最終更新日 2025.07.27
2025年は久々にトウモロコシに挑戦しています。トウモロコシが今のところ一番調子がいいため、記事にしていますw
その他、夏野菜は、基本準備が後手で、土づくりもしないまま、定植していることが多いため、90%惨敗といった状況です。
ここでは、わたしが実際に使用している農資材のPRもありますのでご参考に。
管理の現状
2025年の栽培品種
ゴールドラッシュ90
取り寄せ先は、楽天市場「みつのぶ × Flower Trail」(熊本県天草市)
最近、ちょっとしたことがきっかけで、よくお世話になっています。送料も安いので、少量で頼んでも抵抗は少ないです。ホムセンで品種も在庫も限られた中から選ぶよりいい。
商品名の、90といった数値がついているタネは、たいてい、播種から何日後に収穫できるというめやすを示すことが多いです。
ちなみに、トウモロコシは、ひげの色で最後収穫タイミングを判断するため、播種日がわからなくなってしまっても、特に問題はありません。
ところで、トウモロコシは、ひとつの畑に複数品種を栽培するのは避けましょう。他品種の花粉が受粉すると、交雑した果実が収穫できてしまいます。
たとえば、イエロー種とホワイト種が混じると、黄白モザイク状の果実が収穫できてしまいます。また、これは想像ですが、本来の味覚も変わってしまうのではないかと思われます。
どうしてもという場合は、時期を十分開けて、品種ごとに播種時期をずらします。それでもレンタル畑の場合や、近隣にトウモロコシ畑があるような環境では、各人が違う品種を植える状況になりやすいため、交雑を回避するのは、少々難しいかもしれません。
また野菜や花のタネを購入する前に、袋の裏面を見て、播種地域と播種タイミングがあうものを選びましょう。条件にあわないタネを無理やりまいても、結果が伴わなくなる恐れが高まるため、費用も労力も無駄になります。
地域によっては鳥獣被害が大きいトウモロコシ
2023年、カラスの食害があまりにひどかったので、現在の畑では、二度と作らないと誓ったのですが、2025年初夏のころ、やさいの時間で、佐倉先生がトウモロコシをされるというので、きっと、あっと言わせる鳥獣対策が観られるのではと期待して、急ぎトウモロコシの種を取り寄せました。ただ、最近、テレビ画面に映る畑の中に、トウモロコシが育っている気配がないのが気になります。。
おととしはカラスに見えない糸を張り巡らす、疑似カラスをぶら下げるなど対策してみましたが、全く効果なし。見事なほど、ボロボロに食い尽くされました。今年は防虫ネットで完全に覆ってしまう予定です。
ハウスならともかく、露地栽培されているプロは一体どうされているのか、いつも気になるのですが、家庭菜園レベルなら、物理的に隔離すればOKです。区画はそんなに広くはできませんが。
なぜ鳥獣被害が大きくなりやすいかというと、収穫したてのトウモロコシは、加工品はおろか、店頭販売の生鮮品とは、比較にならないほど、甘くて美味しいのです。以前、初めてトウモロコシ栽培に成功したときは、トウモロコシの飛びぬけた美味しさに感動しました。トウモロコシは、家庭菜園をするなら、絶対作るべき野菜のひとつだと断言できます。
旺盛なトウモロコシと言えども土質は生育に大きく影響
トウモロコシは、生育旺盛で、土にある栄養を吸い上げてしまう、クリーニングクロップと呼ばれるほど肥料をよく食う植物です。
実は、25年初夏にタネを取り寄せた当初、わたしが管理する畑特有の、硬い土へ直接播種しました。肥料はその周囲にふんだんに施しておいたのです。が、気温が高いのに、いつまで経っても発芽せず、忘れた頃に芽がまばらに出てきました。
つまり、土が硬すぎると、とにかく野菜には過酷すぎるのがよくわかりました。根が土を割る力がなかったというより、一番は酸素不足、そして適度な保水力の不足も疑われます。
わたしは、土の改良がとにかく面倒で労力をかけたくなく、お金もかかるため、やりたくないのですが、野菜を作りたいなら、避けられないことだなと、改めて実感。トウモロコシさえ育たないことにショックを覚え、今回思い知らされました。
そして気候が過酷であるほど、できるだけ育苗してから定植すること。じかまき(土に直接たねをまく)は厳しい。発芽が揃わないと、施肥のタイミングや病虫害防除のタイミングもばらばらになってしまい、かなり非効率です。収穫期が一気にやってこないのは、メリットのように思えますが、そもそもスタートがばらつく時点で、成長過程の管理が煩雑になりすぎます。収穫期をずらしたいのなら、区画ごとに播種時期を数週間単位でずらしまきにするなど、とにかく株の生育状況をそろえましょう。
環境での生育差

第一陣を見切って、第二陣はトレイで育苗し、自分の畑の中でも最も条件のいい場所に定植すると、みるみる元気に育っていきました。

25年7月末時点で、根張りや茎の太さも申し分ありません。雄穂(ゆうすい)が出る直前に、茎の太さは、包丁の柄ぐらいまで出ていれば最高ですね。茎がしっかりしていると、早くから脇芽も旺盛に伸びてきます。
逆に、茎が、たとえば箸や歯ブラシぐらいの太さで、ひょろひょろの状態なのに、雄穂が出てきたのであれば、まともな収穫は見込めないかと思います。

それから、園芸にも流行り廃りがありまして、トウモロコシの脇芽は、かきません。倒伏防止と光合成促進に一役買うようです。一般的に、野菜の脇芽は、成長や果実への栄養を浪費するため、すぐ除去が定説ですが、トウモロコシのそれは変わりつつあります。しかも脇芽から雄穂が出たり、ヤングコーンができたりと、栽培が順調であれば、栽培初心者なら驚くべき状態に変化していきますので、しっかり肥料と水を与えましょう。
畑は土の状態さえよければ(保水力あり・遮光対策あり)、毎日水やりをしなくても、大丈夫です。実際、わたしは週一程度しか畑に来れておらず、水やりは、害虫の防除のために、木酢液をうすめた水を株全体に少し与える程度です。うちの畑は、水道が開通していないため、じゃぶじゃぶ与えることができません。
土に保水力があるだけで、肥料の効きも変わってきます。土の状態はかなり大事です。

遅ればせながら、Amazonから取り寄せた「竹チップ20%入り牛ふんたい肥~竹取物語かぐや姫」を株元に盛っておきました。できれば、土づくりの際に投入すべきではありましたが、少しでも結果に反映されればと願って。花持ちがよくなるのは実際確認しているのですが、夏野菜に使うとどうなるのでしょう。楽しみです。
肥料での生育差

与える肥料によって、その生育差が1週間で、如実に出たようなので、メモしておきます。
ぼかしは、微生物資材でもあるため、積極的に使っています。ぼかしは商品によって成分差に少々ばらつきはありますが、うちの肥料成分比は6-5-3です(覚えにくければ654でも)。家庭菜園で一般的な化成肥料は888のため、若干成分が控えめ。ちなみに、今時期では、かんきつやぶどうのカリ不足となりそうなので、ぼかしの使用は万年使えるとは言い難いことが、かなり気になっています。
しかも有機肥料のため、分解時間がかかる分、効きが遅い。すぐに効かせたい場合はデメリットとなります。それが今から1週間前の追肥で、結果として表れてしまったようです。写真の通りですが、888の方が株が力強く大きく成長していました。ここまで肥料で差があるのは、初めて確認しました。トウモロコシは施肥のタイミングが大事なのは学習済みだったため、即効性のある化成肥料を使っていましたが、今回は施肥途中で在庫が切れてしまったため、仕方なく、ぼかしを使った結果がこのようになりました。このあと、すぐ、ぼかし側に888を追肥しておきました。
今後の管理
2回目の追肥
1回目の追肥は、雄穂が立ち上がる前のタイミング。雄から花粉が出ます。
2回目は、雌穂(しすい)が確認できたタイミング。雌は果実がなる穂です。
肥料は、一般的な畑用の化成肥料888の使用をおすすめします。トウモロコシはイネ科のため、根は広がっても直径30センチがせいぜいです。1株の根元に2握りは少なくとも与えています。今回は1穴2粒まきのため、通常指南されている量より多くて大丈夫です。
ちなみに2粒まきですが、その方が収量が上がるというのを、やさいの時間の実験コーナーの結果を見て知り、わたしも実践しました。次期のご参考に。
物理防除・薬剤散布
家庭菜園と言えども、アワノメイガ(イモムシ、ガの幼虫)に食害されたくないのであれば、薬剤散布は避けられないかと考えています。
卵が産みつけられる雄穂を切ってしまうという手段ですが、そもそも雄穂が出る前に、アワノメイガ(成虫、ガ)はそのニオイ成分に引き寄せられてか、トウモロコシについているのを見たことがあります。であれば、雄穂の切り取り対策は時すでに遅しということになりますね。開花前の雄穂を誤って切ったら、受粉もできません。
物理的防除では、ほかに、雄穂が立ち上がる高さに、防虫ネットをタテにかけて、あんどん状に囲い、アワノメイガの成虫が飛来すること自体をブロックしてしまう方法もあります。平行移動してくる高さだけを覆うか、完全に囲ってしまうか、予算や規模によります。長尺の網がそう安くはないため、悩ましいところです。
ここから薬剤をふたつ紹介しますが、これらはホムセンでもよく販売している商品です。
トウモロコシの家庭菜園で害虫防除に一番よく使われているかもしれないのが、「デナポン粒剤5」。雄穂が出るころに、株の真上から各葉の根元に、粒剤がのっかるようにふりかける薬剤です。
後者、パッケージは違いますが中身は同じ。材料がBT菌でオーガニック栽培にも使用できる「ゼンターリ顆粒水和剤」で試したこともありますが、あまり効いていなかったような。。量が足りないのか、かけるタイミングがずれているのか、適用外なのか、薬効期限切れなのか。。25年は再び試してみる予定です。トウモロコシでダメだったとしても、イモムシ対策するには重宝する薬剤のため、わたしは100gで1000円超の中袋を買っています。BT剤に回数制限はないかと思います。持続性は10日前後とのことなので、週1の水やりへの投入は必須にしてもいいかなと。
なお、鳥獣対策は、今のところ、防鳥ネット一択かなと考えています。動物たちは学習能力が高く、子供だましの脅しは、慣れてしまいます。また、唐辛子等カプサイシンや燻煙臭での忌避剤も、どこまで効果的なのかはあいまいです。特にカプサイシンの使いすぎは、作物に成分が移行してしまうため、使用時期や量にも注意が必要です。
以上が防除に関する提案でした。収穫した際に、皮をむいたら、巨大なイモ虫が出てくることを避けたい(可食部分を守りたい)なら、何かしらの防除を施す必要があります。
水やり
25年も予想通り、過酷な夏です。水をたくわえる環境が整っていなければ、土は相当に乾いているでしょう。特に果実の肥大期に、水が不足すると、果実の水分が失われて、やせこけた収穫物になってしまいます。十分にかん水しましょう。
今からは難しいのですが、水やりする時間が取れなさそうな場合は、春の土づくりや白マルチなどの資材で保水性を高める施策をしておく必要がありました。今からできる乾燥対策は、土が乾きにくいように、土の表面をもみがらやバークたい肥などの資材で覆う等があげられます。一回の水やりも相当念入りに与える必要があります。じょうろでたっぷり程度ではこの異常な渇きに間に合ってないでしょう。うね間に水を張るのも有効なやり方のひとつです。
水道設備を自由にアレンジできる環境であれば、自動かん水は最もおすすめします。
我が家で2カ所自動かん水のシステムを利用しているうちの1カ所がこのセットです。散水の開始時刻や長さ、頻度を設定できます。かん水方法として、点滴やミスト、噴水シャワーを、選ぶことができ、ホース延長などで部品が不足する場合は、追加注文も可能。注意点は乾電池を使用し、充電池を使用しないことです。充電池はすぐに電池が切れやすいため、安心して旅行や出張に行きづらい。
うちの畑は水道が開通していないため、この方法を取ることはできません。用水路や貯めておいた雨水をくんで、じょうろで水やりするより、他にありません。よって、こういった環境の方は、つちづくりの段階で、保水性を高める施策を取っておく必要があります。
夏野菜がうまくいっていない方は、今期の収穫はあきらめて、まず土づくりから着手してみてはいかがでしょうか。あきらめきれない方は、畑を全面的に改良するのではなく、ベッド(花壇のような区画)を作って、部分的に改良し、費用と労力を削減する方法もございます。次回は、畑におけるメロン栽培でその方法を紹介できればと思います。