最終更新日 2022.09.23
鉢バラ4品種のうち、HT(ハイブリッドティ種)のマッカートニーローズと、FL(フロリバンダ種)のレオナルドダヴィンチだけ、秋のせん定を行いました。
22年9月中旬の状況
予定どおり9月15日に秋の剪定を行いました。40日後の10月25日ごろに花を咲かせるためのものです。このスケジュールは、開花時期の冷涼な気温が関係しています。
秋せん定の適期は、9月1日(あるいは8月下旬)から9月15日の期間中に完了させることがセオリーとされているようです。
特に2022年は、秋がほとんど来ない予報となっているので、せん定の適期を逃すと、暑さか、寒さのどちらかで、早く花を終わらせることになりそうです。
ザ・マッカートニーローズ(HT)
スマホで撮影すると、黄ばんでしまいますが、実際はもっと青いです。
8月はつぼみがよくついていましたが、最近は落ち着いています。
せん定するボリュームですが、深く切り過ぎると、花より、枝の再生にばかりエネルギーを使うので、枝の3分の1か、それ以下のカットにとどめます。
せん定後の違いがわかりにくいですが、少しボリュームが抑えられた程度にしています。ぐんぐん伸び放題のシュートも先端のみのカットに留めました。12月になったら、ばっさりカットするので、今は花のためだけを考えたせん定にしましょう。
レオナルドダヴィンチ(FL)
スマホで撮影すると、黄ばんでしまいますが、実際はもっと青いです。
日本ばら会によると、FL種は、鉢栽培の場合、花のためではなく、高さを抑えるためだけのせん定をオススメされています。幸い、さほど伸びていないので、先端をそろえる程度にカットしておきます。
蕾がついているのを見つけ次第、取り除いていましたが、部分的に先端をカットしたので、10月末までは出てこないでしょう。
サマースノー(CL)
スマホで撮影すると、黄ばんでしまいますが、サマースノーは、上記2品種より、黄緑がかった緑です。
ごちゃごちゃに枝が伸びています。枝をフェンスに仮止めする予定と言いながら、結局、やってません。混み入りすぎて、ハダニや病気が出ていないか、毎朝心配になります。
一季咲き性のバラなので、夏以降は、花をつけません。
ユアインネルンアンブロ(HP)
前回8月の状態です。
青い葉がなくなり、ほとんどハダニにやられてしまいました。
この通り、ハダニに吸汁されて、カスカスになった葉を、一度すべて取り除いて、かろうじて健全な葉だけ残しました。葉の量は半分以下になりました。どのぐらい回復してくれるかわかりませんでした。
1か月後のようす。少し手間をかけた甲斐あってか、想像したよりも、早く元気に回復してくれた印象があります。
青い葉がよく出ています。残り1か月半で、来春の開花のためのエネルギーをしっかり貯め込んでほしいです。
ところで、一部、黄色い葉に斑点が出ているのは、黒星病です。後述します。
日々の管理
水やり
まだ基本的に1日1回。
9月も30度を超える日が続いています。ただ、予報を見ていると、30度を切る日が断続的にやってくるようです。そうなると、2日に1回でも大丈夫になるかと思います。暑さがぶり返してくると、再び毎朝、ということになります。
なお、うちの日当たりは、8時ごろから正午過ぎまで直射日光が当たる場所。それ以降は建物の日陰になっています。水持ちのいい土で、鉢の容量を上げたこともあって、鉢の中の水は、少々の暑さでも乾きにくい環境ではないかと思います。ご自身の環境にあわせて、水やり頻度は変えてください。
葉水
9月以降も、葉水は基本毎朝ですが、数日に1回となっている日もあります。このように気温が少し落ち着いてくると、油断して葉水をあげなくても、なんとかなるようにはなってきています。ただ、つる系のバラは乾燥に弱いように見えます。あげられるときは、葉ウラにかかるように意識して吹きかけましょう。
水やり計画に基づいて、葉水に含める資材を変更しています。葉から直接、栄養補給することと、葉の細胞強化が目的です。水やり計画に書いていなくても、同じ資材を数日間、連続で使っていることが多いです。水道水だけで葉水を与えることは、今年はまだ一度もありません。
〇食酢500倍 基本的にこれを使ってます。
・ローズパーフェクト100倍(たまごや商店、有用微生物やミネラル等含む)月1回
・酢酸カルシウム500倍(たまごや商店、液化カルシウム資材)
△ハイポネックス1000倍 最近ほとんど与えていません。
肥料
<固形肥>固形肥計画に基づいて与えます。9月1日に有機肥料「固形骨粉(日清ガーデンメイト)」を与えました。
<液肥>水やり計画に基づき、週1ペースで「ばらの液体肥料(住友化学園芸)」を与えています。それ以外は、酢酸カルシウム(葉水)や硫酸マグネシウムを、こちらも水やり計画に基づいて、与えています。
病気<黒星病>
黒星病を、ユアインネルンアンブロで確認しました。半年以上ぶりに、薬剤としてベニカXファインスプレー<青パッケージ>(住友化学園芸)を、患部とその周辺の葉にたっぷりと噴射しました。
黒星病は、カビの一種です。カビの多くは、気温20度台での雨や、肥料の窒素過多が原因です。うちの場合、2022年から、雨に当たる場所に設置しはじめたので、そのリスクはありました。
症状の出た葉は、薬剤散布の有無にかかわらず、黄化してくるので、落葉する前に取り除いておきます。薬剤散布した翌日以降、5枚葉ごと切り取ります。使ったはさみは即消毒。落葉していれば、残さず、ごみ袋に密閉して廃棄します。病気の発症後にかかわらず、落ち葉はすべて拾うことが重要です。植物の落ち葉は、病害虫の発生源になり得ます。
また、株元にバークチップを敷いて、土の跳ね返りを防ぐことも発生を抑えることになります。
レオナルドダヴィンチの横枝が、ユアインにかかっていたこともあり、黒星病が伝染していましたので、レオナルドの横枝は根元から断ち切って、駆除するとともに、空間を作りました。
2021年、黒星病の予防などを期待して与えていた「ローズパーフェクト(たまごや商店)」は、昨年は月2回だったところ、今年は月1回に減らしていました。また、この資材の使用期限がすでに切れているので、効果が薄いかもしれません。使用回数を再び2回に戻すか、ニームの葉水を増やします。最近の葉水は、食酢がほとんどになっていました。
害虫<ハダニ>
ユアインネルンアンブロと、サマースノーの一部で発生していたハダニは、その後、落ち着きました。
結局、薬剤は一度も散布しませんでした。薬剤使用すると、株全体にたっぷり散布しなければならず、少しでもハダニの生き残りを許すと、抵抗のついた強い葉ダニが
発生時期は、ニームの葉水を毎朝与え続けました。落ち着いてからは、ほとんど食酢の希釈水で葉水をしています。
葉の表面が点々とかすれてくるのが、ハダニ被害の初期サインかと思います。これを好き放題させた暁には、葉が全面的に乾燥してカスカスになり、黄化して枯れます。
こちらは、バラの足元に生えている雑草(カタバミ)のようすです。葉ダニは普段、このような草を根城にしています。カタバミ以外の雑草もハダニの食害が確認できます。これらを食い尽くすと、いよいよ大事な植栽へ移動していきます。
できるだけハダニが好む雑草を足元に残すようにして、共存が成立するようにしています。
害虫<ハキリバチ>
青く柔らかい葉っぱを切り取って、巣作りのために持ち帰ってしまう、困ったハチが今年もやってきました。ハキリバチです。ミツバチにそっくりです。ハチは、一度、お気に入りの植物を見つけると、毎日やってきます。
バラは、まもなく休眠期で落葉するわけだし、放っておいてもいいかなとも思いますが、駆除した方が来年以降も困らずに済む。受粉を助ける益虫でもあるだけに、とても迷います。というのも、この被害は、バラの葉っぱが全て穴ぼこだらけになるまで止まりません。
2021年は、離れた場所にあるアボカドの樹まで被害にあいました。元々葉数が少ない上、割と堅い葉っぱなのですが、バラの葉を切り取り尽くして、それでも足りなかったようです。
(9/23追記)大型台風と急激な気温低下もあってか、ハチが来なくなりました。めでたしめでたし。
今後の管理
肥料
9月は下記のとおり。10月は、花に影響するので、液肥も含めて、与えません(HTとFL種のみ)
<固形肥>今回、せん定したバラにのみ、芽出し肥料としてIB肥料を鉢サイズに応じたボリュームの半量だけ(9g)与えました。9月1日に置き肥を与え終わっていて、カビの症状が出た株があるのと、日本ばら会によると鉢バラは不要ともとれる指南をされているので、過剰にならないよう、半量にとどめます。
10月末の花が終わるのを見据えて、御礼肥えとして緩効性化成肥料のIB肥料(「花ごころグリーンEX IBのちから」など)を与えます。花が散るまでに、できれば、花期の中盤で与える方がより適切と思います。寒くなってから与えると、吸収してくれませんので、今回の施肥のタイミングは難しくなりそうな予感がします。
特に2022年は、冬の到来が11月上旬ごろという予報です。IB肥料の肥効は、1か月めやすなので、天気予報をチェックしながら早めに施肥してしまうことが求められます。
<液肥>水やり計画に基づいて、ばらの液体肥料(住友化学園芸)を与えます。
せん定・植え替え
鉢バラは、休眠に入るとともに落葉します。その後、12月にせん定・植え替え作業があります。翌年1月15日までに完了させるのがセオリーとなっています。