最終更新日 2024.06.14
ついに畑野菜の追肥についてまとめたページを用意しました。。
追肥について、ざっくり言うと、植え付けから1カ月後に初回の追肥。その後、2週間または1カ月おきに施肥することが基本となります。
追肥の重要性
適度な追肥をしないと、野菜が病害虫にやられやすくなったり、香味が感じられなくなったり、可食部が硬くなったり、といった風にさまざまな弊害が生じます。
無施肥で栽培する方法もあると思いますが、それは土が肥沃であることが絶対条件かと思いますね。「砂漠」のような環境で、健全に育てるのは極めて難しくなります。
追肥の基本
タイミング
基本は、植え付けから1カ月後に初回の追肥。その後、1カ月または2週間おきに与えます。
夏野菜の場合は、GWに植え付ける場合が多いため、次回は6/1付近、その後15日、翌月1日といった風に、施肥タイミングを統一しておいた方が、管理はラクになります。
時々、ウリ科のような、果実の肥大タイミングが初回の施肥(それ以前はつるぼけになるため)といったように、例外野菜が紛れているので、注意が必要です。
施肥の量
多すぎても少なすぎてもよくありません。どっちかというと多すぎに注意が必要です。
肥料過多は、病害虫が発生しやすくなります。とくにN過剰。害虫が寄りつきやすくなったり、うどん粉病(葉っぱが真っ白なカビで覆われる)にかかりやすくなります。ハーブのような香りを楽しむ野菜は、香味がなくなります。
逆に肥料を与えないと、まず、株が大きくなりません。体ができて初めて、果実がたくさん、あるいは大きな実をつけるので、初期の肥料切れは後々の収穫に響くことになります。葉が黄色になって、光合成も滞ってくると、いよいよ末期なので、葉色の変化にも注意します。元肥えがしっかり入っている場合は、基本、1カ月は与えない期間を設けます。ここで追肥を与えてしまうと「肥料焼け」と言って、根が黒ずんで焼けたような症状を起こして、結果枯れます。
葉物の肥料過多は相当ヤバイことになりますが(出荷直前にあえて硫安を与えるテクもあるようですが)、逆に与えないと、少ない栄養でなんとか組織を守ろうとするのか、食感が硬くなり、スジっぽくなってしまいます。
指示された肥料の量は、超厳密に守る必要はないと思いますが、おおむね従っておく方が無難でしょう。それと、肥料を手で握ったとき、どれだけの肥料をつかむことができるのか一度量っておきましょう。作業がラクになります。成人男性で50g、女性で30g前後とされています。例えば、10g必要ならどう握ればそれに近くなるかも試しておくといいですね。
施肥の場所
肥料を吸うのは、根っこの先端付近です。野菜の成長にあわせて、施肥の位置が変化します。植物を真上から見たとき、枝葉の外縁部の真下に、根っこの先端が到達しているとされています。
野菜の場合は、株が小さければ、株元やマルチの穴の中。成長に従って、マルチをめくって与えたり、うね間(通路)に肥料を与えたりします。根っこの位置を想像しながら、施肥してください。
なお、ボカシ肥料などの分解が遅い有機肥料は、土の上にばらまくより、土になじませましょう。その点、効率を考えるなら、化成肥料の方がラクということになります。
肥料の種類
栽培者の考え方によりますが、畑では固形肥が適しているかもしれません。液肥は即効性で、希釈などの準備作業も伴います。範囲が広いと希釈水を用意する分量も膨大です。わたしが利用している畑には、水道がありませんので、液肥の希釈作業は実質、困難です。
Eテレ「やさいの時間」は、基本的に8-8-8と呼ばれる化成肥料を使用されています。NPKのバランスがよく、多すぎも少なすぎもしない比率で、初心者に広く使いやすいく、無難な肥料だからです。
多少値段が高くても有機資材で、肥沃な土づくりを目指すならボカシ肥料もおすすめです。微生物資材のひとつでもありますので、与えるだけで手軽に微生物を増やすことができます。わたしもできるだけこのボカシ肥を多用したいと思います。理由は有機物が入っていない土で堅いから。ボカシ肥料だけでなく、微生物の長期的なエサになる「もみ殻」もできるだけセットで与えたいところ。成分比は、おおむね「8-8-8の半分程度」です。
肥料と水
乾燥しきった土に肥料をまいても、成分は溶けていきません。ある程度湿っているか、物足りなければ、降雨前を狙ってまいたり(少雨に限る)、施肥後に水を与えてもいいでしょう。
肥料成分を運ぶのは水です。水不足では何をやってもほとんど意味がありません。水をしっかり与えることが結果、養分をしっかり運ばせることにつながります。下手に水を切って、「果実を甘くする」と言ったような小手先のテクニックを使うのは、素人は避ける方が無難です。そもそも人間が与えたつもりの水量は、植物にはまったく足りていないことがほとんどではないかと思います。
畑で管理中の野菜
なす
定植1カ月後が初回。その後2週間おきに30g/㎡ なすの肥料切れは、深刻な収穫減に結びつくので要注意。
じゃがいも
定植から1か月後(5月中旬ごろ)に芽かき(地上に出た枝を2~3本に減らす)を行うと同時に、初回の追肥となっていました。
うちは、穴を開けていないマルチを5月末までかけたまま、放置していたので、苗が白化してひょろ苗化。ただ、マルチをはげば、すぐに緑色になります。初回施肥も遅かったため、収穫に影響するのは必至。2回目の施肥は花がついた頃です。
土寄せを適宜行って、いもができる土の範囲を広げますが、もう遅いか。周りの畑のじゃがいもは、すでに収穫を済ませたところも多い。梅雨入りまでに収穫した方がいいのでしょうね。
うちは花がまだ一部の株でしか咲いていないので、厳しいかも。マルチのはがし忘れと初回の追肥遅れが効いてます。いもは確認してみたけど、まだまだ小さい。
スティッキオ
栽培から1年以上経過した株です。本来はここまで放置するような野菜ではありません。若苗を早採りしていただく野菜です。花が咲いていない状態であれば、株が大きくても意外と美味しく食べられます。花が咲く兆候があれば、株元まで切り戻しします。
2週間おきに1回、30g/㎡ 肥料を与えないと、子孫を残す方にスイッチしてしまうので、適度な施肥は大事です。うちは、ほったらかしなので、花がすぐに咲きますw 花が咲くと可食部が硬くすじっぽく、風味も落ちるので、できるだけトウ立ちさせないように管理してください。
つくねいも
植え付け1カ月後に初回。その後、月1ペース。4/28に植え付けたので6月上旬が初回。
たまねぎ
収穫のみ。
おかわかめ
植え付けから2週間後に初回。2週おきに1回。草丈が2mに到達で、枝先を収穫します。
みょうが
みょうがは、植え付けから2カ月後に初回。その後、月1ペース。6月上旬に初回の施肥です。
さといも
みょうがの日陰対策として、さといもを畑内から勝手に生えたものを移植しています。さといもを植えることを見込んで、土づくりの時点で、硫カリを混ぜ込んでいます。
定植から1カ月後が初回。その後、月1ペース。ですが、移植時に根っこが切れすぎたのか、調子が芳しくありません。さらに移植をすすめてみましょうかね。
かぼちゃ
初期にウリハムシが寄ってたかって苗を食べ尽くす寸前までいってしまったので、成長が緩慢。しかも、草勢が強いのを見込んで、ちゃんと耕すことなく、草の中に植えたのもあって、成長に失敗したようです。。葉色も悪く、すでに花もつけています。
苗を作り直して、土づくりもした方がいいかもしれないですね。
追肥は果実がピンポン玉サイズになったタイミング。
ズッキーニ
ここまで6月1日のようす。ウリハムシ対策で、植え付けから長らくネットで保護してきたけど、勇気を出して、ネット開放。じゃないと授粉してもらえない。株がここまで大きくなれば、さすがに葉っぱを食べても美味しくないのか、それとも気温が上がってきて活動期から外れたのか、ウリハムシ被害は見られず。
1週間後の6月8日には、果実がすっかり大きくなってきました。スタンダードなズッキーニは、スーパーで並んでいるサイズまで成長しました。これを欲張って、しばらく放置すると、大根に負けないサイズになってしまい、1個消費するのに1週間とか平気でかかってしまいますw 果実を大きくしすぎると、株にもダメージで、早くに枯れてしまいますので、きゅうり同様、早採りを心がけましょう。今週からズッキーニ祭りになりそうです。
丸形ズッキーニは、これが初の着果のため、このタイミングで全て取ってしまい、株の成長を促しておきます。これでピンポン玉サイズ。
定植から1か月後に初回。その後、2週おきに1回。
大玉・小玉スイカ
どこからどこまでがスイカなのか分かりにくいですが、これでいいです。ウリハムシに見つかりにくくしておく必要があります。かと言ってネットをかけてしまうと、受粉媒介虫が寄り着けなくなってしまいます。
今年もナント種苗の品種で、大玉「羅王ザ・スウィート」と小玉「ピノガール」を育てています。先日、摘心して、現在、子づるを伸ばしている最中です。
去年は株が全く大きくならないまま終了してしまいました。元肥を無施肥で始めたが原因とみています。
スイカの追肥は、果実がピンポン玉になったときが初回、というのがセオリーです。今回は、元肥も与えた上、初期で2段階の追肥を実施します。摘心から2週間後、10g/㎡と、さらに2週間後に10g/㎡を与えます。この2品種は草勢が強いらしく、ピノガールの初期はおとなしめらしいので、ここで追肥するのは少々危険かもしれません。ここは「化成肥料888を10g」与えておきます。
さつまいも
品種は「べにはるか」
通常はつる苗を買ってくるのですが、今回は「つる苗を自分で作る」という特殊な苗(これを植えてもイモは成らないらしい)を買ってきました。ただ、中間地は植え付け適期が6月上~中旬につき、残り日数が迫っており、果たして、間に合うのだろうか。。
ミニトマト・大玉トマト
大玉トマト桃太郎。大玉は初挑戦。
薄皮ミニトマト「プチぷよグリーン」こちらは雨よけ栽培が必須となっています。6/8に家庭菜園向けの、巨大なハウスを建てました。人間がすっぽり入るサイズ。後日詳報します。
お得意の、株を横に寝かせて、根鉢を「植えない」植え付け方で根張りを強くします。
トキタのジャングルミニトマト。トマトはつる性ではないため、上にのばすなら、支柱を立てて、誘引してやるか、ハウスなら上から誘引ひもで吊り上げる方法があります。自然風が当たる場所で吊り下げ栽培をすると、株が揺れるため生育が緩慢になってしまいますので、露地は支柱か、地這え栽培にするかです。わたしは地這えと支柱を両方試してみようかと思います。
定植1か月後に初回。その後、2週おきに1回。管理はミニも大玉もあまり変わらないようですが、大玉は第一果房(一番花)で結実しないと、その後の収穫はほとんど見込めないという。。絶対着果させましょう!人工授粉とか久々だな。
脇芽は初期に早めに取ってしまいます。長らく脇芽は取らずに伸ばす派でしたが、今年はできれば取ってみようかな。ジャングルミニトマトは、逆に脇芽は取らず、放任栽培するように品種改良されたミニトマトですので、ズボラな菜園家には刺さる野菜w
6/9追記)「やさいの時間」でたまたまトマトの有機栽培を紹介してました。枝を立てれば、脇芽が出にくいらしい。そうなのか。でもトマトがタテに伸びやすいですね。化成肥料のような即効性のものを与えない前提だからかもしれない。
おくら
おくらのタネは発芽処理せず、タネ袋から取り出して、畑へ直接まきました。ひと穴に4粒等間隔で並べましたが、発芽率はよかったです。このように密植させたまま、枯れ落ちる日まで栽培します。おくらは、1本立ちさせると、樹木のように太くどこまでも上に伸びてしまいます。わざと密植して、樹勢を落とします。実付きも緩やかになりますので、忙しくて畑になかなか行けない方は、ぜひこの方法で。しかも角おくらはNG。丸おくらを育ててください。実が多少大きくなっても柔らかいので。
売っている苗もこのぐらいのサイズでしょう。施肥はこのタイミングからスタート。1回ひとつまみだけ(およそ3g)与えすぎないでください。2週間おきに施肥。
にら
何年ものかわからないぐらい、ずっと成長し続けてくれている。2週間おきに1回ペースで。ひとつまみでOK
エルバステラ(オオバコ)
無施肥。草なんでw
いちご
野犬がいるらしく、いちごを一部食い荒らし。。目のあらいネットは必須になりそうです。木酢液なども使ってみることにします。こちらも授粉作業が必要になるため、細かすぎるネットはかけられません。
まもなく収穫が終わる頃でしょうか。お礼肥えとして株元に10gほどまいておきます。6月下旬ごろから7月にかけて、来春に向けた、子株取りを始めます。
苗づくり中
島ゴーヤ
去年のタネから1つだけ芽が出たけど、それじゃ物足りない。自家採取タネの品質が安定していないのと、畑の堅い土で発芽させるのは、難しいですね。やはりふかふかの土でまずは苗づくりが良さそうな。まだまだタネが残ってるので、それらを試すのと同時に、やはり買ってきたタネの方が結果が早くて、芽の出方も揃いそうな予感。
ピーマン
だいぶ大きくなってきましたが、もう少し養生が必要かな。タネの外殻を取ってあげる際、ふたばをぶち切ってしまったのが2苗ほどあり、がっかりしましたが、その後、ぐんぐん成長しているので、気にするようなことではなかった模様。。
フダンソウ・セロリ
長年失敗ばかりしていたので、今年はやけに調子がよくてご機嫌です。雑草の芽のように見えるのがセロリ(のはず)です。本葉が出れば、セリ科かどうかがよく分かります。
アーティチョーク
ポット苗はほぼ仕上がった状態なので、まもなく植え付け。定植から1か月後が初回。その後、月1ペース。