最終更新日 2022.06.02
毎月、肥料のお世話、ごくろうさまです。何やらお忙しい様子で、庭どころではないような雰囲気ですが、今月もどうぞよろしくお願いいたします。
掲載している肥料は、これらが手元にあるのを前提で記載しています。
現状と施肥プラン

現状は
・ミニバラは、ご自身でカイガラムシ対策を行った甲斐あって、昨年比でよく咲いた
・その他植物は、”特に異常なく、普通に育っている” ←という解釈で話を進めます
※緩効性化成肥料は、当面「花ごころバラの肥料(6-8-5 肥効30日)」を使用。成分比のめやすとして5-5-5、肥効30日程度のものを使おうとしています。
※(22.6.02修正)液肥は、当面「ハイポネックス(6-10-5 即効性)」を使用。もし、ハイポネックスを使い切ったら、住友化学園芸「ばらの液肥(4-7-5 即効性)」に切り替えてください。ばら以外もこれを使って、土の中の有用微生物を増やします。栄養もかなり豊富。ばら以外の植物に対する希釈率が明示されていないので、引き続きハイポネックスを使用してください。活力剤の「リキダス」を併用することで、ミネラルやアミノ酸などを補完できます。
🍋レモン
🍪「花ごころバラの肥料」40g(ちなみに次回秋は120gの予定)
枝先の真下に肥料を入れます。
※今回から小さな穴を掘ってもらえませんか。せっかく肥料を与えても「何も変わりない」のであれば、やり方を変えます。前回は円状でした。今回は、枝先の下に3か所、小さな穴を掘って、肥料を3分割して投入。砂地を戻すのではなく、園芸用土を入れます。用土は安価なものでOK。なお、園芸用土には、元肥が多少入ってますが、そこは無視してください。
そして、来月以降、また穴を掘る日が来たときは、前回とは別の場所を掘ります。コツコツ年月をかけて、土の改良ができたら、きっと樹の勢いも変わるだろうと想像します。
毎日忙しい上に、もう暑いので、「今日はレモン、明日はいちじく・・」と作業分散すれば、疲れにくいかなと。
💦樹勢回復のため、ハイポネックス庭木用250倍に希釈して毎月1日と15日に与える
🍒さくらんぼ
🍪収穫は終わりましたね。お礼肥えとして「花ごころバラの肥料」200g
枝先の真下の穴3か所に肥料3分割して園芸用土とともに入れます。
※さくらんぼの枝は、まだ上向きのままですか?枝が真横になるよう、下に軽くひっぱってみてください。枝が水平になったとき、その枝先の下まで根っこは到達しています。そこに穴を掘ります。
💦樹勢回復のため、ハイポネックス庭木用250倍で毎月1日と15日に与える
🌸枝垂れ桜
🍪6月以降はしばらく固形肥なし
6月には来年の花芽(つぼみ)が成長して完成します。
※万が一、5月に肥料をやり忘れていたら、間に合うかどうかわかりませんが、今すぐ与えてください。その場合は、枝先の真下の穴3か所に肥料3分割して園芸用土とともに入れます。
💦樹勢回復のため、ハイポネックス庭木用250倍で毎月1日と15日に与える
🍇ブルーベリー
🍪6月固形肥なし
💦(先月からの修正)ハイポネックス庭木用250倍で毎月1日と15日に与える
🌰いちじく
🍪「花ごころバラの肥料」50g
枝先の真下の穴3か所に肥料3分割して園芸用土とともに入れます。
💦樹勢回復のため、ハイポネックス庭木用250倍で毎月1日と15日に与える
🌹バラ・ミニバラ
🍪ご自身で手をかけた分だけ、それに応えてくれたようでよかったです。
ただ、虫にまで栄養をつけさせないため、あえて、花前に肥料を与えるのをやめました。その状態で去年より、いっぱい咲いたなら、いま株は疲れ切っています。
ここから樹勢回復に努めてください。
お礼肥えとして「マイローズばらの肥料(粒剤 10-13-6-1)」1株あたり50g
ばらの土の状態は、他の庭木の土とは、少し異なるかと思われます。もし、ふかふかの土なら、肥料だけ与えて、園芸用土は不要です。肥料は、枝先から円状にまきます。土となじむように、まいたら土をかぶせてください。
ちなみに、この肥料、他の肥料と少し毛色が違っていて、実は土壌改良成分まで含まれています。一石二鳥の優秀な商品です。
「リキダス」のような活力剤を花後の栄養補助サプリとして併用されてもいいと思います。
💦樹勢回復のため、ハイポネックス果樹250倍で毎月1日と15日に与える
土と樹勢の関係
バラ以外「大きな変化はないが、平凡に育っている」ということであれば、ひと安心。
逆に「そもそも全体的に調子がいいとは言えない状態だったので、そこから改善の兆しが感じられない」という意味であれば、かなり問題ですね。
万が一、肥料の効果が全くなかったとしても、植物が旺盛に育つ気温になっていながら、今でも、レモンやいちじくが、春先と同じく、いじけたまま、成長していないのであれば、梅雨~酷暑で、ダメージ受けて、枯れこむことも念頭に置いた方がいいでしょう。
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ところで、4月を思い返すと、地表に、腐葉土の層がなく、山土を削ったような荒々しい「砂の層」が広がっていました。砂地のような、水はけがいい環境が大好きな植物も存在しますが、基本、砂だけの層では、水分も微生物もとどまることはできないので、土がふかふかになることはありません。
ふかふかの土=空気や微生物が豊富な土
根っこは、水だけでなく、空気を吸い上げる組織でもあります。堅くしまった砂地だと、窒息ぎみで、活き活きと育ちにくいと思います。
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冬、牛ふんをまいた、とのことでした。牛ふんや、バークたい肥のように、有機物を含む、肥料やたい肥は、そのままでは、根っこに吸収されません。土の中の微生物の力を借りて、根っこに吸収しやすい形に分解してもらいます。
砂地には微生物は住んでいないので、牛ふんを地表にまいても、残念ながら、分解されないまま、まだ地表に残っているか、それらは雨ですでに流亡して、効果は期待できないでしょう。
昔、わたしがレンタル畑で、「土深くに牛ふんたい肥をまく手法(溝施肥という)」を使ったつもりが、半年経っても、まいた牛ふんが99%そのまま残っていたことがあり、驚愕したことがあります。もともとそこは田んぼだった土地で、粘土質の土で、かつ、空気の届かないところには、畑といえども、微生物は存在しないのです。
堅い砂地も同じです。
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一方、今与えている固形肥料(花ごころバラの肥料)は、若干、魚粉などの有機物は入っていますが、8~9割方、「化成肥料」といって、無機物です。微生物の力を借りなくても、水に溶け出して、根っこに届けば、そのままダイレクトに吸収させることができます。
4月以降は、ほぼ表層部ながら、できるだけ土になじませてもらいましたので、雨に流されていなければ、今の施肥はムダになっていないはず。6月以降は、「3点穴掘り」プランに変更しますので、ご無理のないペースで、土壌改良をはじめてください。
液肥(ハイポネックス)は、無機肥料なので、与えた地点から、真下へ浸透していき、微生物を介せず、根っこからダイレクトに吸収されます。
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これらの固形肥も液肥も、根っこに命中しなければ、全部「ハズレ」です。株元ではなく、枝先の真下に与えてください。そこに根っこの先端があるはずです。レモンのように枝がほとんど出ていないような重症の樹木は、ほぼ株元になってしまうと思います。
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今は肥料を与えはじめたばかりで、いわば、スタートラインに立った状態なので、これからも、適量を、適切なタイミングで与えていってください。
成長が見られないからと、焦って、過剰に与えると、根っこが真っ黒コゲに焼けた状態になって、徐々に樹勢が落ちていき、枯れます。「前回見たときから樹勢が落ちている」と何か異変に気付いたら、肥料をやめて、水だけ与えて、様子見してください。
とにかく、地表の元気がないのは、地下の元気がないから。
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なお、今後、もし、庭に新たな苗を植えることがある場合、直径1メートル以上(深さは樹種による)の穴を掘って、土壌改良してから植えてください。現状の砂地に、苗がちょうど入る小さな穴だけを開けて植えたら、それは植木鉢に植えているのと同じです。穴の周囲の土がカベになっており、レモンやいちじくのように、弱い樹が弱いままなのは、それが原因のひとつかと推測します。
剪定・矯正プラン
剪定・矯正、その他の作業見通しもメモしておきます。参考まで
🍋レモン
・剪定しない。
・夏の間に枝葉を増やして、春までに一枚でも葉を落とさないように、無事越冬させる
・地域的気候を考慮して、11月に防寒する。不織布かビニール袋(頂上小さな穴あけ)でふんわり樹をくるむ。くるんでも日光は当たるように。
・樹勢回復したら、トゲの切除(葉が破れる)
🌸枝垂れ桜
・6月以降は剪定など、いじらない。
・他の樹木と同じく、知らずに花芽を切り落とすと、何も咲きません。
🍇ブルーベリー
・剪定しない
・他の植物のセオリーと逆で、「タテ枝」の方が結実しやすいので、矯正不要。
・桜と同じで、枝先の花芽を切り落とすと、来年結実しません(来年の花芽は7月以降の夏に完成)
🌰いちじく
・せん定できていれば、そこから、新しい枝が上に伸びているはず。
・横枝がかなり短いので、上向きの枝葉が、恐らく混みあって、光合成しづらいはず。できれば、太くて力強い枝を優先して残したい。そうでない枝は切り落とす=当然、収量は減ります。一方で、残った枝の花(実)が充実します。
・剪定の前にハサミの消毒。樹液にふれないように、必ず手袋をつける。
・若い枝なら、指で枝の根元をひねると、ぽろっと取れる。枝が硬くなっているなら、根元から切り落とす。
・なお、両端の新枝は剪定せず、そのまま伸ばす。
🌹バラ・ミニバラ
・花がおわったら、必ず、花ガラ剪定します。咲き終わった花の先端だけでなく、花の下の「葉」もいくつか一緒に切る。
・ミニバラについては、ひととおり、花ガラと下葉を一緒に切ったら、最終的に、他のバラと高さをそろえるため、長く伸びすぎている枝を切りそろえてください。
・はさみは消毒した清潔なはさみで。他の植物を切ったついでに切らないでください。
・梅雨入りしたら、梅雨期間中、「0のつく日」に、予防策として、したたるくらい薬剤スプレー。雨の降る日は、散布日を前後させる。住友化学園芸かどこかのスプレーをお持ちと思うので、それでOK。そちら使い切ったら、同メーカーのバラ薬剤の別商品を買って、薬品成分を変える。
以前、バラが消滅したのが梅雨前後だったのなら、この辺の処理をきちんとしてあげましょう。
庭木に、つきっきりになる必要はないと思いますが、豊作に恵まれたお庭をイメージしながら、月1くらいは、肥料を適量あげてくださいね