枯れた、廃れた、見放された・・そんな悲しい植物を復活させる「再生シリーズ」です。
久々のシリーズ第7弾は、”第二畑の果樹”。しかも樹種が複数ありまして、メインは梅!そして、すもも、柿の3種類。「最近ほとんど結実しない」という地主の嘆きにお応えして、まとめて再生作業に取り組みます。
再生シリーズ
ちょっと残念な植物を復活させる「再生シリーズ」。過去、いくつか取り組んだものの、その後どうなったのか明記していないものがほとんどなので、ここで簡単に整理しますね。
1)モクビャッコウ(2020春~)
ホムセンのワゴンセールで売られていました。キク科の低木です。見事再生しましたが、その後、植え替えをしていないのが原因で、樹勢は低調。バラや果樹ばかり世話をしがちなので、つい放任してしまいます。冷涼な気候になったら植え替え(植え戻し)ますね。
2)カランコエ・プミラ
多肉植物のひとつ。マダガスカル原生。葉っぱが、小さな羽のような形状で、うっすら白い粉をまとい、白銀に見えることから、いわゆる「シルバーリーフ」として知られています。
一度枯らせた株を室内で水も与えずに一年放置していたら、勝手に再生が始まっていたので、手をかけてみましたが、自然消滅しました。。日陰で管理しましたが、株が弱い割に、屋外の環境が厳しすぎたかもしれない。
多肉は反応がわからないので、どうも苦手です。
3)西洋かぼちゃ(2021年夏~秋)
イオンで買ってきた、メキシコ辺りで生産されたかぼちゃの野菜くずを段ボールコンポストにつっこんでおいたら、タネから芽が次々と出てしまったので、仕方なく育ててみました。発芽してから、気候がどんどん涼しくなっていったので、結実までたどり着くかどうかが焦点でしたが、見事、小さめの果実3つ収穫
4)ミクロソリウム・グリーンフレーム(2022春~冬)
シダ植物の「ミクロソリウム・グリーンフレーム」を2023年春から再生に挑んでいましたが、寒い冬場にうっかり水切れさせて、完全に枯らせました。。チーン~ ごめんなさい。それと、うちの部屋の寒さにも耐えられなかったかもしれない。
5)ゼブラスイート(2022年春~)
このサイト内で、最近多かったキーワード検索は「ゼブラスイート 実がつかない」でした。ご訪問ありがとうございます♪
うちのゼブラスイートは、ホムセンのワゴンセールで売られていた無花果(いちじく)です。株は見事に再生しましたが、果実はまだつけていないので、偉そうなことは言えないですが、実がつくようにするには、以下をお試しください。
・鉢を小さくする
・植え替えは数年に一度以下にする
△春~秋の肥料をしっかり与える
△一文字仕立てにする
うちは、△の部分ができていません。
6)黒ナス(2023夏~)
再生シリーズ入りをここに宣言いたします。。ホムセンで買ってきた”クズ苗”の草勢を取り戻し、秋までにたくさん実をつけられるでしょうか。
7)第二畑の果樹 梅・すもも・柿(2023夏~)
「最近ほとんど結実しない」のを解決すべく、手をかけていきます。
すもも(品種不明)の夏せん定を先日(23.7.28)実施しました。
夏のせん定作業
今回は、梅のせん定です。すももと同様、梅の品種も不明。こちらも近場で手に入りやすい品種を適当に1本植えてあるのだと推測。
現状と果実がつかない理由推定
こちらの梅は、春に花は咲くものの、実はつかないとのこと。これしか情報ありませんが、果樹で結実しない理由のほとんどは、1本植えで、別品種を周辺に植えていないことだと推測。
あと、完全に放任されているのは明らかで、あぜの通行等で邪魔に感じられた場合のみ、切除されているんだろうな、ぐらいの感じ。なので、盛り盛りです。何か病害虫にひどく侵されている感じはなさそうなので、元気そうなのは何より。
せん定作業
夏せん定は、7~8月に行えば問題ないとする指南と、全くおすすめしないとする理論があり。せん定をする場合、特に太い枝を払いすぎると、樹が弱るリスクがあるのと、適切な場所で切らないと、また枝が伸びてきてしまって、花芽がつかないようです。夏時期は不要な枝を抜くのがメインのせん定になりますが、夏期は積極的には実施しない方が無難かもしれません。
切る前に、一度遠くから樹形を確認しています。梅は開帳型が理想かなと思います。
その上で、株元を見ると、枝がびんびん伸びています。開帳型なので、真ん中にいっぱい枝が出ている必要がないので、ここから整枝していきます。
“少し切っては、引きで確認”の繰り返しで、最終的にはここまで株元がすっきり明るくなりました。過去に何度も切られた跡があり、切られた跡から、負けじと枝がのびているので、随分いびつな枝もあれば、波を打つようにきれいな樹形になっているものもあります。
隣にすももやいちじくが植えてあるんですが、そこまで徒長枝が伸びてます。若い枝の感じからして、1~2年でこんなに伸びるのかもしれませんが、どこかを切られた反発で出てきたのでしょうか。とにかく、混みあっていて、枝が乱れています。
すもものためにも、根元からばっさり切ってしまいます。
すいません、背景が全部緑なので、切ったのか分かりにくいですね。。ただ、後ろの草むらがよく見えるようにはなってます。風通しよく、一本一本の枝に太陽光が当たります。
混みあった枝がなくなったおかげで、すっきりしました。12~1月ごろに、再度見直して、枝の枯れ具合や、長い枝から出てくる短い枝(花実がつく)の具合を見ながら、春にむけてのせん定を行います。
太い枝でも、内側に入って、樹形が乱れているものは、夏ではなく、冬の休眠中にきれいにせん定して整理します。
ゆ合材の塗布
500円玉クラスの太枝を切った場合は、そこから細菌が入りこんで、枯れこむのを防ぐため、切り口を早く塞ぐための専用薬剤が販売されています。「トップジンMペースト」というオレンジの粘性のある液体を塗り付けました。しっかり乾けば半透明になり、色はあまり目立たなくなります。
今後の管理
土づくり
どうしても地上部ばかりに気がいきがちですが、根っこが健全でないと、枝葉も元気になりません。結果的に果実の成りにも影響します。
たい肥を入れて、土の微生物の活動を活発にします。それにより、多少改善されると思いますが、根に空気が入るような対策も必要。
草刈りはやりすぎない程度に生えさせて、土の乾燥防止にも努めます。
追肥
現在、酷暑期のため、肥料は積極的に吸わないため、控えます。
秋に向かって、気候が冷涼になってくると、植物の活動が再び始まります。冬~春の開花に向けて、体力をつけさせるために追肥を実施。
受粉樹の「設置」
ほとんどの果樹は、一品種では結実しない仕組みになっています。自家結実性(=一本でも結実しやすい)のある品種でも、できれば別品種が近くで栽培されている方が、結実率は上がると言われています。
第二畑から、いずれは撤退しなければいけませんので、別品種を植えずに、鉢植えを設置しようと考えています。鉢植えにすることで、いつでも移動が可能。根域制限されているので、早期に結実する確率が上がります。デメリットとしては、当然、花実の数が、地植えより少ないでしょうが、ここで大事なのは、鉢植えの花粉を、地植えの果樹に提供することです。
問題なのは、鉢植えの品種えらびです。地植えの品種がなにひとつはっきりしていません。恐らく、ホムセンなどで手に入りやすい品種を植え付けられていると推測。そこで役に立つのがネット販売されている果樹で、一般的にお見かけしない品種を選ぶこと。これで”品種かぶり”が発生する確率はかなり下げられます。
受粉樹の購入時期は、酷暑のピークを越えた辺りで考えています。植え替え適期としては、早いですが、少しでも秋のうちに樹を大きくしておきたい。かと言って、こんな酷暑期に植え替えをしても成長する前に枯れてしまっては、元も子もないので。
水やり
地植えの果樹に水を与えることはほとんどないと思いますが、鉢植えを設置するとなると、すぐ乾いてしまいます。鉢植えは、まめにかん水するか、鉢が全部埋まり切らない程度に、土に半分埋めてしまう方がラクです。鉢サイズは、ある程度大きい方がいいですね。
鉢底から根っこが突き破って成長するのは間違いないと思います。。なので、不織布タイプの鉢は採用できません。とにかく手間を省いて、水切れ防止を最優先で。
病害虫対策
コガネムシ対策が必要です。石灰やニームオイルを樹全体にふりかける。株元の幼虫駆除対策として、ベニカXガードの散布。木酢液もいいかもしれません。いずれか試してみます。
また、カミキリムシが見られるため、特に株元から食い荒らされないような薬剤を塗ったり、物理的に株元を堅いもので覆ってしまう対策が必要です。
おまけ
いちじくの誘引
梅の枝がすももといちじくにまで伸びていたので、そちらは主軸から切り落とすことで対処しました。一方、いちじくが、すももの壁になって、太陽光を遮っているように見えたので、すももから枝を遠ざけるために、サンラインを使って、一方向にひっぱりました。
いちじくも放任栽培なので、上に伸びてしまって、すももの壁になってましたが、少し解消されました。冬の休眠期に入ったら、主枝を短く切り戻すか、柔軟性があれば、一文字に仕立ててもいいです。今時点でこれが限界なので、一文字は無理かな。。
二日後に確認したところ、誘引したうちの一本が地面に臥せってました。まさかと思いましたが。。
あちゃ~
元々、カミキリムシ系に株元を食われて、ギリギリ持ちこたえていたところを、私が誘引で力を加えたので、ぽっきりと折れたようです。。全くのノーマークでした。。いけませんね。地主はどう思っただろうか。。
いちじくは山ほど実がなっているので、一本折れたぐらいで怒ったりされないでしょうけど、手入れするときは要注意です。首の皮ほどでもつながっていれば、再生してくるとは思います。株元に少し土を寄せて、根っこを出させてもいいです。また、春前に折れかけた枝をせん定してしまって、挿し木してもいいです。これ以上増えたら困るかな。
関連リンク
癒合材はメーカーも商品数もそれほど多くないので、ほとんど迷うことはありません。最近よく利用する楽天の種苗店IVY(アイビー)でも、こういった農業資材の取り扱いあり。 ホムセンでも置いてあるかと思います。
・玉鳥産業レザーソー SELECT250 生木専用のこ(楽天ビック)
せん定用ののこぎりは無数に種類があって、どれがいいのか、素人には分かりにくいです。生木を切る専用ののこで、替え刃タイプのため、メンテナンスもしやすそうなので、こちらを選びました。玉鳥産業は、金物で有名な兵庫県三木市の会社で、花友にも出展。信頼できる会社の商品です。
細めの枝は、枝切ばさみを使った方が切りやすく、切り口も綺麗になりやすいです。無理して切り口がいびつになると、病原菌が入り込んでしまったり、枯れこむ原因にもなり得ます。