなくはないと思います。赤玉土と鹿沼土は割と形状を保っていることがポイントです。
さらに植物がよく育つようにするためには、有機物を少量でも投入することが必須です。
今回のReMIX土は下記の通り(1/30比率変更しました)。
・前年の古い土 6(ほぼ赤玉土・竹炭そこそこ)
・鹿沼土 1
・腐葉土 3(ほぼバークたい肥の安もの)
・もみ殻くん炭 少々(微生物の住処など)
・腐植酸 少々(たい肥の次世代商品。微量元素も豊富。たまごや商店)
・カニガラ 少々(甲虫対策・たまごや商店)
・ハイパワー苦土石灰 少々(苦土以外では微量元素が豊富)
・元肥マグァンプK~1年肥効タイプ 少々(鉢サイズに合わせて投入すること)
なお、もみがら燻炭は、我が家での在庫ゼロだったため、単なるもみがらで代用しました。水はけ向上や、微生物のエサとして最も効果的とされる資材のため土壌改良材にもなるもみ殻です。なお、炭化することで、微生物の住処、土壌の中和、ケイ素の補給につながります。
これらは、22年に因数分解シリーズとして、ばらの家(ロサオリエンティス)のバラ専用土「プレミアローズ」を勝手に独自解析して、自作したものを参考にアレンジしました。いわば、「なんちゃってプレミアローズ」です。
ただ、「ここまでできないよ」と感じた方のほうが、ほとんどと思いますので、例えば、赤玉土7:バークたい肥3+「1年肥効のマグァンプK」からミックス用土に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ホムセンで売られているような花用の土は、推測ですが、バークたい肥8:赤玉土2ぐらいのものが多いかもしれません。これだけバークたい肥が多くてもバラはちゃんと育つとは思います。ただ、水持ちが良すぎるので、梅雨時期などの根腐れが心配になるのと、株に重量がなかったり、地下が貧弱な場合、地上部がぐらつきやすいのではと予想しました。例えば、風で簡単に揺らされてしまうような植物は、生育がよくありません。支柱などで支える必要性が出てきます。
追記1/29)古い土を流用しないで一年間保管していた私なりの理由があります。それはバラが黒星病(カビ系)にかかったことです。同時に、その用土も黒星病に侵されているそうです。ですので、古い土を流用する場合は、バラ科(サクラ・梅・すもも・いちご等)以外の植物に使うことを専門家から推奨されました。ただ、わたしは敢えてバラの中で古い土を流用することにしました。結局、カビ菌を絶滅させることは不可能なのに、新しい土をどんどん投入していくと、すべての用土が感染してしまうことになり、ゆくゆくは処分にも困りますし、不経済です。したがって、薬剤を適度に使いながら、黒星病とそれにかかった用土と、つきあっていく方針としました。
鉢の準備
株が小さい場合は、現在使用しているものから、1サイズアップするといいかもしれません。鉢のサイズは「号」という単位で記されていることが多いです。鉢の上辺の直径を表しています。1号=3センチなので、5号鉢は直径15センチの間口の鉢ということになります。
これ以上、鉢や株を大きくしたくないと思っている場合は、新しい鉢を用意する必要はありません。同じ鉢を使いまわすことで、経費節減にもスペース節減にもなります。今回、わたしの植え替えも同じ鉢を使いまわす「植え戻し」を行います。現在10号鉢を使用していますし、広い土地へ引っ越しでもしない限り、来年以降も10号のまま管理するはずです。
鉢の材質は、プラでも素焼きでもいいと思います。プラ鉢の方が基本的に軽く、水分も抜けすぎないので、管理はラクです。ただし、移動しやすいからと言って、設置場所をころころ変更しないようにします。植物は全般的に、急な環境変化に弱いはずです。
また、鉢底に穴が開いているものを選びます。水がしっかり抜けるようにするためです。底穴があいてないものは、鉢っぽくても見栄えをよくするだけの「鉢カバー」にしかなりえませんのでご注意を。鉢底皿は基本的に使用せず、基本、年間通して、屋外管理します。日射が重要なので、屋内で育てることは99%困難です。
プラ鉢で特に優秀なのは、「スリット鉢」と呼ばれる、鉢の側面に細い切れ込みが入っている鉢があります。最大のメリットは、根の”サークリング”が起こりにくいとされている点です。簡単に言うと、根がまっすぐ下に育ちやすい。また、根が必要とする酸素の供給も十分に行えるため、健全な地下部が期待できます。
現在、バラで使用しているプラ鉢は、大和プラスティック社の10号スリット鉢を使用しています。逆円すい型で実質9号鉢相当かもしれず、土量は想定より少な目で済みます。鉢自体も安く販売されているので、負担が少なくて済みました。
一方、逆円すい型なので、風に吹かれて倒伏しやすいです。結局、倒れないように、重たい鉢カバーなどでの支えがほぼ必須になってしまいます。また、こちらのスリットの幅は、思ったよりかなり狭いので、あまりスリットのメリットが十分発揮できていない気がします。
以上のことから、スリット鉢を買い求めるなら、できれば、カネヤ(兼弥)産業のスリット鉢をわたしはおすすめします。
鉢の色も多少気にしましょう。できれば、ライトカラーをおすすめします。理由は、夏季の太陽光にあります。黒に近ければ近いほど、太陽光を吸収しすぎてしまい、地温が上がり過ぎてしまい、根っこが傷みやすく、水切れが早く発生してしまうデメリットあり。うちの鉢はこげ茶色なので、バラ以外の植物を鉢の周りに固めたりして、鉢に直射日光が当たらない工夫をしています。また、2023年9月から、念願の自動水栓を設置して、水切れは発生しなくしました。
せん定・植え替え道具の準備
わたしがバラの植え替えで使用する道具は下記の通り。
・せん定ばさみ
文房具のようなハサミやキッチンはさみで切ると、はさみが壊れると思います。ここは100均ではなく、ホムセンでしっかりしたはさみをひとつ買っておきましょう。
必要な条件として
1)刃が半円形のもの=切断角度が常に一定で滑りにくい
2)バネつきのもの=手が疲れにくい
太い幹でもしっかり捉えて切ってくれるのでオススメです。生け花用や野菜収穫用のような、刃が直線状で細いものは、幹の堅さに勝てないと思います。
・皮手袋
バラのトゲが貫通するのを防ぎます。寒さも感じにくいです。ホムセンや土木建築系ショップでも販売されています。
・スコップ
2種類使用しています。ひとつは、土を一度にすくいやすい深型のもの。もうひとつは、移植ごてという、いわゆるスコップで思い浮かぶ土を掘る道具。100均のもので十分です。移植ごての代わりに、潮干狩りで使用するような、熊手も重宝します。
・麻ひも
つるバラを誘引して、仕立て直す場合は、必要です。
せん定
植え替え前に、まず、せん定を行っておきます。その方が植え替え作業が格段にやりやすくなります。休眠期は落葉期でもあるので、葉っぱをつけたまま植え替え作業をしていると、葉っぱをまき散らすことにもなり、片づけが大変ですよ。
また、枝ぶりによっては、鉢の真ん中以外に根鉢を据えた方が見栄えがよくなるかもしれませんので、その立ち姿を決めやすくなります。
レオナルドダヴィンチ
レオナルドダヴィンチは、このせん定数日前まで花をキープしていました。ビックリです。12月初旬ごろ?だったか、咲いたまま、散らずにずっといたのです。どういうことなんでしょうね。暑すぎなければ、普通は1週間か10日ほど持てばいいぐらいです。ダヴィンチは元々、花持ちがとてもいいバラで、たくさん花数をつけますし、おすすめできますよ。
花が咲く度に、花下の枝を含めてせん定していくようにしています。結果的に、冬になると、このように、花後の新しい枝が次々といろんなところが出てしまい、樹形がかなり乱れた状態になってしまいます。
管理が上手なひとは、次の芽がどこから出てくるかを見分けることができ、将来の樹形を想像しながらせん定されているのでしょうが、わたしはいまだに次の芽がどこから出てくるのか、理解できません。わかるひとから直接見聞きして勉強するしかありませんね。
黒星病がところどころ出ていますが、大発生はしていません。消毒の習慣は効果あるようで、嬉しいです。
「黒星病はバラにとって風邪のようなもの」(木村卓功氏談)で、避けては通れない病気と考えています。一度症状が出てしまうと、抑え込むことはできても、完治することはない不治の病だそうです。しかも周囲のバラ科植物に伝染してしまうようで、使用した道具の消毒までしないといけない、やっかいな病気です。品種改良で、相当発病しにくいものも出ているようなので、購入時は、その辺をしっかり調べてからにした方がいいですよ。
せん定後の写真は、後で。
マッカートニーローズ
春以降は、ものすごい勢いで成長していくので、花が咲いた時点で、思い切って、ばっさばっさと、枝の下方までせん定していってます。結果、マッカートニーローズは、案外、きれいな樹形で落ち着きました。
黒星病は出ていますが、こちらもそこそこ抑えられています。
自動かん水が効いたのもあると思っていますが、暖冬の影響も相当ありそうです。1月末でも、こんなに青々とした葉っぱが残っているは、異常としか思いませんね。
葉っぱが円形に切り取られているのは、「葉切りバチ」というハチが、巣に持って帰ってしまうからです。巣の材料なのか、幼虫に食べさせるのか。。一度狙われると、丸坊主になる勢いでバラの葉っぱを持って帰ってしまいます。ハチはできれば殺したくないので、見つけたら、素手で叩き落として、二度と来ないように学習させていますよw
せん定後の写真は後ほど。
ユアインネルンアンブロ
やはりというか、過剰施肥が効いたのか、他のバラより、葉は持ちませんでしたね。株元から天に向かって一直線に伸びているのが、この一年で新しく出てきたシュート(株元から出た新幹)なので、まったく元気がなかったわけではありません。
冬のせん定時は、こういったシュートを残して、古い枝を断ち切る、更新せん定をすることで、いつまでも植物を若く、あるいは、樹形を低くコンパクトに仕立てることができますよ。植物にもよるでしょうが、古い枝は3~5年ほどでサヨウナラしてみてはいかがでしょう。うちのバラたちは、楽天市場の「ばらの家」からお迎えして、2024年で3年目になります。
つるバラCLサマースノー
結果的に株元から残しておいた向かって左側の方しか、成長せず、右側の方は、せん定時とほとんど状態が変わっていないようです。理由は不明ですが、これで右側も順調に成長し、葉が茂っていれば、中央付近は特に、葉っぱだらけでごちゃごちゃになっていたはずなので、結果オーライです。
今回のせん定でひとつ気になったのが、すでに葉芽がついてしまっていたことです。サマースノーに限らず、ほか全4種とも確認できました。暖冬の影響なのか。例年どうだったか思い出せないですが、芽が出てからせん定すると、もったいない気分です。
実際のせん定日は2024年1月26日で、このタイミングで切ってしまっても、花には影響ないとは思いましたが、とにかく気になりました。指南によっては、1月15日までにせん定と植え替えをせよ、というものがあったのは、根が動き出す前に、あるいは、新芽を摘まないためだったか、ちょっと忘れてしまいました。
いつもは、葉っぱをすべて落とすんですが、試しに残してみました。わたしの今までの管理が悪かっただろうこともあって、例年、夏や秋ごろにはすっかり元気がなくなっていたサマースノーが珍しく葉っぱを残していることもありまして。
無理にバラの葉を落とさなくていいという人もいれば、ここで一度リセットした方がいいという人もいて、人それぞれおっしゃることがバラバラ。間違いたくない側としては混乱しますが、自分のやりやすい、自分がこうではと思う方針で管理すればいいと思います。正解はひとつではありません。ダメなら来年やり方を変えればいいだけ。
根張り状況と植え替え結果
レオナルドダヴィンチ
まず、鉢から根鉢を取り出す前に、表面の雑草を取り除きます。
それから枯れ葉も取り除きます。これは黒星病の温床になるので必ず。
土の表面の乾燥防止にバークチップなどを敷いている場合は、これらも取り除いて、植え替え後に流用します。
鉢底をコンクリートの上に打ち付けるなどして、根鉢を抜きます。素焼き鉢ではコンクリに打ち付けると割れてしまうので、山菜採りのスコップ(平面型の刃状のスコップ)などを使用して、鉢と根鉢の間にすき間を作ります。
根っこはよく張っていて、色も白く健全に見えます。
ただ、スリット鉢なのにサークリング現象は起こっているので、あまり状態がよくないと言えますね。大和プラスチックのスリットは、すき間が狭すぎるので、通常のプラ鉢に植えた場合と比べても、あまり大差ないかもしれません。
根鉢の壁面と底面から用土を2~3割削り取ったイメージですが、実際はもっと削れているかもしれません。根鉢は、あまり崩しすぎないようにしてください。いくら休眠中でも、根っこを傷めすぎると、春に向けて成長が一時的に疎外される恐れはあります。以前、いちじくの植え替えで、根っこを切り過ぎた結果、半年ぐらい調子が悪くなったことがあり、焦りました。
土を削り取って、露出した根っこは、せん定ばさみで、ざくざくと切り取ってしまいます。古い根を切って、新しい根を発根させることで、健全な成長を促すことができます。
植え替え後の写真、撮り忘れて、今のところ、なしです。
マッカートニーローズ
ダヴィンチとほぼ同じ状態でした。
水は1週間に1回ペースで自動かん水していますが、鉢底までしっとりと湿っている状態です。冬にこれ以上与えてしまうと、常にずぶぬれの状態になってしまい、根腐れを起こしてしまいますよ。
鉢上部の側面は、土を入れるべきラインがくぼんでいるようなので、このままだと数センチ下がった状態です。もう少し土の補充が必要ですね。数センチ足すだけで、根の可動域が増えるので、より良く育つはずです。
上記写真のくぼみから上の3センチ程度の空間は、ウォータースペースと呼ばれており、水を与えた際に、土や肥料、グランドカバー資材があふれ出ないようになっています。
ウォータースペースが高すぎると、例えば、野菜のタネなどの発芽が遅れたり、生育にバラつきが出てしまいます。日射に違いが出るのが原因なんですね。それぐらい植物の生育は、実はシビアな世界です。
ユアインネルンアンブロ
いままでのバラと比べると、勢いが少し弱いです。一年前の過剰施肥の影響でしょうか。サークリングになっていないので、スリット効果があるとも言えなくはないです。
つるバラCLサマースノー
4鉢の中で、一番根張りが旺盛でした。ただ、サークリングがかなりひどいですね。。この状態が長く続くと、やがて地上部の勢いが衰えていってしまいます。根の張る先がなくなってしまうことと、地上部の劣化は連動しているのです。
過去数年のようすでは、サマースノーの成育が一番弱弱しく、というのも、春に花が咲いた後は、水枯れや黒星病ですぐに葉が落ちてしまい、どうもうまく管理できなくて、上手に管理することは、あきらめていたので、この結果には驚きです。
23年は積極的に消毒スプレーをするようになった結果、一番ひどかったサマースノーの黒星が、ほぼ見られなくなりましたし、自動かん水するようになった9月以降も、葉をほとんど落とさず元気そのものだったので、水切れが起こっていないというのは、かなり影響が大きかったのかなという印象です。
野菜などと同じく、バラの根鉢は浅植えにしています。浅植えとは、土の表面と根鉢の上面が同じ高さにするか、根鉢の方が少し上に出ている状態です。これは根っこが呼吸しやすくする方法のひとつです。
植え替えの最後に、乾燥防止のための資材を表面に「すき間なく」かぶせて、完了です。写真ではまだ足りてません。安上がりな、バークたい肥でカバーしてもいいのですが、そうすると結局、バークたい肥の中にも根を張り始めます。できれば、通気性の高いバークチップやココヤシファイバーの方がいいと思います。少量ならダイソーで、大量に必要ならホムセンで買った方がお得です。
今後の管理
・薬剤 コガネムシ対策として、3月上旬ごろにベニカXガード5g 投入予定
・黒星病はバラ科植物特有のカビ系の病気です。黒星病の消毒スプレーを、冬期休眠中も、かかさず、月1回は実施するようにします。落葉して枝だけになっている場合は、枝に吹きかけておきます。できれば、土の表面にも吹き付けてください。
黒星病に対する耐性がついた菌には、薬効が落ちてしまうため、一本使い切った後は、含有成分の異なる黒星病用スプレーを用意します。例えば、我が家は、「ベニカxファインスプレー」⇒「アタックワンAL」のローテーションです。
関連リンク
本文に出てきた過去記事
本文に出てきた商品
わたしが実際に使用している農業資材や販売店などのプロモーションを行っています。
・培養土「プレミアローズ」(ばらの家「楽天市場」)
木村卓功氏が代表を務めるバラの専門店「ばらの家」で販売されている、バラに特化した培養土のPB商品。その少量お試し品。わたしもバラを取り寄せした際、こちらの用土にお世話になりました。現在も使用している古い土の何%かに、この商品が含まれています。
・ベニカxファインスプレー
バラのほか、樹木や野菜にまで幅広く使用が認められている商品。購入時にご自身の管理されている植物とそれに対する薬効の適用範囲をご確認ください。なお、バラと同じバラ科に属する「さくらんぼ(おうとう)」に使用すると、「薬害が発生する」とあるため、使用してはいけません。販売はグリーンエイド
・アタックワンAL
販売はグリーンエイド。もし買うなら、アタックワンALとベニカxファインをセットで買った方がいいと思い、送料含めて一番お得になるショップを吟味したところ、記事掲載時点では、こちらのグリーンエイドが最安値でした。
・筆者が栽培中のバラ
2000年以前に作出されたバラは、まだ黒星病に弱いものが大半で、消毒回数のめやすとして年間30回前後だそうです(木村卓功氏談)。休眠期に月1回、それ以外は月4回(週1回)をめやすに消毒スプレーの散布をしてみてはいかがでしょうか。
太陽光はしっかり当たっても雨に当たりにくい軒先やカーポート下などでの管理がおすすめです。黒星病の原因は降雨にある模様。
1936年作出。販売はバラの家 楽天市場店
1993年作出。中輪房咲きで花持ちがとてもいいです。販売はバラの家 楽天市場店
1992年作出。大輪で強香のバラ。数メートル先からでもしっかり香るほどのインパクト。販売はグリーンでGO 。いつも大変お世話になっております。
1884年以前作出。オールドローズの最後期作品とされています。 あらゆる通販ショップをみても取り扱っているお店がどんどん減ってきているように思います。もしどこかで販売していたらチェックしてみてください。リンクは貼っておきますが、ほぼ売り切れ状態かと思います。
3/21追記)まもなく販売再開されます。取り扱いは春時期だけの数量限定かもしれません。
木村卓功氏がおすすめした「強いバラ」
たとえ強いバラでも、黒星病対策の消毒は、年3~4回必要だそうです。季節の節目と、梅雨・秋雨前にそれぞれ散布してみてはいかがでしょうか。こちらは、2023年秋時点の情報です。
なお、ここに紹介する商品は大人気商品につき、常にほぼ売り切れ状態です。ご了承ください。以下、木村卓功氏が代表を務める「バラの家」の登録商品。
プリマヴィスタは、吾郎ちゃんも香りに惚れた、大人気品種につき、ほぼいつも在庫切れ中。ロゼット咲きで香りが濃い、木立性の色も妖艶に美しいバラです。バラの家のメルマガで突然再販売がアナウンスされる場合があります。今は早い者勝ちの状態です。
アルゴノーツも23年秋から売り切れ状態が続いています。寒冷地もOKのロゼット咲きバラ。
かんきつ香がするビタミンカラーのバラ。花壇のアクセントにも最適。ただ、人気で在庫はほとんどありません。
香りが濃い、中輪の房咲き品種。花弁も独特のグラデーションで他と差をつけています。
青系の強健種は2023年時点ではなかったものの、藤色系ならおすすめできるといういことで紹介されたバラのひとつ。下段にレヴリという藤色系バラもあります。
バラの家楽天市場店には商品登録されていなかったので、以下、他店からのリンク。
京成バラ園芸のロングポットに入って届くので、一見、そのまま飾りたくなりますが、植え替えは必須。販売は赤塚植物園。
ケルナーフローラは、楽天の中でも、ほとんど取り扱っていません。販売は園芸ネット
はじめから兼弥産業のスリット鉢に入ってくるというスペシャルな親切さ。この時期の植え替え不要はありがたいです。販売は赤塚植物園。