庭木で植わっている南天のせん定をしました。せん定適期は、2~3月です。
南天とは
ナンテン。メギ科の常緑樹。赤くて丸い実をたくさんつけることでよく知られている。花は夏ごろに白い小花を咲かせる。ほとんど手をかけなくてもよく育つほど、樹勢は強い。
門松の回でも触れたように、「難を転ずる」という意味から、縁起の良い植物として、古くから日本で愛されている。
せん定前の状況
毎年、時期を定めず、気になった時に適宜、せん定していました。それでも南天が丈夫なのか、枯れもせず、花も実もしっかりつけて、元気に育っています。
元気がよすぎて、盛夏には樹高3mを超えています。花は枝の頂点につくので、花は見上げないと見えませんが、屋根の上に実がつくので、冬の野鳥が実を食べにやってくるに好都合です。
樹高問題は良しとしても、3月でこの繁茂ぶりのため、夏には南天の直下に生えてきてしまったかんきつのカゲになり、また、風通しが悪いため、害虫の発生源になっていました(カイガラムシやコナジラミ)
なので、多すぎる枝を間引いて、すき間を作る、「透かしせん定」を実施します。
せん定作業
地面1か所から10本ぐらい生えていたのを、今までは、枝先の方だけせん定していたので、何の解決にもならず、むしろ、また脇芽から強い枝が出ていたんですね。
さらに、同じ地面から、かんきつまで生えているので、栄養の奪い合い、根の張り合いになっているのではないかと思います。
せん定方針としては、混みあいすぎている10本の主幹を3本にしぼる透かしせん定を行います。3という数字は、配置バランス的にも安定します。手前が低く、奥が高くなるとベター。
しかも、古く太い枝を優先して抜いて、若い枝に代変わりさせる、更新せん定とします。植物が若返りできて延命できます。見た目も、若い葉が出てフレッシュですし、主幹が細くなるため、軽やかになります。
使用した道具
太い幹は1~2センチほどあるので、せん定ばさみでは、カットできません。生木(なまき)専用のノコギリでカットします。
金物のまち、兵庫県三木市で商売されている玉鳥(ぎょくちょう)産業の「レザーソー」を使いました。「玉鳥 SELECT250 生木 164」。ちなみに、SELECT250は、セレクトシリーズの替え刃で刃長250mmに対応、164は型番という意味らしいです。
生木専用のノコギリで、材木(水分のない木)や枯れ木には不思議なことに刃が入りませんので、使えません。刃はとても軽いです(本体+刃で180g)。切り始めも、ものすごくスムーズで、すっと刃が入っていくのが気持ちよく、最後まで軽快にカットできます。たくさん切っても疲れにくいだろうなと思います。
剪定ばさみで無理して切っている方は、こういった種類の刃物が1本あると、便利です。ただ、玉鳥さんだけでも、たくさんの似たような種類のラインナップがあるので、そこから自分の1本を選ぶのに苦労します。一番悩んだのが、型番164=生木、165=せん定、果樹=166。素人には、分からないぐらいの、刃の厚みなどの差しかないので、あとは価格差で選ぶぐらいでしょうか。使った感触から、どの製品でもきっと活躍してくれるはずと思います。
デメリットらしい点はあまり感じませんでしたが、混み入りすぎた太い幹を抜く場合、刃を空間に入れることができなかったことぐらい。この場合、邪魔な枝を利き手でない方で、ぐっと倒して、空間を作るか、斜めに刃を入れていくしかないでしょう。ただ、それでも地際から切ることはできませんでした。1か所から複数の丈夫な枝が出ている場合、枝を倒すなどして、刃を入れる空間を作るのは不可能でした。
うちは、南天と同じ場所から、かんきつが生えており、アゲハの幼虫が年中活動しています。葉がボロボロになっても、私はアゲハの幼虫にだけは、今のところ寛容です。チョウチョが綺麗から。ただ、幼虫は見かけても、サナギを見ないな~と思ったら、南天の枝に擬態しているのを初めて発見しました。これは見つけられないわ。。
せん定結果

主幹を10本から3本に大幅に透かしたので、かなりすっきりしました。
今後の管理
若枝更新
3本のうち、1本は太い枝が残っています。過去に、枝の途中で切った箇所から強く太い枝が出てしまっており、樹形が美しくないですが、将来、若い枝が地面付近から出たら、そちらと交代させます。剪定ばさみしか持ってないと、ついつい、枝の上の細い幹しか切れなくなってしまいます。

樹高はすでに2m超えているので、夏には、3m級は必至です。どの時期に切っても、節から脇芽が伸びてくるでしょうが、夏に花、冬に実をつけるので、花や実を楽しみたい場合は、花芽が形成される春以降のせん定は、回避します。花用の枝を一部残して、その他の枝を大胆に切り戻せば、花時期に寂しい感じにならずに済む方法もあり。思いっきり下まで切り戻す場合、葉のついた節を1か所でも残すようにします。

追肥・水やり
庭木の南天に関して、追肥や水やりは、特に意識しなくても大丈夫かと思います。夏場、よほど、庭土の乾きがひどくなるようであれば、時々かん水してあげた方がいいでしょう。