最終更新日 2022.06.07
今年も「エルグレコ」の新葉2枚で葉先焼けが発生しました。早急な対策の実行と、年末にかけて経過を見届けていきます。
現状と対策
葉先焼けがもたらす影響

オリーブの葉先が焼けると、
1)見た目が悪い
2)光合成の効率が下がる(ただし葉の根本までは広がらない)
3)最悪、すべての葉先が焼けるため、株の成長が止まる

エルグレコは、6/2時点で、まだ植え替えが終わっておらず、必要な施肥が完了していません。植え替えと施肥を早く終えていれば、回避できたかもしれませんが、これを機会に、どのようにすれば改善できるか、検証していきます。
微量元素による症状回避
あらゆる植物において、葉っぱに枯れなどの深刻なダメージが発生すると、元に戻りません。
よって、ここからは、他の健全な葉に、同じ症状が出ないようにする必要があります。今回のオリーブの症状の場合、必要な微量元素を投入していく必要があります。なお、6/2までに植え替えたオリーブで判明したのですが、根の生育不良が原因とは考えにくいほど、地下の状態は健全でした。したがって、栄養不良による症状に絞り込んでいます。
これから、症状改善に有効そうな栄養素を投入していきますが、いま特に注目しているのが、微量元素の「Caカルシウム」「Cu銅」「Cl塩素」です。いずれも、葉先が焼ける症状を防ぐ効果があるとされています。また新葉の葉先枯れに関しては、CaまたはCuの不足が疑われます。
一番わかりやすく効果が出ると思われる商品では、ハイポネックス社「錠剤肥料オリーブ用」(12-12-12 肥効60日)です。こちらの利用者からは、葉先焼けが改善した声が届けられているようです(ただし、Cu、Clを含有するか不明)
特定の植物に特化した専用肥料は、手軽でわかりやすい一方、12-12-12など、特に肥料成分が多いと、他の植物に適用するのが難しく、汎用性が低いことから、ここでは、手元の肥料や活力剤で対処する方法を探っていきます。
住友化学園芸「ばらの液肥」〇Ca ✕Cu 〇Cl
朝日工業社 「BM溶リン」〇Ca ✕Cu ✕Cl 固形肥
ハイポネクス「リキダス」 〇Ca 〇Cu ✕Cl
ハイポネクス「ハイポネックス」〇Ca ✕Cu ✕Cl
✕=含有しない、あるいは、公称せず
ひとつの商品で、微量元素がすべて入っているものが、意外とない(あるいは公表されていない)ようです。特定のイオン同士が結合してしまうなどで、技術的に難しいのかもしれません。植物の生理障害の改善は、何をすれば効果があるのか、はっきりしないことが少なくないので、考えられる対策を組み合わせながら、試していくことになります。
上記の中では、活力剤の「リキダス」が、最も使い勝手はいいのかなと思います。豊富な栄養素を含み、あらゆる植物に対して使用されることを想定した商品設計です。こちらは、あくまでも”活力剤”なので、別途、”肥料”をうたった商品と併用する必要があります。
個人的には、即効性肥料の「ばらの液肥」が、ハイポネックス社と違って、含有成分を包み隠さず、公表されており、商品価値としても十分高いと思っているのですが、”ばらで使用することしか想定されていない”ため、他の植物で使用したくても、適切な希釈率が不明なのが、唯一のネックです。
ちなみに、うちではオリーブに、「ハイポネックス」を週1回与えています。この商品は、「カルシウムなどの微量元素が15種類入っている」と公称されていますが、葉先焼けの症状が出てしまっていることから、Cu、Clともに含まれていないことが考えられます。また、カルシウム不足が葉先焼けの原因ではない可能性があります。さらに、これは即効性肥料のため、株に対して長期で効き続けないことが問題なのかもしれません。
当面、うちでは、植え替え時にBM溶リンの土壌混和、さらに「ばらの液肥」をオリーブに月2回1600倍程度で希釈して、経過を観察していきます。
経過(最新の状況)
進展があった場合、こちらでリポートします。