最終更新日 2024.08.18
ダイソーの大規模店が、24年3月ごろから、植物ブースで、ちょっと気合が入ってました。何やら突然取り扱う植物の数量が充実。特にフィカスに関しては種類が豊富です。品質も悪くない印象。
今回からはダイソーのフィカスに焦点を当て、数年に渡って、栽培記録を更新していきます。
本当はこの記事、春に出すつもりが延び延びになって今、ようやく公開です。。
フィカスとは
フィカスと聞いて、ゴムの木を思い浮かべる方は多いかも。有名な植物では、ガジュマル やイチジク もフィカスの仲間です。
クワ科フィカス属(イチジク属)に分類される植物を総称してフィカス、あるいはゴムノキと呼んでいる感じです。
枝をカットしたときに、白い樹液が出てくるものが多いはずです。天然ゴムの原料も、こういった白い樹液が使用されます。
ダイソーの商品名表記
同じフィカス属でも、人気商品については、きちんと品種名で販売しているもの(ガジュマル、ウンベラータなど)と、フィカスとして総称しているだけの商品(いわゆるゴムノキや、ベンジャミンなど)が入り混じっています。それを補完するように、どの葉っぱがどの品種で、という見分け方解説が手に取れるようになっている店舗もありました。
管理がよろしくない店舗では、鉢と袋がごちゃ混ぜにされてしまっているものも。。棚陳列までに袋が外れてしまったのか、お客さんが意図せず、ごちゃ混ぜにしてしまったのか。。できれば、植物と正式な品種名が合致したものを買い求めたいですね。見分けがつかないひとには無理な話ですが。
わたしは東武にも行ってみましたが、2~3号のラインナップよりも、4~5号以上のボリューム感あって、品質もかなり良いものが揃っていました。その分、値段も数百円上乗せ。だけど、やっぱりこれぐらいの方が、すぐに部屋で飾っても映えますし、何しろ異様に安いですね。
具体的な価格のラインナップは、2号110円、3号330円、5号550円です。かなりお得な印象で、5号でこのボリューム感は、他の植物店にとっては打撃。
そんな中、わたしは2号サイズでスタートさせ、太陽の力を借りて、自力で大きくしてみせると意気込んで、基本的に2号で揃えました。ウンベラータは当初見当たらず、3号を購入。後日、2号鉢が追加販売されていて、ちょっと勇み足だった模様。。
この店舗は、サンスベリアやオオタニワタリまで置いてありますね。いや~拍手拍手。沖縄の露地でみかける植物がわさわさとディスプレイしてあるので、南国感がたっぷりです。
我が家のラインナップ
東武DAISOよりも、安く小さい鉢ばかりでスタートさせます。
左上から、ウンベラータ、エラスティカ・ベリーズ、エラスティカ・ブルガンディ。
左下から、この1点だけフィカスではないけど10年ぐらい前に室内で枯らせたのでリベンジ栽培に挑戦したくなったストレリチア・レギネ、そしてフィカスのレイラータ、ベンガレンシス
なお、品種名と写真が合致してない場合があります。というのも、DAISOでは、販売時点で大分類(例:フィカス など)しか明記されていないものがほとんどです。成長して違いがはっきりと出てくると、後日訂正することがあります。
ウンベラータ
私の先輩がお家でウンベラータ を育てているらしいのですが、年中 部屋の中で育ててて 、トップに葉っぱが3枚ぐらいしか残ってない らしく 。本州の観葉植物では、あるあるかもしれませんね。そのフィカスを 元気に復活させるには、「屋外で育ててください!」とひとことアドバイスしておきました。
ただ、注意点あり。植物全般に言えますが、急激な環境変化には耐えられず、最悪枯れる恐れあり。なので、春秋など、室内外の気温差が出にくい時期に、置き場所を移動させて、慣らせます。今時期のような生物全般に過酷な気候へいきなり放り出すのは危険でしかありません。
あと、フィカスは熱帯植物ですが、強烈な日差しには耐えられない場合があります。柔らかい葉のものは、特に適度な遮光も必要。なので、夏の痛々しい直射日光は、避けます。
例えば、沖縄では、街路樹に、多くのフィカスが採用されていますが、沖縄の気候に幼木期から適応した結果かと思われます。それと、沖縄は本州ほど暑くはなってないですね。天気予報をみてください。沖縄のほうが最高気温は低いです。
我が家(本州、太平洋側)でも直射日光には当たっちゃってますが、一日あたり、数時間程度のはずです。若干、葉焼けは起こってますが、多少は気にしてません。我が家のように、屋外に終日置きっぱなしで管理するなら、季節ごとに、太陽が動く経路だけは確認しておいた方がいいでしょう。
レイラータ
気球のような形で、樹高が出てくると、葉の表面がはっきりと波打っていきます。カシワバゴムノキとも呼ばれています。
葉脈がはっきりと浮き出た感じは、ベンガレンシスとよく似ています。
ベンガレンシス
卵型で、表面は割とフラットな葉を茂らせます。レイラータと似ています。
ベンガレンシス
エラスティカ・ベンガレンシス。いわゆる「ゴムノキ」で想起する品種。黒くて肉厚の丸いつやつやした葉っぱのアレ。こうやって見ると、若葉は割ととがっているのかもしれないですね。成長の変化も楽しみたいと思います。
ベリーズ
エラスティカ・ベリーズ。こちらの品種名の特定は推測になります。DAISOのレジを通す際、「同じ商品がふたつあります」とレジマシーンに指摘されて「ほっといて」と思った品種w 品定めの際、見逃すところでしたが、こんなに色が違うんですね。見たことがないものに出会うと、気持ちわる、、と思ってしまうのが人間の定めですが、これもオモシロいんじゃ?と言うことで購入。
基本の管理方法
本州で言う観葉植物とは、南国の植物を室内で育てることということになっています。しかし、その定義自体に大きな落とし穴があります。
外で育てる
植物は基本、外で育つものです。特に観葉植物(=南国植物)は、日の光をたっぷり浴び、気温が高くなってはじめて、いきいきと育ちます。最低気温は10~15℃以上を指定されている植物もあるほどです(ただし株の成熟に従って環境適応する品種などはあり)
つい数年前から沖縄へ行くようになって、我々が観葉植物と呼んでいる植物群が、自然の気候の中でいきいきを通り越して、ジャングルのように育っているのを見て衝撃を受けました。これが本来の姿なのだなと。それなら、本州だって、春~秋は少なくとも外で育ててあげた方がいいはずだと確信しました。
それを室内で育てようとするのだから、南国植物からすれば、ずっと冬の状態で管理されているような気分のはず。できるだけ屋外で管理されることをわたしはおすすめします。
どうしても室内で育てたい場合、できればローテーション管理はいかがでしょうか。例えば、今週はウンベラータ。来週はベンガレンシス。といった具合に、基本は外管理として、ときどき中に入れて楽しむという方法です。
外で管理をはじめるにあたって、ひとつ大事な点があります。それは管理をスタートする時期です。人間にも過ごしやすい春から屋外管理を始めてみられることをおすすめします。いま、そんなことを言われてもという感じでしょうが、来春にスタートすることを目標に今から情報集めをする期間にしましょう。
植物は環境変化を嫌うとされており、同じ家の敷地内でも、置き場所を変更すると、葉を落とすなどの症状を見せることがあります。急に暑い(暗い・風が強いなど)場所へ移動した結果です。これらは、光合成や蒸散と大いに関係があるものと思われます。今まであったはずの環境が、強制的に奪われたり、負担になるわけですから、生命を維持するためには、葉を落として、エネルギー消費を抑えようとしているようです。とても賢いですね。なので、植物のストレスにならないように、変化を感じにくい時期を選んで、移動してあげましょう。植物を購入するときも同じことが言えそうですね。
それと、この文章のはじめに、植物は太陽光をたっぷり浴びたいという表現をしましたが、最近の異常な夏日にさらされるような環境には全く慣れていません。ほとんどの品種は、7~9月ごろは遮光ネットや室内の場合、薄手のカーテンで保護してあげる方が、葉焼け(葉の組織が破壊されて、水分が抜け、茶色く変色)を起こさずに済みます。蒸散の過多(⇒水切れ)も防ぐことができるでしょう。
我が家では、太陽の通り道を確認した上で、軒下に設置し、時々強烈な日光にさらされるようにあえて管理しています。このやり方で適応してくれれば、ラッキー。下手したら葉焼け、干上がりで全滅してしまいますw
水を絶やさない
南国植物は、水が不足していることがなかなか分かりづらいものが多いのではないかなと思います。葉が肉厚であったり、そもそも成長の変化があまり感じにくいもの(室内管理なら尚さら)であることがその理由。
気づいたときには、葉が黄変して枯れ落ちそうになっていませんか?
葉の黄変には原因がいくつかあるため、水不足だけが原因ではありませんが、肥料の心配をするより、水が足りていないことを心配した方がいいでしょう。
実際、うちの鉢物は2024年はほとんど肥料を与えませんでしたが、そのことよりも、逆に水をしっかりと自動かん水で少量で長時間与えることで、株がいきいきしたり、成長が今までの倍ほどになったものもあります。
あまり大きくなっても困る方もいらっしゃるでしょうが、とにかく、水をしっかり必要な量が与えられているかはかなり大事なようです。
どのぐらいの量を与えれば、適当なのかは植物に直接聞いてみるといいでしょう。何をメルヘンなことをと思われるでしょうが、自分が適量と思うより、少し多めにあげることをしばらく続けてみればいいです。ほとんどの方は、教科書通りの水の与え方を守っているつもりでも、実は水が足りていないケースが多いのではと想像します。逆に水のあげすぎの場合は、根がダメージを受けて、弱ってきますので、水を控えるようにします。
屋外で管理しているなら、水もしっかりどっさり与えても、心配はありませんね。気温の上昇や風、活発な蒸散で水分はどんどん失われていきます。
屋外管理なら、気負いせず、植物の生長点からしっかりじょうろでかけてあげます。上からかけるだけだと、案外、土に水が浸透していないこともあるので、土にも直接水を与える。わたしは土に水を与える際、一度与えた後に、数分以上おいてから、再度あげるようなことをやっています。一回目の水やりでは、乾いた土が水をはじいてしまっている場合があるため、二度目で完全に鉢底まで届けるように与えます。
水を与える頻度ですが、土が濡れているように見えるなら与えなくてもいいです。最近は、宿泊で2~3日ほど家を空けていることも増えてきましたが、ポリポット2号鉢のまでもほぼ大丈夫でした。いな、一度枯らせてしまいましたがw
水の乾き具合が土の状態や鉢の重さで判断つかないという方は、サスティという土の水分量を色の変化でお知らせしてくれる便利な道具も販売されています。
土の種類によっては、乾いているのがわかりやすい種類があります。鹿沼土、赤玉土が特に分かりやすい。買ってきたときの土をそのまま使っていて、そんな土の種類なんて分からないという方にはあまり使えないですが、自分で土を配合できるなら、混ぜて使ってみてください。
また、どのぐらいの効果があるかはわかりませんが、水をじょうろにいれる際、シャワーヘッドで、水に空気を含ませています。おまじない程度のものなので、これは参考まで。
さらに、特に冬場は効果があるだろうと思いますが、汲み置き水を与えるようにしています。水道管から出てきた水温が低いことで、根にダメージを与える恐れがあるため。
本州では観葉植物は、基本、鉢物だと思いますが、室内でもない限り、水受け皿は設置しません。室内で水受けを設置しても、水やりしてしばらくしたら、貯まった水を排水します。ここはかなり面倒ですが、やるしかありません。水を吸い上げる勢いが旺盛であれば、水受けにたまっていても、しばらくすると、なくなるはずなので、放置でOK。我が家のヒメモンステラ(2014年4月、e-花屋さんから取り寄せ。もう姫じゃないけどw)は、水を大量にあげても、ほったらかしです。こうなるとラクですね。
フィカスじゃない番外編
ストレリチア・レギネ
ストレチア、ゴクラクチョウカとも呼ばれます。株が成熟してくると、開花しますが、花の形が南国の鳥の頭のようにみえる品種です。
バショウ科という分類で、バナナの仲間です。ちなみに、バショウ科は、幹や枝がのびて葉っぱが出るのではなく、そこら辺に生えている草と同じで、地面から葉っぱが伸びているだけです。茎に見える部分は「偽茎」と呼ばれております。
過去に失敗して枯らせてしまったので、避け続けてきましたが、100円でスタートできる手軽さと、植物管理能力は当時の100倍くらい上がってるはずなので、イケるでしょうという感じw
言っても、「水を絶やさないように与えて、外にほったらかせばいい」という、南国植物の管理方法としては、勝利の二文字しか見えてないのでw これを「室内でおしゃれに」と本州的な考えで管理しようとすると、なかなか大きくならず、逆にひょろ苗にしか育たないでしょう。
2017年11月に楽天市場の「e-花屋さん」で、ストレチアとヤブソテツの鉢物、資材は「ウォータースプレー(=活力剤、現在の商品名:プランツフード)」を買ってました。植物初心者にしては、かなり激ムズ植物を購入したものですねw どっちも水切れしたかどうかが植物を見ただけではまず分かりにくいんですよね。
今後の管理
水管理
基本的に水を切らさないことが、成功への、すべてのカギです。何しろ、特に夏の気候は想像がつきません。与えるときはたっぷりと、そして根を成長させるために乾かすというか、勝手にどんどん乾くので、乾ききる前に早めに与える。これに限ります。
一度乾ききった土は、水をはじく恐れがあるため、心配なら、バケツなどに貯めた水の中に、鉢をまるごとしばらくつけこんでみてください。
植え替え
わたしは、しばらく2号鉢のままで放置します。根を伸ばしたいので、根域制限の意味合いで。これはあまりおすすめできません。
基本、買って来たらまず植え替えがセオリー。というのも、ポリポットは乾きやすすぎるのと、土の量が販売時点は最小限になっていて、費用を抑えるためにも物流の面でも、最小限に抑えられていますね。
特に南国植物は、気温が上昇する6月ごろに植え替えるのが、根を保護するためにもちょうどいいとされています。それを通り越して、今後は酷暑の時期に植え替えると根を傷めかねません。
それと植え替えていいことと言えば、土の保水性がアップできるということ。水が切れてしまっては、根が傷み、成長が止められて、地上部が枯れこんでいきます。土の量を少しだけ増やすことが大切です。
ここで初心者あるある~、植え替えで張り切って大幅に土の量を増やさない(鉢サイズをアップしすぎない)ことです。2号→3~4号といった具合。土の量が増えすぎると、土が一向に乾かない現象が逆に発生してしまいます。結果、根が腐ってしまったり、腐らなかったとしても、土がずっとぬれているので、根が伸びようとせず、地上部もいつまで経っても伸びていかない。鉢がデカいのに、株がしょぼいというアンバランスな状態がいつまでも続いて、映えませんね。。この場合は、小さい鉢に植え直しをしてみましょう。
肥料
植え替える際に、元肥として、マグァンプKの1~2年肥効(わたしはブルーパッケージの2年をおすすめ)を少量混ぜ込みます。
植え替えから1カ月経ったら、追肥として1カ月以上肥効のIB化成肥料を数粒置き肥します。
株をバランスよく育てるより、株をしっかり早く大きく成長させたいなら、油かすのようなN窒素肥料が多めのものでもいいかもしれません。この辺はお好みになります。硫安(N40%前後)のような強い単肥は、まだちょっと勇気がないので、あげる予定はないですが、もし与えるにしてもひとつまみより少ないぐらいからスタートして様子見してください。大量に与えると病害虫の引き金になりかねません。
なお、施肥は気温が10度を下回る前には、やめるようにしてください。冬季は休眠期にあたるため、肥料成分を土に残すべきではありません。
せん定
小さな観葉植物をせん定したがる人はなかなかいないでしょうが、せん定しなくていいです。佐賀のハウスみかん農家さんもとにかく「幼苗は触るな」と先日も電話で力説してくださいましたw
たとえ、まっすぐなひょろ苗が出来上がったとしても数年はそのままでいきましょう。あまりにもひょろ長い仕上がりになってしまったら、必ず支柱が必要になりそうですね。(´;ω;`)
そして、数年後には、はさみで株をまっぷたつ(実際は3分の1残しぐらい)に切りたいと思っています。あるいは、沖縄の福樹園ライクに、幹を曲げる仕立てにするか。幹や枝の伸び具合でその辺はアレンジしたいと思っています。