どこのスーパーでも売られているアボカドのハス種(しゅ)。そのタネを発芽させて、鉢植えで栽培しています。
春に入ってから落葉がはじまったことと、萌芽していないのが気になって、予定より1年前倒しで、この5月に植え替えしてみましたが、その後どうなったでしょうか。
アボカド・ハスとは
中米原生。クスノキ科ワニナシ属。熱帯の「常緑樹」。クスノキ科からも分かるように大木になる。スーパーの食品売り場で販売される、安いアボカドは、99%ハス種。耐寒性は低い。
自家結実性はほぼ無し。2品種栽培して結実させる。ハス種との受粉相性は、ベーコン・フェルテ・エッティンガー種のいずれか。開花期はいずれも春。
生育状況
植え替え後は落葉なし



5月からおよそ3カ月の間に、17cmほど垂直に茎をのばしました。この間、葉は落としていません。
植え替えのきっかけは、4月に落葉が一気に進んだことで、その後どうなるかが心配していました。
落葉の理由としては、常緑樹のオリーブと同じく、春に新旧の葉が入れ替わるのかもしれないし、根詰まりの結果、生理現象としてバランスを取るために葉を落としたのか、どちらかと考えています。
茎の伸びはいまいち
植え替え後は、もっと旺盛に茎を伸ばすかと思いましたが、思いのほか、ゆっくり気味。
考えられる理由のひとつに、植え替え後「中途半端な摘心」をしたのも影響は少なくないと思います。生長点付近を数ミリだけ欠くような摘心をしたんですね。ページ最上段の写真を見てもらうとわかるかもしれませんが、先端を切りたいけど、頂上付近は葉が密集して生えており、切る余地がない。その数ミリ程度のてっぺんを無理やり切ったんですが、これでは摘心と言えなかったようです。結果、先端部分の再生に時間がかかり、茎の伸長に時間を要した可能性があります。
また、気温の上下の激しい期間が続きました。短い梅雨のあと、気温が急上昇。その後、最高気温が30度前後の日が続いて、現在、再び高温期に突入しようとしています。この間、頂芽の成長がとまっていました。いま確認すると、また先端から新葉が出ているようです。ある気温に到達すると、成長のスイッチが入った可能性はあります。
土の乾きが悪い?

水はけは、とてもいい土なのですが、土の表面は、どう見ても乾きが悪いようなので、しばらく疑問でしたが、理由がわかりました。
表面に見えている黒い土は、ブルーベリー専用土。これは後から、表層部に足したもので、一見、水はけが悪いと勘違いしました。あとから追加した理由は、酸度を下げる(酸性に傾ける)ためです。
アボカドの土づくりに使った資材は以下のとおり。

(左上から右へ)
鉢底石 根腐れ防止剤入り
竹炭
川砂 20%
バークたい肥20%
ゼオライト 10%
赤玉土 20%
鹿沼土 10%
(土の表面に追加)
ブルーベリー専用土20%
酸度を下げたい場合、硫安(硫酸アンモニウム)を少量与えるのはひとつの手かと思いますが、推奨される追肥量に従うと、思ったほどphが下げられないようです。
現在、ph6.5。
追肥で硫安を直接与える場合 1㎡あたり5~10g
7号鉢0.0346㎡あたり0.173~0.346g
計算があっているのか不安になるぐらい、少量です。
一方、先月、ブルーベリー5号鉢で2g与えたところ、0.6phほど下げることができましたが、施肥量としては10倍以上過剰に投与したことに後で気づきました。これとの相関関係がはっきりしていないのですが、後日、葉焼けの症状が出た株がありますので、施肥量には注意が必要です。
根張りは良好

表層部の土の乾きが悪いこともあって、少し中耕(表層部を熊手などで軽く耕す)してみました。すると、白く細かい根が表層部にまでたくさん伸びてきているのが確認できました。植え替え前はこのような根の張り方は見られませんでした。スリット鉢に変更して、水はけと空気の通りをよくしたことも大きいと思います。
根っこが健全なら、地上部がしっかり育つ条件のひとつは整っています。
今後の管理
肥料
液肥を水やり計画に基づいて、鉢植え果樹の希釈率で与えています。(ハイポネックスで1000倍、住友化学園芸ばらの液肥で1600倍)
3月から9月までの生育期は、月1回の施肥。うちでは、できるだけゆっくり長く効く緩効性化成肥料(IB肥料、肥効3カ月)を使っています。今年は5月に植え替えた結果、少し施肥のタイミングがずれたので、次回は8月1日に与えます。現在、土の上に見えている固形肥料は、成分がほぼ溶け出して、意味をなさないので、施肥前にすべて取り除きます。
摘心
枝葉を増やしつつ、高さを抑えるために、摘心を行います。
摘心をすると、Y字に伸びていくはずですが、個人的には、この樹形があまり好きではありません。見事なY字型に成長するので、見た目が不自然なのです。もう少し何か方法がないのかなと思いますが、今のところアイデアなし。
あと、しっかり茎を切ること。先端をちょっと欠いたぐらいでは、まだ、あきらめずに、上に伸びるようです。


日照と温度管理
日照は午前中の日差しが当たる場所で、引き続き管理します。アボカドの栽培適温は、最高33度程度まで。西日は当たらないものの、気温上昇の影響を受けやすい場所なので、寒冷紗などで、西日を積極的に切っていく予定です。