最終更新日 2022.07.21
枯れた、廃れた、見放された・・そんな悲しい植物を復活させる「再生シリーズ」です。
シリーズ第3弾は「西洋かぼちゃ」。
5月中旬の植え替えから、その後どうなったでしょうか。
更新情報
(22.6.26)「薬剤」の欄、カリグリーンについて、追記
生育状況
前回の振り返り
前回、5月中旬に、生ごみコンポストから救い出した西洋かぼちゃの苗を、プランターに植え替えました。
ウリ科の栽培は、面倒な上に、手を抜いた分だけ、しっかり枯れるので、わたしはとっても嫌いですが、今年は発芽してしまったので、仕方なく栽培しているところですw
西洋かぼちゃとは
ウリ科、品種不明。
南米原生、具体的な産地不明。
スーパーで買ってきたかぼちゃのタネが、春の訪れとともに、自然発芽したもので、冬場はメキシコ産が多く売り場に並んでいたような気がします。つるっとした表皮で、スーパーでよく見かけるかぼちゃです。
ウリ科の栽培は、全般的に、そう簡単ではありません。水やりや肥料の過剰で、特に病気や枯れこみが発生しやすくなっています。また、水分不足は、結実不良に直結するため、大敵となり、何をするにもバランスの取り方が非常に難しい、デリケートな科目の野菜と言えます。
うどん粉病の発症
1か月以上経過すると、随分と成長して、下葉は、人間の手のひらより、はるかに大きな葉っぱに成長しているかぼちゃ。
そんな中、とうとう、苗1号で、うどん粉病を発見しました。初期なのでわかりにくいですが、2号も発症しているようです。
原因として推測しているのは、
1)先日、1回目の追肥(8-8-8)を行った
2)ここ数日、30度超えの酷暑が続いて、乾燥した
3)葉が混みあうと株元の風通しが悪い
あれだけ8-8-8は避けていたのに、何もトラブルが起こらないので、油断しました。また、ここで、8-8-8を与えることで、一気につるを伸ばし、結実させて、早く栽培を終わらせられるかとも思いましたが、それは甘かったようです。
Nが多いと、病気に栄養を与えるようなもの。以後、気をつけます。
今一番気になるのは、次々とカビ菌が伝染するため、カビた葉っぱを取り除いていくと、葉っぱが1枚も残らなくなること。。うどん粉病が一度発症してしまうと、この先どうなるか見通せません。
今日まで、どのような管理をしてきたのか、時間をさかのぼりながら、振り返ります。
1回目追肥のようす
つるが40~50センチまで伸びたタイミングで1回目の追肥を実施します。一般的に、8-8-8を適量与えればよいとされています。過剰に与えることが問題なのです。
(7/21修正)施肥量めやす 1㎡30g
プランター平坦部分の表面積(0.075㎡)あたり2.4g(修正後1.3g)
2.4gでそんなに多すぎたということはないと思いますが、結果的にもっと減らすか、Nが少ない配合を考えるべきだったかもしれません。
鉢は狭いので、株元からできるだけ遠い位置に、均等に与えていきます。うねの肩の方がよかったかも。
苗1号は、2号の3~4日ほど前に追肥しました。肥料は、それぞれの成長のスピードを見ながら、与えます。
気温とつぼみの関係
生ごみコンポストで、新たに苗3号が発芽してしまい、仕方なく移植。どことなく弱弱しいので、すぐ枯れるかなと思っていました。
枯れる気配なし。。
しかも移植してから1週間ほどで、すでに雄花のつぼみが出てきてしまいました。なんでも苗を育てればいい、というものではありませんね。これでは、子供が赤ちゃんを産もうとしているようなものです。
花芽分化は、推測ですが、恐らく気温がきっかけで、25度付近が続くと、そのスイッチが入るのではないかと思われます。発芽や苗の植え付けにもたついていると、成長しきらないまま、生殖成長がスタートしてしまうことになります。
ちなみに、3号は短日処理をしていません。1号2号との違いを見てみたかったのですが、株が未熟なまま、生殖成長がはじまったので、比較対照は難しいし、恐らく苗3号では、満足な結果は得られない気がします。
短日処理
短日処理とは何でしょうか。それは苗に「夏至(22年は6月21日)がすぎて、日が短くなってきたから、早く結実しないと、子孫を残せなくなる」と勘違いさせる技術。これにより、かぼちゃの雌花を早く出させます。
実際には、苗全体にすっぽり覆いをかぶせて、早めに夜の状態にしてしまうだけのことです。なお、普通の鉢では、底穴が開いているので、ふさいで真っ暗にする必要があります。うちは、使い途のないIKEAの鉢カバーがやっと役に立ちました。
株が大きくなりすぎると、覆い隠す術がなくなってしまいます。よって、本葉1枚が出たころ、約10日間、毎日8時間ほど日照を当てます。忙しいひとには、到底無理な作業です。
今後の管理
薬剤
うどん粉病対策として、とりあえず手元にあった薬剤「カリグリーン(住友化学園芸)」を葉っぱに吹きかけてみることにしました。
成分
・炭酸水素カリウム 80%
・界面活性剤等 20%
保証成分
・水溶性加里37%
また、商品パッケージの中に入っている注意書きによると、
「かぼちゃのうどんこ病に使用する場合、効果がやや低いので、多発生時には、散布感覚を短くし、十分な散布量を確保してください」
とのこと。希釈率は800倍を守りますが、当面、葉水の代わりに、かぼちゃ株全体に、カリグリーンを、毎日与えることにします。現在、苗4号まで発芽しているのですが、すべてに与えます。展着剤の併用が推奨されていますが、うちでは使いません。
カリグリーン以外にも、食酢の希釈液は月に何度か不定期で与えていました。必要ならこちらも再度試します。また、食用重曹の希釈液(弱アルカリ性)も同様に試す価値はあります。
追記)カリグリーンは、初期症状に対してのみ有効です。界面活性剤も含まれてはいますが、主成分はカリであることから、農薬と言うより、肥料に近いような商品ではないかと思います。うどん粉病を数日間、見逃すなどして、葉の全体が粉をふいたような、重症の場合、葉っぱを物理的に切り取るしか方法はありません。切り取った葉っぱは、ビニール袋に隔離して廃棄します。使ったはさみは、しっかりと消毒する必要があります。
水やり
植え付け直後は、毎日与えてました。生育が落ち着いてからは、梅雨に入っても、2日に1回ペースのままです。ただ、この数日で、真夏かと思うような厳しい気候に様変わりして、鉢植えは一層乾きやすくなっています。必要そうなら、1日おきに変更します。
ちなみに、かぼちゃの水は、株元というより、株周りに対してしっかり与えます。うちの場合は、鉢の中にうねを作っているので、うねの肩から下にたっぷり。土が濡れた状態が続くと、根腐れにつながります。
せん定
株元で、役目を終えたか、役に立っていない黄色い葉は、はさみで切り落としました。咲き終えた雄花も取り除きました。これで風通しをよくします。ウリ科にはさみをいれることも、枯れにつながるリスクがあり、好きではないのですが、仕方ありません。
また、土の跳ね返りを防ぐために、もみ殻をまいておきます。つるが伸びるまでは、地を這うように葉っぱが伸びていたので、今さら感はありますが、念のため。