最終更新日 2025.04.03
酸性土壌が最適ということで、「ブルーベリー専用土」をわざわざ取り寄せましたが、保証されている酸性度(pH4.0~5.0)を大きく上回っており(ph6.8付近)、必要なpHが確保できませんでした。その対策として「硫安」を与えました。
硫安でpHは下げられる
結論として、硫安は、酸性土壌に矯正できる資材のひとつです。
植え替え直後の数日だけですが、成長の様子を観察すると、弱酸性の土でも、ブルーベリーの新芽は伸びているなど、ただちに成長への支障があるようには見えませんでした。ラビットアイは、土壌適応力が高いとされており、樹勢が強いことで、多少の環境の悪さは乗り越えられるのかもしれません。
ただ、中長期でみると、葉茎の異常など、生理障害が出やすかったり、実付きが悪いなど、結実に影響が出るかもしれません。pHを計測したうえで、適切な酸度に調整しておきます。

硫安とは

硫酸アンモニウム(NH4)2SO4 速効性窒素肥料。
文字通り、窒素のみのため、普通に考えれば、肥料としては使いにくいですが、たとえば、アブラナ科の”収穫追い込み”用肥料として使えます。これを間違えると、アブラムシだらけになりそうです。また、酸性土壌を好む植物のための、pH矯正材としても利用されます。
施用量

実験として、ブルーシャワーにのみ与えました。
ph6.8(5/27時点)
5号鉢(直径150cm 176㎠)
修正)硫安の施用めやすは、1㎡10~20g適量につき、5号鉢で1.8~3.5g0.18~0.35g
注意)上記1㎡10~20gは元肥の場合。追肥の場合は1㎡5~10g
計算違いで実際には2g与えました。
実際の効果
ph6.2(施用後5/28および6/6時点)
このように、すぐ効果を出すことができました。適正値まで、もうひと息といった感じなので、これ以上、酸性度が下がらないようなので、あと2g与えることにします。残るホームベルにも与えます。
ちなみに、5/27から5日後、樹高を計測してみましたが、かなり旺盛に成長していました。
主幹樹高46cm(+3cm伸長)
シュート26cm(+4cm伸長)
6/6時点では
主幹樹高46cm(±0cm)
シュート31cm(+5cm伸長)

成長に異常がないかチェックしましたが、気になったのは一点。シュートの葉(左)の表面に、起伏が目立つ。理由は不明。何らかの栄養素不足なのか、成長の速さが影響しているのか。その他、葉が黄化するなど葉色の悪さや、ねじれたりするような奇形の発生など、異変は見られませんでした。
追記)トマトなどでも、肥料過剰の場合、葉の葉脈が写真のように、凸凹と浮き出てくることがあります。推奨される追肥量の、10倍を与えてしまったので、生理障害が発生した恐れがあります。計算間違いにご注意。
使用上の注意点
・窒素肥料につき、過剰な投与や施肥タイミングによっては、病害虫や生理障害が発生しやすくなります(相関関係が不明ですが、2株投与したうち、1株で葉焼けが大量発生しました)
・たった数グラムで、土壌が酸性に傾くので、施用量には注意が必要です。
・石灰、草木灰などのアルカリ資材と混合反応すると、アンモニアガスが発生して危険です。
・花芽形成時期での施用は控えます。ラビットアイのめやすは8~9月
年間の管理
固形肥プランに基づく、年に3回追肥のタイミングにあわせて、硫安も与える予定です
追記)硫安よりピートモス推奨
こちらの元記事は2022年に投稿した内容ですが、最近ものすごく、このページを閲覧いただいているようなので、2025年4月時点での見解についてお知らせします。
硫安をブルーベリーには与えていない
最近、硫安をブルーベリーに与えていません。我が家で硫安を使っているのは、柑橘苗の春の樹づくりのために与えるときだけです。硫安は酸性に傾きやすい一方、施用量を間違えると、植物にダメージを与えてしまいます。また、硫安は単肥といって、窒素のみの肥料のため、樹の成育を助けやすく、コンパクトに仕立てたい方には不向きかと思います。
土壌を酸性に傾けるならピートモスが良い
鉢植えや畑作など、中性・アルカリ側に傾いた土壌を、酸性側に寄せるにはピートモスがいいのではないかと思います。硫安のような、失敗は少ないと思われ、豊富な繊維質で土壌改良にも効果が見込めるため。ただし、ピートモスは産地によって、品質にばらつきがあるとされるのが難点。また、安い硫安と比べれば、価格差がかなりあることは確か。広い土壌を改良するのに、果たして向いているかは、財布とご相談。
ブルーベリーは適応性が高い
ブルーベリーの苗を初めて取り寄せたときは、かなり神経質に酸度矯正を意識しましたが、意外と環境に順応する能力が高いのではないかと思われます。そこまで酸度を意識せずともよいということ。23年以降はPHを測ってさえいません。むしろ、適切な量の水やり、整枝、花芽の調整など、美味しい果実が採れるような作業に注力された方がいいのではないでしょうか。
最近のうちのブルーベリーは、春に不要な枝を払って、花芽を半分以上減らすといった作業を行いました。水は自動かん水で、水切れさえ起こさなければ、酷暑期でさえ、特に心配するようなこともないのではと思います。
昨年、年間を通して、適切な時期に、追肥がきちんとできていたのか記憶がないぐらいですが、今春はたくさんの花芽をつけています。かなり強健な果樹のひとつかと思いますので、手をかけすぎず、植物の思うように管理してあげてもいいのかなと思います。