樹木によって、肥料を与えるタイミングが異なるため、わが家での固形肥のプランをざっくり考えました。毎月1日に固形肥を与える習慣にしています。
わが家の地域は、本州関東以西・太平洋側平地。野菜のタネ袋では「一般地」「中間地」と表現されていることが多いです。
なお、液肥については、毎月2日ごろに紹介している「水やり液肥プラン」の中で紹介します。
また、野菜の固形肥については、別記事でアップ予定です。今月こそは記事用意しますw
樹木の施肥プラン
今月は「バラ」「ジンチョウゲ」「ラベンダー・ヤロウ」「アボカド」「実梅」です。
固形肥年間プラン
上図は、できるだけ管理が簡便になるように自分なりに調整しています。識者が推奨する時期と異なる場合があります。
緑=主に有機:「窒素控えめ、リン酸そこそこ」で肥効30日程度のもの
黄=緩効化成肥料:IB肥料 めやす10-10-10-1 肥効30日
青=緩効化成肥料:IB肥料 めやす10-10-10-1 肥効100~120日
※肥効期間が明記された肥料を使用すると管理しやすいです。
※これとは別に、水やり計画に基づいて液肥や、結晶硫酸マグネシウムも与えてます。液肥については、各月の「水やり液肥プラン」で触れています。
さて、以下、我が家での具体的な肥料の内訳や量を示していますが、ご自身の環境や栽培品種で、調整してください。例えば、ひいらぎの地植えは年間通して追肥不要でも、鉢植えは春秋2回IB肥料を軽く与える、ぶどうの地植えは12月に寒肥えを与えるが、鉢植えは不要。また、実梅の7月施肥は鉢植えに限るなど、違いがあります。
なお、このプランは、気候の状況や管理方法の変更等で、修正する場合があります。
バラ
今月は、花前の肥料です。とは言ってもバラは開花期まで肥料が残っていると、花がキレイに咲かない要因になると思われますので、わたしはかなり余裕をもって、与えるようにしてます。
開花について、わがやの設置環境では、日当たりが悪いため、5月中旬ごろかと思います。日当たりはバラにかなり大きな影響を与えるように思います。
施肥量のめやす
大手園芸会社の専用肥料を調べました。
(京成バラ園芸)鉢バラ8号に対して、5:8:5を大さじ1、活動期に毎月1回追肥
(住友化学園芸)鉢バラ10号に対して、10:13:6:Mg0.1を70g、3カ月毎に追肥
なお、各社の追肥タイミングは、肥効が切れるタイミングが関係していると思われます。個人的には、今回が1カ月肥効のものがいいかなと思います。花期まで肥料が残ると、花がキレイに咲かない原因になり得ます。
注意点がひとつ。オールドローズ系のバラには、特に過剰施肥しないようにしましょう。花が委縮して綺麗に咲かなくなります。我が家の場合、該当するのは、ユアインネルンアンブロ。ただ、肝心の分量について、どのぐらい与えても問題ないかは、専門家に確認したことがありません。24年は花前の肥料を一切与えなかったらどうなるのか、試しに無施肥で咲かせてみたいと思います。なお、冬に植え替えをした際、元肥え(マグァンプK1年肥効等)は入っています。
春の施肥を始める前に、ご自身の花がオールドローズの系統に当たるかどうかを、事前に調べてみてください。また、バラを買ってきたら、品種ラベルを捨てないようにしてくださいね。
24年は、ボカシ肥(6:5:3)を10号鉢に100g与えることにします。23年は複数の肥料をトータル60g与えて、ユアインネルンアンブロ以外の開花は、悪くありませんでした。自作の複合肥料なので、その成分比や施肥量がバラにとって実際のところどうだったのかは正直分かりません。今年は成分比が抑えめなので、施肥量を少し増やしてみました。今年の様子を見ながら、来年以降どうするか、また再検討します。
ジンチョウゲ
24年の花はまだ咲いています。寒く天候の悪い日もかなり多かったので、花持ちはいいのかもしれません。
23年は「JOYアグリスお礼肥え(2-5-3-1)」を200g与えて、今年の開花に何も影響ありませんでした。
ジンチョウゲは、一年放置してもほとんど背丈もボリュームも変化がないので、コンパクトに樹木を管理したい方には大変オススメです。うちは、1m四方のサイズで収まっています。なんと言っても三大香木のひとつというだけあって、3月の開花期は、その香りでとても幸せな気分になれますよ。
花後のお礼肥えは、植物全般的に、速効性を期待して、化成肥料がいいと思いますが、今回は、ぼかし肥を200g与えてみます。
ラベンダー・ヤロウ
ラベンダーは22年冬ごろから、4種類ほど管理を始めましたが、現在残っているのは1本のみ。セージも消滅。ハーブは、鉢植えでも地植えでも、一旦枯れ始めると、何が原因か分からないうちに、あれよという間に消滅してしまいます。かなり難しい印象ですね。
ヤロウは3月ごろから地面に伏せていた葉が立ち上がってきています。
梅雨までには肥効が切れている状態が望ましいので、肥効3カ月の緩効性肥料「IB肥料(10-10-10-1)」(サンアンドホープ社)を与えます。市販のIB肥料は、そのほとんどが1カ月肥効のものですので、3カ月間効かせたい場合は、毎月1回与えてください。肥効は、パッケージの裏か表どこかに記載があると思ってください。無記載であれば、1カ月と考えてください。心配な方は直接販売会社へお問い合わせを。
実梅
つるちゃんによると、地植えに関しては、地植えは不要、鉢植えのみ肥料を与えた方がいいとのこと。鉢植えは、土の量が限られているので、水分や養分が、地植えの必要量よりも多いのは、どの樹種でも必然です。ただ、過剰もよくありませんので、バランスが必要です。
今回は、ぼかし肥(6:5:3)を100g与えることにします。今年の結果をうけて、また来年どうするか再検討します。
実梅は現在、第二畑で管理しており、不織布ポットに植えたもの(根域制限したもの)を地面に埋めて、水やりをしなくていいようにしています。
使用中の固形配合肥料
春から秋にかけて主に使用している肥料を紹介します。ホムセンで似たようなものも売ってます。
なお、IB肥料とマグァンプKは、屋内でも使用できますが、それ以外は屋内では使わないでください。
その理由として、有機肥料は、水を含んだ後のニオイが元で、不快害虫が発生します。原料が動物性のものは、水を含まずとも、特ににおうと思っておいていいですよ。また、有機肥料は、カビが発生することで、肥料の分解が進み、微生物のエサになりますので、それが気持ち悪い場合は、屋外の土中にしっかり埋め込むか、初めからIBやマグァンプKを使いましょう。
IB化成肥料10-10-10(ホムセン等)
NPK成分比が10-10-10である商品が多く見られ、中にはマグネシウムなどの微量元素入りの商品もあります。積極的に微量元素のアピールをしていない商品が多いので、裏書をよくみて、できるだけ微量元素入りのお得な商品を選びましょう。1粒1gとなっている商品が多いので、わざわざ計量しなくても、玉数を数えればよく、使い勝手がいいです。
化成肥料なので、溶け出したときの有機的なニオイ(動物の残さやフンのニオイ)がないので、コバエがたかることもなく、室内で管理する観葉植物に使うことができます。
追肥として使うのが専らです。土の表面に均等に並べるだけか、土に少し押し込んでもいいでしょう。後者の方が、肥料の効きは早いです。肥料成分が出たあとの残さは、その形が崩れない限り、残り続けるので、追肥するたびに、肥料の残さだらけになりますので、取り除きます。
ほとんどのIB肥料が肥効期間30日の緩効性ですが、例えば、サンアンドホープ社のIB肥料は100~120日のものも販売されていて、追肥の手間が軽減されます。使用感として、30日肥効の商品の方が少し効きが強い気がします。
元肥え専用マグァンプK6-40-6-15(ホムセン等)
園芸では定番の化成肥料ブランド。
1年肥効(緑パッケージ)と2年肥効(青パッケージ)のものがあります。鉢植えの果樹など、植え替えが2年おきと分かっていれば、2年肥効。年内に植物の寿命を迎えるものや毎年植え替えタイミングを迎える場合は、1年肥効を選ぶと、ベターかと思います。市販の肥料で1年以上の長期肥効をうたったものは少ないのではと思います。この肥料を使用するのは、ほとんどの場合、植え替え適期の春になろうかと思います。有機肥料ではありませんが、「カレンダーの緑」の区分としました。
定番の肥料で、これさえ使えば、あらゆる植物に対して間違いないはずですが、花もの実もので特に効果が出るように考えられているのか、リン酸分がまさかの40。肥料商品の中でもダントツ多いのでは。リン酸は元々、土中の鉄分と結合しやすいようで、リン酸を多く含んでいても影響は少ないことまで加味された商品設計なのかもしれません。他社の肥料でここまで突出したものはないように思います。
ちなみに、腐植酸を加えると、土中の鉄分と結合する前に、腐植酸が作用して、リン酸が根に効くようになります。花実がいまいちと感じるなら、腐植酸を試す意味はあるかもしれません。
マグネシウム15とこれも他社品と比べて、かなり多く、光合成を活発させる成分です。
日清ガーデンメイト固形骨粉2-12-7(ネット通販等)
天然原料100%の有機発酵肥料です。
広いお庭なら、土の上に置き肥してもいいですが、水を含むと、動物のフンのようなニオイが空気中に漂います。また、カビが旺盛に生えることもあるかと思いますが、肥料分解の過程なので、問題ありません。これらを軽減するためには、土中に埋め込みます。肥料の効きも早くなります。なお、室内の観葉植物用としては、不向きです。
油かすがベースの肥料の割に、珍しく「窒素がかなり少なめ」の成分構成で、多くの植物に最適の肥料のように思います。窒素が多すぎると、うどん粉病などの病気や、アブラムシなどの害虫が大発生する要因となります。
また、有機肥料で肥効が30日とは、驚きの分解の早さです。酷暑明け~休眠前の、数か月の間に効かせる肥料としても重宝しそうです。現在、うちの固形肥プランでは、9月~年末にかけて、肥効30日の化成肥料を与えることになっていますが、これなら問題なさそう。酸性土壌を好むブルーベリーにも最適。
リン酸12%と多いので、花や果樹向き。果実をつける野菜にも推奨されています。
1粒13g前後の玉肥
庭植えの果樹(かんきつ・ジンチョウゲ)に主に使用しています。
ただし、在庫が切れ次第、有機ぼかし肥料(ただし緩効性)に切り替える予定です。
8-8-8(ホムセン等)
畑で野菜を栽培されている方には、おなじみの基本の肥料8-8-8が広く愛用されています。「やさいの時間」でも使われている固形肥は、この8-8-8です。
主に肥料をあまり必要としない野菜に使用。逆に、多く必要とする野菜には、1回の施肥量を多めにしたり、施肥間隔を空け過ぎず、定期的に散布(2週間に1回ペース)することで対応できる万能型化成肥料と言えます。速効性
NK肥料14-0-14(専門店等)
主に肥料食いの野菜に使用。
わたしは、雨などによって畑から流亡しにくいPを除いた、NK肥料14-0-14をコーナンで手に入れたので、こちらを追肥用肥料として使用しています。特殊な肥料のため、どのホムセンでも販売されているわけではなく、畑作が盛んな地域のホムセンなら取り扱いのある可能性が高いです。
速効性化成肥料で、肥効は2週間ほどと思われます。
Pも必要な場合は、BMようりん0-20-0をミックスすれば、好みの比率の化成肥料が完成しますが、BMようりんが最近割高なので、この手法がやや使いづらい。
有機ぼかし肥料(ホムセン等)
長期間の栽培となる野菜に、肥効を長く効かせたい元肥に最適。
ぼかし肥と言っても、作り方や原料はさまざまかと思われます。原料さえそろえれば、個人でも作ることは可能。わたし自身は作ったことがないので、詳細はわからないですが、道の駅のような地域の小売店で、地元の方が作られたボカシ肥が販売されている場合があります。
うちはホムセンで先日(2023年8月)15L袋で購入しました。価格は2,000円弱
現在使用中のボカシ肥の概要
・6-5-3
・主な原料は油かす、魚粉、骨粉、たまご殻で有機100%
・ビタミンやアミノ酸、核酸(発根促進が期待できる成分)が豊富に含まれている
・形状はペレット状で散布しやすい
・原料から分かるように緩効性。栽培期間が数か月と、管理が長くなる野菜には最適です。逆に栽培が短い野菜に使うと、収穫後も、肥料成分が土中に中途半端に残ってしまい、次の作付けに影響を及ぼします。
・乾燥していても動物的なにおいがそれなりにします。水分を含むと一気にアンモニア臭が強くなりますので、室内では当然使用しない。屋外でも、できれば、土と混ぜ込むようにして散布する方が、ニオイや不快害虫、白カビの抑制にもなります。カビは肥料を分解している初期段階で一時的に発生するものなので、商品の品質不良ではありません。怖がる必要も無し。ただし、分解の結果、熱が多少発生するので植物の根にだけは当たらないように、株から十分離して施肥するか、定植よりも7~10日前に散布します。