最終更新日 2023.05.02
もう数か月が経ってしまいましたが、23年1月18日に沖縄県南城市のガンガラーの谷へ足を運んできました。ツアーガイドに導かれての、散策のようすです。
ガンガラーの谷とは
沖縄本島南部にある南城市、その観光スポットのひとつ。太古の鍾乳洞が崩れてできた谷。その谷には、古代人がかつて住んでいた、いくつかの痕跡も見られる。そして、谷の中を流れる川と、多様で力強く枝葉を伸ばす南国の植物も魅力。
そんな谷を徒歩で巡るツアーが土日に限らず、平日も開催されている。有料ツアーガイドの声に耳を傾けながら、谷や古代人の歴史、植生の解説をより良く理解できる。元気に歩くことができる方ならどなたでも、安全に散策することができる。
クワズイモ
ツアースタート地点の洞窟を抜けると、クワズイモの群生に迎えられます。沖縄では、藪のような場所が残っていれば、イモ科の植物は、たいてい見られます。店先や庭の植栽でも、クワズイモが使用されているのを見かけることがあります。
本州では、サトイモを育てている畑ぐらいでしか、この葉の形状を、見かけることはないでしょう。よって、その季節も、暖かい時期に限られます。
ジャイアントバンブー
沖縄原産ではなく、確か割と最近になって移植されたものとのこと。名前がジャイアントだし、昭和を感じますが。。ここに移植された理由はなんだったかな?? 現在では、恐らく、このように他の原生地の植物を、特段の理由もなく移植することは、認められないでしょう。
竹の割に、繁殖地をひろめることなく、この場所で意外とコンパクトに(樹高は高いけど)育っていますね。
原産の植物ではないですし、スルーしてもよかったですが、あまりにも太くて立派なのでついつい写真が増えました。沖縄で竹のイメージはあまりなかったというのもあります。沖縄地方には、リュウキュウチクという竹の品種が存在するようですが、真竹というより、どちらかというと、サトウキビの形状に似て、ひょろりとしていると言えばいいかもしれないです。
この一週間後に、高知の牧野植物園でも、同種の竹を巨大温室で見ることになりました。
ヤシ類
南国らしくヤシ科と思われる植物もいくつか見られました。品種不明。ユスラヤシかな。
品種不明。林などに生息するクロツグか。ちなみに、マングローブの陸側湿地に生息する似たようなヤシ科に、ニッパヤシがあります。
道が整備されていなければ、完全にジャングルツアーですね。
オオタニワタリ
沖縄の街中でも見られる植栽のひとつに、このオオタニワタリがあります。
ちなみに、こういった樹形をしているのではなく、なんらかの植物に着生しているんですね。着生する植物で最近人気なのは、ビカクシダ(コウモリラン)です。
それを植栽に使っているという話でしたが、花を植える感覚で、これが順序良く花壇などに植えられているのを見ると、微笑ましいです。そういう風に使っていいんだ!って思ってしまいますね。
ひょっとしたらと思いましたが、やはり、真ん中のくぼんだ部分に水や有機物が貯まることで、それを栄養分として吸収するとのことでした。おしゃれな花屋さんでは最近よく見かけるアスペルニウムも、この仲間です。葉の形は、「アスペルニウム・〇〇〇」と、後者の部分でそれぞれ異なります。
やはり、水やりや肥料はこの仕組みを利用して、同じように株中?に与えるんでしょうかね。食虫植物にどこか通ずるところがあるような気がします。
学術的にどのような違いを基準として分類されているかは分かりかねますが、この放射線状に葉を広げているのが、アスペルニウムの特徴なのではと思います。
うちに昨年迎え入れ(先月、寒さで枯らせましたが・・)ミクロソリウム・グリーンフレームは、「アスペルニウム・レズリー」と葉の形状が良く似ていながら、線上に地下茎を伸ばしていく品種で、アスペルニウムとは別ものでした。
ガジュマル
ガイドさんによると、ガジュマルは、「気根(きこん)」を使って、自ら地上を移動することがあるんですって。どゆこと?
ほとんどの植物に、茎・幹がありますが、それとは別に、その茎の途中などから出てきて、いわば、空気中に生える根っこ「気根」が出てくるものもあります。ダラリとたくさん、ぶらさがっているのは、ツタなどではないんですね。全部、この一本のガジュマルから生えてきた気根です。
ガジュマルの気根の場合、これらは、初め、割と細いです(但し、しっかり堅かった)が、地面に水分や養分を求めて、どんどん伸びていきます。そして徐々に茎ほどの太さになり、やがて、当初の茎に入れ替わって、元の茎は逆に消滅していくことがあるようです。同じような解説を、沖縄福樹園の島袋園長もおっしゃってました。
傾斜地に根を下ろしたこれらの気根は、四つん這いになったかのような形をしており、自重でひっぱられるのか、水を求めてなのか、長い年月をかけて、徐々に谷の中へ向かって移動しているようなのです。
本州の観葉植物でもよく知られる、エバーフレッシュのような、マメ科の植物が複数、沖縄では、街路樹として採用されています。このシンボル的ガジュマルの近くにも、マメ科のタネとさやが落ちていました。完熟して黒く硬化しています。
どうやら、この谷の上にマメ科の植物が生えているようです。
そのタネから芽吹いたマメ科の幼苗が育っているのも確認できました。
気根が重なり合って、いよいよ一本の幹になろうとしています。たくましい生命力に満ち溢れています。左側には、細い気根どうしがからみあって、1本の気根を形成しているようです。これも面白い。
ツリーハウス
ツリーハウスと聞いて胸躍りましたが、よじ登ったというより、階段で普通に上がり。。たどり着いた場所は、展望台のようになってました。ツリーの上という実感がないですねー。
お、ホントに木の上だわ。。
ということで、ざっくりとご紹介しました。わたしにとっては、ここに出てきていない、名前のわからない植物の方が断然に多く、今後少しずつわかるようになれば、もっと楽しいなと思いました。
あなたもご自身の肌で、沖縄の自然の雄大さを、ほんの少しですが、感じてみられてはいかがでしょうか。