最終更新日 2023.03.03
我が家(本州関東以西・太平洋側平地)の固形肥のプランです。2月に続けて、3月も植物の健全な生育を促すには重要な月と言えます。
樹木の施肥プラン
今月は、かんきつ、オリーブ、いちじく、アボカド、セローム(サトイモ科の観葉植物)です。3月は他にすることが多いのに、園芸作業もてんこもり。。ですが、ここでやるべきことをやってないと、悲惨な1年になるのでは? スタートダッシュが切れないのはかわいそうです。少しずつでも時間を確保して、早めに作業をしてしまいましょう。
ほぼ鉢植えですが、地植えは、かんきつ・南天・ひいらぎ・沈丁花。3月の液肥はまだの予定。春以降の液肥プランは各月の水やり液肥プラン
緑=主に有機:「窒素控えめ、リン酸そこそこ」で肥効30日程度のもの
黄=緩効化成肥料:IB肥料 めやす10-10-10-1 肥効30日
青=緩効化成肥料:IB肥料 めやす10-10-10-1 肥効100~120日
※肥効期間が明記された肥料を使用すると管理しやすいです。
※これとは別に、水やり計画に基づいて液肥や、結晶硫酸マグネシウムも与えてます。
さて、以下、我が家での具体的な肥料の内訳や量を示していますが、ご自身の環境や栽培品種で、調整してください。例えば、ひいらぎの地植えは年間通して追肥不要でも、鉢植えは春秋2回IB肥料を軽く与える、ぶどうの地植えは12月に寒肥えを与えるが、鉢植えは不要など、違いがあります。
また、気候の状況や管理方法の変更等で、修正する場合あります。
かんきつ
めやす8-8-8。なお、専用肥料が販売されています。
かんきつは、この3月に、1年で使用する肥料の大半をここで一気に投入するので、とても大事な月です。
我が家のかんきつは2種類あります。
庭植えの品種不明1本は、ゆずを想定(結実20年)。南天の実を食べに来た鳥のフンから生えてきたのか、南天と絡み合うように育っています。混植状態につき、養分や日光の取り合いでとてもよろしくないです。できるなら、南天かかんきつを移植したいぐらい。
(修正3/3)地植えにつき、多めです。日清ガーデンメイト固形骨粉100g(2-12-7でP強め)、カニガラ40g、溶リン無し、魚粉20g、油粕なし、硫酸カリなし、腐植酸(30g程度)
先日「グリーンでGO」から取り寄せた「せとか」は、植え替えを今月中に行います。ポット苗から少し大きい程度の鉢に植え替えます。何年経っても実がつかない事態を避けるため、大きい鉢に植え替えないようにします(根張りを止める)。果樹は全般的に同じ考え。鉢は6号かそれ以下にする予定。
根張りはゆっくりのようなので、植え替えの際、根は触らないようにします。根張りが完成してくれないと結実しないので。
(修正3/3)5号鉢の場合、トータル12g程度。内訳:カニガラ4g、溶リン1g、魚粉4g、油粕4g、硫酸カリ1g、腐植酸2g、緩効性化成肥料マグァンプK 8g
オリーブ
めやす12-12-12。なお、専用肥料が販売されています。
カニガラ80g、溶リン20g、魚粉40g、油粕10g、硫酸カリ20g、石灰20g、腐植酸(80gかそれより少量。鉢サイズに寄る)の予定。
溶リンやカキガラ石灰で、微量元素も入れておきます。また、カキガラ石灰は、土の酸度をアルカリ側に傾けてくれます。土の酸度が適正でないと、肥料が吸えなくなります。雨が弱酸性のため、雨ざらしの土は、放っておけば酸性に傾いてくるため。お向かいのオリーブは、そこまで気を遣ってないように見えますが、樹形も結実もしっかりしてる。
今年は少しぐらい葉焼けなどの異常が出ても大騒ぎしないようにします。恐らく、株が大きくなれば、環境適応で安定する部分もあるのでは?という気がしてきました。
いちじく
めやす5-5-5。
我が家のいちじくは3種類あります。
「ビオレソリエス」「ゼブラスイート」は、およそ1年前の植え替え時に、2年肥効のマグァンプK(6-40-6-15。15はマグネシウム)を投入してあります。なので、有機肥料を少し追加します。
カニガラ20g、溶リンなし、魚粉10g、油粕なし、硫酸カリ5g、石灰20g、腐植酸(80gより少量。鉢サイズに寄る)の予定。
「ビオレソリエス」「ゼブラスイート」は、植え替えをせず、8号鉢はそのまま使用します。周囲の根だけは少しほぐしておきます。根鉢を少しひっかくか、鉢の周囲に棒をつっこんで根切りを行います。また、表層部の土を中耕しておきます。
先日グリGOから取り寄せた「ロードス」は、6号程度の鉢に植え替えます。ポットと比べて、大きい鉢に植え替えないようにします。
1年肥効のマグァンプK(6-40-6-15。15はマグネシウム。サイズに応じた量)、カニガラ20g、溶リンなし、魚粉10g、油粕なし、硫酸カリ5g、石灰20g、腐植酸(80gより少量。鉢サイズに寄る)の予定。
いちじくは、大事なせん定作業もあります。昨年伸びた枝をほぼ切り戻します。昨年の枝の切り残された部分から新梢を出させて、その葉の付け根に実をつけさせます。ビオレソリエスは、枝を横に寝かせず、立ち枝のまま生育させます。
アボカドとカニステル
アボカドの肥料成分めやす4-4-4。そこまで強い肥料を必要としていないようです。一般的な肥料を与えるにしても控えめがいいかも。
うちは、昨年の植え替え後、ウォータースペースに酸性のピートモスを敷いた結果、スペースが全く無い状態になっています。ピートモス自体が乾くと水を吸わなくなりますし、水やりもしづらいだけで、何もいいことがありません。ウォータースペースはゆとりを持たせましょう。鉢の号数は変えずに深さのあるものに入れ替えか、表面を削り取るかどちらかにする予定
鉢周りを少し根切りして、土表面を中耕。
「JOYアグリスお礼肥え寒肥え(2-5-3-1)」カニガラ20g、溶リンなし、魚粉10g、油粕10g、硫酸カリ5g、石灰なし、腐植酸(80gより少量。鉢サイズに寄る)の予定。窒素が多くてもいいのか、樹形優性であれば推奨する指南もあるので、試してみます。
ちなみに、実生苗(種から生えた、接ぎ木ではない苗)での結実は、あきらめた方がよさそうなので、今年は綺麗で丈夫でコンパクトな樹形を目指します。
アボカドは、現在、南窓のすぐそばに設置していますが、絶対に気温が下がらなさそうな5月ごろから、半日陰の屋外へ出します。
アボカドは、酸性に傾いた土の方が、正常に栄養分を取り込むことができます(オリーブはその逆)。ただ、あまり酸度に過敏にならなくとも、ある程度、植物が適応してくれる部分もあるようです。もし、異常がみられるようなら、土の酸度を計測してもいいでしょう。
その他、沖縄福樹園からの、カニステル(アカテツ科)のポット苗(購入時のまま)に、とりあえず、120日肥効IBを2粒与えました。夏になってから、水やりが追い付かなくなりそうなことも予想されるため、今のうちに植え替えておいた方がいいかもしれません。ただ、福樹園の土の配合は、水はけがかなりよさそうなので、土に迷っています。沖縄に問い合わせるのが早いかも。
カニステルは、アボカドと全く同じ管理にしようと考えています。肥料の与えすぎはよくないようで、この辺もアボカドと同じと考えておきます。ただし、土は弱アルカリ性程度にして、ピートモスは与えません。
セローム(サトイモ科)ほか観葉植物
120日肥効のIB肥料(化成肥料)を、10号鉢に30粒。
セロームは、一年中、室内の南側(くれ縁)に設置しています。
セロームは、この冬の間に、古葉の葉先の葉緑素が抜け落ちてきてしまいました。新葉の葉先には異常なし。肥料を与えたところで、抜けた色は戻らないとは思いますが、様子を見てみます。来冬は、春夏と同じく緩効性のIB肥料を与えておいた方がいいかも。
その他、半日陰系の植物としては、沖縄福樹園からの、カポック(ウコギ科)、コンシンネホワイボリー(リュウゼツラン科)のポット苗(購入時のまま)に、とりあえず、120日肥効IBを2粒ずつ与えました。夏になってから、水やりが追い付かなくなりそうなことも予想されるため、今のうちに植え替えておいた方がいいかもしれません。ただ、福樹園の土の配合は、水はけがかなりよさそうなので、土を迷っています。沖縄に問い合わせるのが早いかも。
プランター野菜の施肥プラン
イタリアンパセリ・にら
土が目減りしているため、根ができるだけ残るように掘り起こして、土を足します。土は、生ごみコンポストで寝かせた土を使う予定。ただ、完熟ではないかもしれないので、花友で手に入れたカルスNC-Rをここで使ってみようかと思ってます。
年中ずっと生えっぱなしなので、畑用肥料8-8-8ではなく、1年肥効のマグァンプK(分量は土や鉢のサイズに寄る)+腐植酸も追加してみます。マグァンプKは置き肥ではなく、土に混ぜ込むタイプの元肥えタイプです。
使用中(予定)の固形配合肥料
春から秋にかけて主に使用している肥料を紹介します。ホームセンターで同じものか、似たようなものが売っています。
(カレンダーの黄青)IB化成肥料10-10-10
NPK成分比が10-10-10である商品が多く見られ、中にはマグネシウムなどの微量元素入りの商品もあります。積極的に微量元素のアピールをしていない商品が多いので、裏書をよくみて、できるだけ微量元素入りのお得な商品を選びましょう。1粒1gとなっている商品が多いので、わざわざ計量しなくても、玉数を数えればよく、使い勝手がいいです。
化成肥料なので、溶け出したときの有機的なニオイ(動物の残さやフンのニオイ)がないので、コバエがたかることもなく、室内で管理する観葉植物に使うことができます。
追肥として使うのが専らです。土の表面に均等に並べるだけか、土に少し押し込んでもいいでしょう。後者の方が、肥料の効きは早いです。肥料成分が出たあとの残さは、その形が崩れない限り、残り続けるので、追肥するたびに、肥料の残さだらけになりますので、取り除きます。
ほとんどのIB肥料が肥効期間30日の緩効性ですが、例えば、サンアンドホープ社のIB肥料は100~120日のものも販売されていて、追肥の手間が少し軽減されます。使用感として、30日肥効の商品の方が少し効きが強い気がします。
(カレンダーの緑)マグァンプK6-40-6-15
園芸では定番の化成肥料。
1年肥効(緑パッケージ)と2年肥効(青パッケージ)のものがあります。鉢植えの果樹など、植え替えが2年おきと分かっていれば、2年肥効。年内に植物の寿命を迎えるものや毎年植え替えタイミングを迎える場合は、1年肥効を選ぶと、ベターかと思います。市販の肥料で1年以上の長期肥効をうたったものは少ないのではと思います。この肥料を使用するのは、ほとんどの場合、植え替え適期の春になろうかと思います。有機肥料ではありませんが、「カレンダーの緑」の区分としました。
定番の肥料で、これさえ使えば、あらゆる植物に対して間違いないはずですが、花もの実もので特に効果が出るように考えられているのか、リン酸分がまさかの40。肥料商品の中でもダントツ多いのでは。リン酸は元々、土中の鉄分と結合しやすいようで、リン酸を多く含んでいても影響は少ないことまで加味された商品設計なのかもしれません。他社の肥料でここまで突出したものはないように思います。
ちなみに、腐植酸を加えると、土中の鉄分と結合する前に、腐植酸が作用して、リン酸が根に効くようになります。花実がいまいちと感じるなら、腐植酸を試す意味はあるかもしれません。
マグネシウム15とこれも他社品と比べて、かなり多く、光合成を活発させる成分です。
(緑)日清ガーデンメイト固形骨粉2-12-7
天然原料100%の有機発酵肥料です。広いお庭なら、土の上に置き肥してもいいですが、水を含むと、動物のフンのようなニオイが空気中に漂います。また、カビが旺盛に生えることもあるかと思いますが、肥料分解の過程なので、問題ありません。これらを軽減するためには、土中に埋め込みます。肥料の効きも早くなります。なお、室内の観葉植物用としては、不向きです。
油かすがベースの肥料の割に、珍しく「窒素がかなり少なめ」の成分構成で、多くの植物に最適の肥料のように思います。窒素が多すぎると、うどん粉病などの病気や、アブラムシなどの害虫が大発生する要因となります。
また、有機肥料で肥効が30日とは、驚きの分解の早さです。酷暑明け~休眠前の、数か月の間に効かせる肥料としても重宝しそうです。現在、うちの固形肥プランでは、9月~年末にかけて、肥効30日の化成肥料を与えることになっていますが、これなら問題なさそう。酸性土壌を好むブルーベリーにも最適。
リン酸12%と多いので、花や果樹向き。果実をつける野菜にも推奨されています。
1粒13g前後。
(緑)JOYアグリスお礼肥え 寒肥え2-5-3-1
天然原料100%の有機質をベースとした配合肥料。一部、化成肥料が混ぜられているという意味ですが、配合比は不明。化成肥料として読み替えて差し支えないかもしれません。
果樹の収穫や花のシーズンが終わりそうなタイミングで追肥する「お礼肥え」や、休眠期に入る前のエネルギーチャージのための追肥「寒肥え」として設計された商品。
全体的に、肥料成分が低めで、さほど肥料成分を必要としない植物や、ゆっくり効かせたい場合に、最適な肥料と言えそうです。窒素成分が少ないのも、使いやすいです。
においは控えめですが、水分を含むと、カビが生えやすいです。カビ自体は問題ありませんが、置き肥にするより、土中に埋め込む方がいいでしょう。室内の観葉植物は避けてください。
マグネシウム1%含有。
こちらは商品裏書に肥効が明記されていません。太田油脂株式会社 JOYアグリス事業部に直接問い合わせたところ、肥効めやす30日との回答でした。肥効期間がわかる方が、管理がしやすく、肥料焼けといった過剰な施肥になる失敗も減らせると思います。肥料の効き目がどのぐらいか、購入前にパッケージの裏表をよく確認してみましょう。たいてい記載されています。
(主に野菜追肥用)化成肥料8-8-8
畑で野菜を栽培されている方には、おなじみの基本の肥料。テレビで顆粒肥料を与えているのをみれば、これを使ってます。NPKが各8%ずつ含有と、成分は控えめなので、肥料の与えすぎによる、根っこの肥料焼けを起こしにくいとされています。速効性で、肥効は2週間ほどと思われます。
元肥として、土づくりの際に、しっかり混ぜ込みます。また追肥として土の表面にまいた後は、中耕して土になじませます。