最終更新日 2024.01.20
ふるさと納税をされる方は、返礼品に野菜や果実、その加工品を選ばれたことはあるでしょうか。せっかくいただけるなら、豪華な精肉や海鮮などに、つい目が向きがちですが、野菜などの農産品も満足感が高く、わたしはぜいたく品に負けてないんじゃないかなと思います。
実際に指定した返礼品から、いくつかご紹介します。
ふるさと納税と返礼品
寄付と返礼の概要
寄付控除の仕組みは、みなさんの方が詳しいかと思いますが、一応説明しておきます。現住所地以外の、好きな自治体に寄付納税することが可能な仕組みがあり、そのお礼として、寄付地の特産物など、返礼品が送られてくることがある。ただし、現住所地の自治体にふるさと納税をしても、返礼品の受領資格は対象外になる。
2023年10月からは、その返礼品にかかる経費が、荷造り運賃等の諸経費を含めた、寄付額の5割以内とするルールが定められ、過度な返礼品競争にストップがかかるようになった。なお、違反した自治体は、ふるさと納税の仕組みから一旦除外される。
寄付を受け付けるサイトは複数存在
ふるさと納税は、各自治体に直接申し込みができる他、ふるさと納税をネットで申し込む専門サイトも複数存在する(「さとふる」などの専門サイトの他、楽天市場、ヤフーショッピング、JAL、セゾンなどもふるさと納税事業に参入)。各サイトでポイントバックなどのキャンペーンも実施されており、寄付行為がより身近な納税手段のひとつになりつつある。
例えば、JALのふるさと納税でのマイル積算率アップや、セゾンの永久不滅ポイントのバックやAmazonギフトカードが当たるキャンペーンなど、無視しがたい内容のものも多数。どこ経由で寄付するか、お好みで選んでみてください。
なお、ほとんどの返礼品は、どのサイトを利用しても、質量ともに同じように取り扱っていると思われるが、中には、JALふるさと納税など、特定のサイトでしか見られない独自の返礼品もあり。
野菜を返礼指定できる自治体の例
わたしは今のところ、専ら「楽天市場のふるさと納税」ばかり利用しています。理由は、ポイントバックが必ずあることと、1回の寄付行為が、通常のショッピング1回と同様にカウントされるので、お買い物マラソンのようなキャンペーン時は、店舗(自治体)の利用(寄付)ごとに、ポイントバックの倍率がアップされるため。
ただし、どのサイトから寄付をしようとも、返礼品の中身は、寄付額に応じた内容で同じかと思いますので、楽天市場にこだわる必要はありません。
なお、ここに記載した寄付金額は、当時、自治体が設定していた金額です。今後、コストアップ等の要因で、寄付設定額が変更される可能性があります。
福島県大玉村の野菜(5,000円)
正直、想像以上にボリューミーで、荷物の重量だけでも満足感がすごい返礼品でした。
内容物の写真は2枚にわけています。写真1枚目。左から、ハクサイ、菌床しいたけ、白ねぎ、だいこん
“曲がり果”のだいこんをうまく使われましたねw これだけ大きな大根の形状がまっすぐだと、箱に入りきらなかったことでしょう。
わたしが一番感動したのは、白ねぎの「香り高さ」です。こんなに、ねぎにときめいたのは初めてです。スーパーで買ってきたねぎで、感動することなんて今までありませんでした。採れたてってこんなに違うの?って感じ。保存日数が経つにつれて、香りが徐々に落ち着いてきたので、やはり鮮度の違いが大きいのだろうと思います。
写真2枚目。左から、かぶ、サトイモ、菜の花、西洋ほうれん草、水菜
普段、積極的に買ったり作ったりしない野菜が入っている可能性があるので、それが新鮮でおもしろいし、知らなかった野菜の魅力に気づかされたりするので、最近は、野菜の詰合せを返礼品に指定するのが、とても気に入っています。
サトイモは外皮がとてもきれいで、ほとんど皮をむかなくても食べられることに気づいて、驚きでした。粘り気は控えめだと、細かいカット作業はやりやすいものですね。
常温で配送してくれる返礼品の野菜は珍しく、クール代金(200円程度)が浮いた分だけ、返礼品に反映されているのではないかと、勝手にお得になった気分で受け止めてます。
福島の野菜に興味を持ったのは、BS朝日の「工藤阿須加の農業はじめちゃいました」で、相馬土垂(そうまどだれ、伝統野菜のサトイモの一品種)などを作られている大野村農園の回を拝見してから。園主である菊池さんの、一貫した農業への思いと、自分以外のもの(他人や動物)に対する想像力や敬意を知って、テレビなのに、涙が止まらなかったです。こんなまっすぐな生き方をしていらっしゃることに、ただ驚かされるばかりでした。遅ればせ、恥ずかしながら、わたしの福島に対する意識が完全に変わったのも、この方の影響で、つい最近のことです。
福島県大玉村の野菜は、今後も継続的にお願いしてみたいと思っています。自分の畑でも野菜を育てているので、端境期などがそのタイミングになりそうですけどね。同県内の、他自治体でもひっかかるものがあれば、もちろん試してみたいです。
福井県あわら市の野菜(5,000円)
大玉村と比べると、かなりコンパクト。でも5000円の寄付額なら、これぐらいの量で通常かもしれません。
左から、グリーンリーフ(リーフレタス)、チンゲンサイ(パクチョイ)、ケール2種とカーボロネロ(右の、黒っぽく葉面がでこぼこした方)、短形冬だいこん、コールラビ2種、赤かぶ、キャベツ
コールラビは食べるのが初めてです。2024年は自分の畑でも作ってみたいと思ってました。コールラビは、アブラナ科で、茎が丸く肥大した部分を食べる野菜です。カットすると、見た目もカットした感じもシャキッと大根に近い肉質でした。皮が厚そうな印象ですが、加熱すれば、一部スジっぽい部分もありましたが、美味しくいただくことができました。
ケールとカーボロネロ(キャベツの仲間)は、とても小さいですが、こういう品種なのかな。これらは、わたしが知る限り、お化けのように大きくなる野菜です。スーパーに恒常的に卸すなら、コンパクトでないと売れないはずなので、こういう品種を意識的に選択して生産されている可能性はあります。カーボロネロも食べるのは初めてで、こちらも2024年はチャレンジしようと思っている野菜のひとつです。
グリーンリーフ(リーフレタス)が意外と美味しくてビックリ。冬にサラダを作ったのは、記憶にある限り、初めてかも。この度送ってもらった野菜の中で、「季節違いであまりそそられないな」と思っていたので、余計にw。レタスは、青っぽい以外、味がしない野菜だと思ってましたが、味が濃いように感じられ、葉物野菜が、冬場糖分を蓄える仕組みは、ほうれん草などに限らないんだなと気づかされました。春から夏場にかけて自ら栽培してきたレタス類よりもおいしかったです。さすがプロ農家からの直送品。品質も抜群で、傷みも無し。スーパーで売ってるレタスって、どこかしら傷んだり、しんなりしていることも少なくない印象だったので。
全部OPP袋に入れなくてもいいんじゃないかと思いますが、水分鮮度を保つなら必要なのかな。もったいないので、個人的には新聞でくるんでくれてもいいんですけどね。新聞紙も今や貴重品かな。
こちらも常温配送でした。
意外にも、イタリア野菜が数点入っていて、知らないひとが見たら、名前さえわからなくて困るんじゃと思ったら、一応、野菜リストは入ってました。ただ、リスト作るより、袋に直接名前を書いた方がいいようにも思う。コールラビに関しては、一行だけですが、何に使えばいいのかは説明あり。この一文があるだけでも消費者の困惑はだいぶ和らぎますね。
そして、普通なら、自治体のPRの印刷物が、返礼品にそれなりにセットされているんですが、福井県あわら市は、かなり控えめ。まちのPR文は、写真右の漫画部分、しかも片面しかありませんw。これはこれで珍しい。
逆に、自治体より、菜園主のPRの方が強め。「LINE登録して」と言っているのも自治体ではなく、生産者の方でしたw。生産者の活動が見えることはとても嬉しいので、これはこれで有難い。
1/5追記)自治体から寄付証明書とともに、まちのPRチラシも送られてきました。別送パターンね、なるほど。
追記1/20)石川県小松市の日本酒(5,000円)
この度、元旦に発生した大震災を受けて、1月2日、石川の自治体いくつかに、ふるさと納税をしてみました。ただし、返礼品は辞退して、全額復興に充ててほしい旨、伝えてあります。実際、どのように対応されるかは不明です。後日届いたメールの返信には「御意志に沿って有効に活用」と書き添えてあったので、どうやら私の気持ちを受け止めてくださったようです。
いま被災地から、返礼品を発送するにしても、まず、それどころではないでしょう。交通網が混乱していて、救援流通の妨げになりますし、自分たちの食料や水さえも十分ではない状況で、外部から返礼品を要求するのは、ちょっと違うかなと思うので、こういった形ではありますが、寄付ができたのは、よかったと思います。
ふるさと納税より「募金」した方がシンプルなはずですが、わたしは寄付控除証明がほしいのと、何に寄付金が活用されるのか分からないより、ピンポイントでその返礼品を出すお店の応援になる可能性はあるかなと思ったのと、メルマガを同時に申し込んであるので、恐らく復興の過程が、複数年にわたって、リポートが届くことでしょう。単なる募金では、一方通行で、時が経てば、募金したときの心配や思いは記憶の中に埋もれがちです。
過去の自然災害を目の当たりにする中でも、第一次産業の被害の甚大さは、常に特筆すべきものがあります。また酒蔵や醤油醸造所のような、施設が失われると、伝統的に培ってきた麹菌や乳酸・酵母菌まで失われるような産業も応援していく必要はあるかと思います。わたしは、過去に熊本や東北で製造された味噌や醤油を返礼品に指定してきました。調味料は長く使えるので、使う度に思いをはせることはできます。
小松市は、以前、仕事でお邪魔する機会があったので、その近隣含めて、心配な自治体のひとつです。
追記1/20)小松市は、比較的、地震被害が少なかったようで、ほぼ日常を取り戻しているようです。辞退したつもりの返礼品ですが、割と早々に送られてきました。被災地として捉えるのではなく、むしろ、観光に来てもらったり、お買い物を楽しんでもらったりと、いつもと変わらない取引や生活を望んでおられます。
追記1/20)石川県輪島市の鶏卵(5,000円)事務処理されずキャンセル扱い
追記1/20)輪島市の被災状況の深刻さにより、ふるさと納税の事務処理ができない状況が続いており、恐縮ながらキャンセルさせていただく旨の通知が、2024年1月20日、届きました。被災日直近では、自治体に直接支援する仕組みがなく、苦肉の策として、ふるさと納税を使って寄付しましたが、現在は、義援金窓口や、返礼品を伴わないふるさと納税の仕組みも整備されていて、支援の選択肢が充実しています。
(以下は、2024年1月5日に投稿した記事の内容です)
小松市に同じ考えで寄付いたしました。
被災されたのは、石川県だけではないし、どの自治体に寄付してあげるのがより良かったのかは、元旦の時点で情報も乏しく、はっきりと分からなかった。でも、傍観してるよりかはいいとの判断で、とりあえず寄付しました。被害発生から数日経過し、ようやくテレビの映像で克明な被害状況が流れてくるようになってますが、能登半島はもっとも被害が甚大な印象を持っています。一日も早く、被災地のすべての方々が日常を取り戻すことができますことを、お祈り申し上げます。
関連リンク
ふるさと納税とは直接関係がないのですが、ぜひご紹介したい、「恐ろしいほど」志の高い、若い農家さん。伝統的野菜のサトイモ「相馬土垂」や地元の食材をふんだんに使って、鶏に産んで”いただく”鶏卵が主な出荷品。体に気をつけられ、ぜひ末長く農業、そのほかの活動も続けていっていただきたいと思います。
投稿時点で、めったに販売されているのを見かけない「相馬土垂」が、販売再開されているのを発見しました。気になる方はぜひ。わたしは今回初めて注文してみました。後日リポートします。
日本の農家のリアルを、ほんの少しですが、全国の従事者から、実に幅広く紹介してくれるBS朝日のテレビ番組。元々はまったく別の職業だった、農業転職組が日々奮闘する様を垣間見ることができます。見れば見るほど、もっと農家のことが知りたくなるはず。そして、彼が幸せそうに食べる姿に萌えるはずw
・堂下園芸(産直通販サイト「MERRYNA(メリーナ)」より)
福井県あわら市の農家さんの紹介文あり。堂下さんの野菜は、この記事を投稿した時点で、MERRYNAやポケマルなどの産直通販サイトでは取扱いなし。楽天ふるさと納税やふるさとチョイスなどの、ふるさと納税系サイトでのみ取り寄せ可能となっています。
「返礼品を求めない形でのふるさと納税」ができるサイトが設置され、受付を開始されていました。受付中の自治体は、限られていますが、気になる街へ思いを届けてみてはいかがでしょうか。
「返礼品を求めない形でのふるさと納税」ができるサイトが設置され、受付を開始されていました。受付中の自治体は、限られていますが、気になる街へ思いを届けてみてはいかがでしょうか。記事投稿時点で、さとふるより、少し受け入れ先が多い状況(県庁への募金など)。自治体によっては、他府県の市町村が受付業務を代行して協力しているようです。
本サイトの運営費用を補うために、関連リンクでは、楽天アフィリエイトなどを利用して、わたしが実際に使用している農業資材や販売店などのプロモーションを行っています。よろしかったら、のぞいてみてください。
寄付額5000円で返礼品がいただけるものを揃えましたが、今後、金額(または内容物の量)は変更になる可能性があります。また、寄付時期や在庫状況によって、詰合せ内容は変化していきます。何が届くのかはお楽しみです(野菜の種類を完全に指定している自治体も探せばありますよ)