最終更新日 2025.06.27
現在、バナナを4株管理しています。場所は、関東以西の太平洋側平地(中間地・一般地)。
バナナ栽培をしているひとは、まだ少ないかもしれません。日本の四季は徐々に消滅して、亜熱帯化してくることを考えると、意外とオススメな観葉植物かもしれません。
ただし購入の際は、選ぶ品種にご注意ください。樹高や耐寒性に大きく影響します。
商品PRもありますので、気になるものがあれば取り寄せてみてください。
管理の現状
バナナはバショウ科の熱帯植物。ショウガやストレリチアなどの仲間です。
家庭菜園レベルでも、将来、結実は期待できるようです。矮性種(ドワーフ)でおよそ2m前後まで生育すると、果実を養えるほどまでに広く大きな葉がいくつも展開しているレベルに到達します。大人が立って、両手いっぱい広げるほどまでに生育することを想像して、スペースが十分確保できるかどうか判断しましょう。夏場は屋外で生育、冬は室内に取り込めるかも検討してください。栽培管理で最も悩ましいのは、栽培スペースの確保ということになりそうです。
さて、手前2株が、先日25年5月に沖縄へ行った際、メイクマンで仕入れてきた島バナナ。果実のサイズは小さく、味は濃厚で、我々が普段食べなれたバナナとは味が少し異なります。最大草丈は2m~。販売苗はメリクロン苗でした。メリクロンについては後述。
そして、奥2株は25年2月に、楽天OPTEから取り寄せたムサ・ドワーフ・キャベンディッシュです。「三尺バナナ」はこちらに該当するかと思います。
黒いチューブのようなものが見えますが、これは自動かん水のためのチューブです。葉が大きくなるに連れて、水の消費量も跳ね上がっていくはずですので、自動かん水器が設置できる場合は、ぜひおすすめします。
本州栽培でオススメのバナナ品種
楽天市場でもここ最近、急激にバナナ苗を扱う店舗が増えてきました。割と気軽にお取り寄せできる価格で出回っています。
アイスクリームバナナ
耐寒性があるバナナということであれば、こちらの青いバナナをおすすめします。トール系は4~5m、ショート系は1~2mのですが、出回っているものは多くが矮性種のようなので、巨大化する心配はないかと思われます。
流通する品種の多くがブルージャバ(ハクムク)。以前は7,000円ほどが相場でしたが、現在4~5,000円前後か、さらに下がってきている模様。
販売元は三重のグリーンでGO。樹木苗の販売会社。お世話になっています。
ドワーフナムワ・ハーディ
アイスクリームバナナ並みに、耐寒性が強い。草丈2m以上、結実まで3~4年必要。あまり出回っていないため、テレビなどでも高級バナナとして紹介されることが多いです。
品種ドワーフナムワ
販売元は種苗会社のIvy。お世話になっています。
三尺バナナ
品種はキャベンディッシュの矮性種。こちらキャベンディッシュのジャアント版が、スーパーでよく見かけるなじみ深いバナナです。三尺はおよそ90cmで、実際1~2mで結実します。
耐寒性はほとんどないとされていますので、屋外での越冬は基本、厳しいかと思われます(三尺バナナらしき植物を見かけることがあるので、いけなくもないかも)。よって、室内取り込みできるよう、大きすぎない鉢での管理が望ましい。逆に、我が家のように、小さすぎる鉢で管理すると、果実がなりづらいか(未熟果で終わるか)、年数がかかるはず。
かつて、佐賀県のハウスみかん農家さんにお邪魔した際、ハウスで管理されていた三尺バナナは、3mぐらいまで育ってました。。植物は、環境次第で成長余地はいくらでもありますね。
楽天市場では、OPTE社が業界最安値と言っていい価格を維持されていて、ひと株550円。一瞬売り切れになっても、後日在庫追加されています。
販売元はOPTE
モンキーバナナ
品種名セニョリータ。
こちらも耐寒性なし。気温が10度を切る前に室内取り込みが望ましいです。モンキーバナナとして販売されている株の場合、価格の幅は広い印象。手ごろな価格で見つけられたらラッキーです。
販売元は苗木部by花ひろばオンライン。グリGOの姉妹店。
6/27追記)こちらのドワーフ種は、背丈60cm~結実するという、家庭で育てるなら嬉しいサイズ感。
島バナナ
品種はラツンダンのひとつとされる。
こちらも耐寒性なし。気温が10度を切る前に室内取り込みが望ましいです。島バナナであれば、取り寄せでも本体価格は2,000円しない感じです。
販売元は種苗会社のIVY。
基本的な管理
屋外管理
ご想像どおり、暑いところが好きです。ずっと室内で管理すると、ひょろひょろ徒長するなど、思ったような樹形にならないことも考えられますね。病害虫にかかりやすくなる恐れも高まります。
GWごろをめやすに屋外で管理するようにし、秋の気温が10度を切るまでには室内管理します。耐寒性のある品種については、屋外のままでも問題ないかと思われます。うちの近所でも耐寒性のなさそうな品種を地植えにして、ほったらかしの風景は時々見かけます。冬は結構ボロボロになっていますが。
ちなみにドワーフなどと命名されているなど、矮性種は、草丈が最大1~3mとされています。それ以外の品種の場合、大きな鉢や、地植えにすると、最大10mまで成長します。冬場室内管理される方は、大きすぎる鉢には植えないことをおすすめします。
風の避けられる場所
風が強い場所に設置すると、葉っぱが煽られて、割けてしまいます。割けても枯れるわけではなく、むしろ、風を透かす格好になるので、理にかなっているとは思いますが、葉の形を守りたいなら、風の強い場所には設置しないことです。
また、耐寒性が強いと言っても北風が当たる場所は、株を弱らせる原因になります。
バナナは草
バナナは果樹ではありません。幹に見える部分は偽茎といって、葉っぱが硬く巻いた状態でしかありません。バナナが運よく実をつけ、収穫した後は、根元から切り倒します。果実をつけると、植物としての役割は終了です(寿命は品種や生育環境にもよるが、数年ほど)。野菜のような感覚ですね。
株元から子株がニョキニョキ出てくるので、これらを親株から分けて、小株を育ててやれば、翌年も楽しめます。
害虫被害
そこまでグロではないですが、見たくない方は、もくじから次へとんでください。
アブラムシ
アブラムシ
はじめは土の跳ね返りだと思ってました。ただよくみると、黒いアブラムシがいっぱい。アブラムシは種類がたくさんいるようです。普段みかける色形と違うことで見逃している可能性あり。
アブラムシは吸汁被害をもたらし、株を弱らせます。こんなに小さな虫でも増殖してしまうと、外皮の組織が、打ち身にあったような、細胞に透明感が出ていました。

対策としては、①手で取る。②薬剤をかける。③防虫ネットをかける。

今回は住友化学園芸「ベニカマイルドスプレー」。ほとんどが界面活性剤。デンプン成分(水あめ)が少し入っていて、オーガニック栽培で利用可能。効き目は少々弱いですが、化学成分を避けたい方にはオススメします。正直、オーガニック系は効果薄な感じが否めないのですが、今回はアブラムシには十分効いた模様。たっぷりかけることと、乾いてから再度チェックして、初回防除から逃れたラッキーボーイに、もう一振りしてあげることです。。
一度でたっぷり使うはずなので、420mlより1000mlの方がお得です。
ハダニ

翌日、今度はもう一方の島バナナで、ハダニのような物体を発見。白いのは初めて観ました。

しかも割と大きい。ひょっとすると別の害虫かもしれないですね。ハダニなら葉裏につくことが多いと思いますし。島バナナはどちらかというと、黄色っぽい葉をしているので、害虫はつきやすいかもしれない。できれば黄色の粘着捕虫シートを近くにぶら下げてあげた方がいいかも。
こちらもベニカマイルドスプレーをたっぷり振ってしばらく様子見です。
植え替え
島バナナは買ってきたときの3号ポリポットのままでした。通常は、買ってきたらすぐ植え替えが鉄則です。水切れしやすく、根の生育が健全でなくなると、地上部も老化して育たなくなってしまうため。ただ、自動かん水で管理していれば、猛暑でも水切れの心配はほぼゼロ。それでも根がある程度張れないと、地上部の成長も見込めないのと、根鉢が小さすぎると、風等による倒伏の心配がどうしてもぬぐえません。
今回、3号ポットから5号スリットに植え替えます。
土の配合
まず、どういった土がよいかについて。バナナは、水もちそこそこ、水はけが特によい土を好む傾向にあります。我が家での今回の配合はこちら
赤玉土:バークたい肥:竹チップたい肥=6:3:1
鉢は、スリット鉢を採用しています。

竹チップたい肥はリビングファーム広島さんの”竹取物語「かぐや姫」”を使用しました。株を健全に生育させるため。なければ別のたい肥をあてがってください。
スリット鉢が用意できない場合は、砂や鹿沼土小粒を配合されるといいと思います。砂は鉢の重量を増やして倒伏防止のためにも有効です。腐葉土は微生物資材ですが、バークたい肥では物足りないので、腐植酸などを足すと尚良いです。有機たい肥や有機肥料(ぼかし肥等)を使っても構わないですが、秋までに有機物が消費されているようにしてください。冬になるとこのバナナ鉢を部屋の中に取り込むことになります。不快害虫を寄せ付ける原因になります。
Amazonでのみ販売しておられます。花友ではお世話になりましたm(_ _)m
元肥
マグァンプK 2年肥効
切り倒すまで2~3年はかかると想像して、2年肥効ものを採用しました。植え替えは当面なし。根っこがあまりにも鉢からむきむき出てきたり、果実がなかなか採れない年が続いたら、鉢増しを試す予定です。
鉢サイズ
今回5号へ鉢増ししましたが、実際、もっと大きな鉢に上げても根腐れなく、地上部も急激に成長させられるのではないかと思われます。そもそも、1年~1年半で2m丈まで成長させることができれば、結実するため。鉢サイズをセーブして、根域制限すると草丈を伸ばすことができません。
通常、鉢サイズを突然大きくしすぎると、土の水分を根が消費しきれないまま、濡れた状態が続いて根腐れを起こすとされています。

ところで、沖縄の福樹園では小さな鉢(8~10号ほどかな)に、2m超のストレリチアが元気に育っていました。バナナと同じバショウ科の植物ですね。これにならって、うちのポット植物全般的に、できるだけ鉢を小さめに管理しようと心がけています。その一方、バナナの場合、結実はお預けか、数年かかる恐れはあります。株がぐんぐん巨大化して管理しづらいよりかは、マシかなと。
参考)メリクロン苗について
無菌状態で、安定した品質で培養された苗のことを指しています。果樹ではこの技術を利用して苗を作られているケースは割とあります。ウイルスフリーと書かれているぶどう苗などがあります。バナナ農家によっては、外部からの雑菌を持ち込まないような栽培をされている方もいらっしゃいます。この場合、クローン増殖された株を使用されているようで、一度病気が発生すると、遺伝情報が全く同じなため、全滅する確率がかなり高い模様。これらもメリクロン苗を使用されていることが想像されます。
農家がメリクロン苗を採用するメリットとしては、生育・収穫時期が揃うという点が挙げられます。