最終更新日 2023.03.09
3月1日に施肥する寒肥え作業(+植え替え作業)がボリュームがあるため、作業日を分割して実施しています。
今回は、かんきつの回。
寒肥えとは
読み方:かんごえ、かんぴ。植物が活動しはじめる、春のスタートダッシュに必要な肥料です。植物によって活動し始める時期にズレがあるため、その時期を調べておき、活動前に与えておく方が効果的です。
肥料の種類として、化成肥料は数週間から1か月ほどで肥効が終わるものが多く、そのため、効きが強すぎるため、できるだけ有機肥料を選ぶ方が望ましいようです。寒肥えに関しては、有機肥料の方が育ちがより良くなり、果樹や花ものの場合は、実付き花付き、味覚にも影響するとのこと。
そういった点から、商品パッケージに「寒肥え」をうたった商品には、たいてい「有機100%」または「有機肥料入り(化成肥料)」と書かれているかと思います。
庭植えかんきつ品種不明
1~2年前だったか、庭にかんきつが生えていることに気づきましたw。南天の株元から芽が出ているため、このかんきつは、鳥が運んできたのかも。実生でもあるため、結実は期待薄です。
成育状況
まずは、防寒対策の様子。今まで完全に放ったらかしでも、そこそこ育ってましたが、今冬から防寒対策。ビニール袋を使いました。ある程度、枝を縛って、袋をかぶせやすくしています。こういった袋で覆うと、葉の蒸散で水分が袋に集まって、蒸れるだけでなく、水がどんどん溜まって枝に負荷がかかります。よって、空気穴を少し開けていました。
今回の施肥作業前に、防寒の袋を取りました。葉は青く、元気そうです。ただ気になった点がいくつか。
恐らく過湿が原因でところどころ、葉っぱがカビています。スス病ではないと思います。防寒資材としては不織布がベターかもですね。
また、派手に虫食いの跡もあります。袋の中が温室状態で、アゲハの幼虫が育っているのかも。隠れるのがうまいので、どこにいるのかわかりませんが、袋を取ったから、自然消滅するかと思います。夜間はまだとても寒いですので。
とげもかなり伸びたようです。1回切ってもまた生えてくるんですね。とげを伸ばすぐらいなら葉っぱを出してほしいものです。。
施肥作業
しっかり肥料を与えるようになってからは、目に見えて、めきめきと成長しました。肥沃なお庭なら不要かもしれませんが、痩せた土なら、肥料は大事です。
手持ちの有機肥料を配合して、8-8-8に近くなるようにしました。左からカニガラ40g、溶リン使用せず、魚粉20g、油粕使用せず、硫酸カリ使用せず、腐植酸30g程度(と計画したはずが、先日与えたぶどうの寒肥えがあまりに多すぎたことに気づいて、ぶどうに与えたものを3分の2ほど取り除いて、そのまま庭の柑橘に流用。かんきつは肥料食いなので、多少多くても問題ないかと)
さらに「日清ガーデンメイト固形骨粉」100g程度(1粒12g)も加えて、トータルおよそ160g+腐植酸(樹高1.5mほどに対して)
枝先の土に2か所穴をあけて、そこに肥料を埋めました。肥料は、微生物によって、発酵・分解されていきます。有機肥料や米ぬかなどの有機物を土表面にまくと、白いカビが発生しますが、発酵がはじまっている証拠なので、商品の不良でもなく、病害が発生したわけでもありません。初めから土に埋めて(混ぜ込んで)おけば分解も早くなり、白カビを目にしなくて済みます。
ポット苗せとか
「せとか」は、”かんきつのトロ”と呼ばれるほど、高級みかんのひとつです。
先日2/14、楽天グリGOから取り寄せたポット苗を、そのままの状態で保管していました。まず、植え替えます。寒肥えは、元肥のように、土に満遍なく混ぜ込んで、植え替えに使用します。
当時1540円でしたが、2023年3月上旬の楽天スーパーセールでは、特設ページで、せとか990円で販売されています。いいな~。瀬戸内レモン770円、璃の香レモン990円もかなり安い。全部1年生なので、着果まで3~4年ほど育てる必要ありですけどね。SALEのチャンス逃しても、待てば、お得に買えるかも。わたしはキリがないのでグッと我慢です。。
成育状況
取り寄せ直後の写真ですが、現状も変化なし。葉の白いのは薬(銅剤)かと思います。安全なので問題ありません。
植え替え作業にあたって根鉢の確認
ポット苗が4号25センチ高のロングポットなので、根の状態をまず確かめてから、植え替えたいです。野菜や小花のような、小さい根鉢ならどんなサイズの鉢でも植え替えできますが、こちらはそうもいきません。
・根がしっかりと育っていれば、それを崩さないように深型の鉢へ
・根の育ちが未熟なら、底の土を少し落として浅型の鉢へ
どちらかと言えば、下の方を予想していましたが、ポットから出してビックリ( ゚Д゚)
ほとんど細根がないから、全く土を抱いてない(根鉢が完成していない)。畑から掘り上げたものをポットに移し替えたばかりだったようです(恐らくポットに収めるために畑でしっかり伸びていた太い根は切り詰めてある)。しかも、主幹が底近くまで伸びていて、先端の太い根がポットに押し込められている模様。。つまり、浅い鉢にはとても収まらないため、ポットと同じ深さの鉢を用意する必要があります。
畑から掘り上げた苗の根をばっさり切り落としてしまうのは、農家としては通常かもしれませんが、これを適切に植え替えて、枯らさないように管理するのは、素人には至難の業にも思えるんですが、、頑張ります。
ロング鉢と土量の関係
25センチ高の鉢を用意するには、スリット鉢なら10号クラスになります。ただ、土が大量に必要なのと、4号苗を10号鉢など、大幅にサイズアップした鉢に植え替えるのはとても危険です。この苗は、根がなく、水が十分吸えない状態です。つまり、なかなか土が乾きません。すると、土がずっと濡れた状態になってしまい、根腐れを起こして、枯れる原因になります。
そこで悩みましたが、元のロングポットで管理することにしました。元のままなので、鉢の高さ問題はクリア。あとは、4号サイズなら、かなり土量と根域も制限できます。早く乾きやすく、根が早めに詰まりやすいので、生殖成長(結実)に移行しやすいです。本当は全く同じ4号サイズより、気持ちとしては5号ぐらいの深型がいいですが、手元にありません。
残る問題は3点。ひとつは、ポットが細く不安定で倒伏しやすいこと。二つめは、ポットが薄いプラスチックなので、外気温の影響を直接受けてしまうこと。三つめは、猛暑期などは乾きが逆に早過ぎる恐れがあること。
そこで、ロングポットがまるごと隠れる程度の大きな鉢(鉢カバー)にいれることにしました。今回採用したのは、大和プラスチック社のスリット鉢10号(カバーの役割が果たせればいいのでスリットである必要は無し)
鉢の大きなすき間を埋めるために、安価な大粒鹿沼土を投入しました。これで、地温上昇とポットの不安定さは解消したはず。乾きの問題は、まず土の表面を販売時についていたフェルトなどで覆い、乾きの速さに間に合わなければ、こまめに水管理することで対応します。自動潅水が使えるようになれば、怖くないかも。
根が弱い(弱らせる環境の)苗は、枯れるリスクがとても高いです。かんきつは根の成長が緩慢なようなので、水切れなど、異常が発生する前に素早く気づくことができるでしょうか。。
土と元肥
植え替えに使用する用土は、元土を再利用しました。バークたい肥がたっぷり使われており、他に硬質赤玉土や、粘性のある赤玉の微塵土などで、かなりしっとりしています。同店のBKシードレスと同じ土かなと思います。水持ち水はけともに良さそうです。ここに、元肥を加えます。
5号鉢の場合、トータルめやす12g程度。内訳:カニガラ4g、溶リン1g、魚粉4g、油粕4g、硫酸カリ1g、の合計14g。当初5号鉢に植え替えるつもりでこれらをミックスしてしまいましたので、このまま使います。かんきつの春季は肥料を食うので、若干多めでもいいかもしれません。これらは数か月程度で消費されます。さらに、腐植酸1g、緩効性化成肥料(半年から1年の肥効)マグァンプK 4gも加えました。こちらは4号鉢に応じた分量です。
植え替え後のようす
とにかくこの1年、枯れないように水管理を注意深く行います。と言っても、基本的に他の鉢と同じように管理するだけです。果樹なので、風の当たり過ぎない場所で、太陽にしっかり当ててあげます。
来年の3月が楽しみになってきました。一年間で一体どのぐらい根が成長してくれるのか。その前に枯らすことなく一年間、管理できるのか。。
今回、切り戻しも行いました。販売元の指南書に書かれていた「模様木仕立て」というやり方に則っています。鉢の高さと同じだけ、主幹を残して、その上部は切り落とすのだそうです。今時期はそこまで日差しは強くないですが、切ったばかりなので、一応、直射日光が当たらない場所で1週間は管理しておきます。
切り口にいつも塗っている、カルスメイトは今回試験的に塗りませんでした。経過を観察していきます。
鉢カバーにスリット鉢を使うと、もったいないので、後日、ノンスリットのプラ鉢に入れ替えるかもしれません。ちなみにポリポットは、底だけにしか穴があいていません。その代わりに、木炭をポットの側面に入れました。表面から底まで入ってます。空気と水の通り道になるほか、微生物の住みか、根回り防止にもなるのではと思っています。この方法がどのぐらい有効かまだ未知ですが、情熱大陸(2022.5.22放送)で紹介されていた樹木医の後藤瑞穂さんが炭を使って、樹木のメンテナンスをされていたのをヒントに、私が考えたものです。
ちなみに、こちらの「せとか」は接ぎ木苗です。幹がふた又に分かれたようになっているので、「切り接ぎ」のようです。ちゃんとくっついているように見えますが、幹が太くならないうちに、強風にあおられると、ぽっきり折れてしまいそうです。支柱を1本斜めに添えてもいいかもしれませんね。
庭の謎の柑橘ですが、実生の可能性が高いですね。
したがって、親が不明な訳で、美味しい果実が実るのか?とっても不味い果実なのか?楽しみにしておきましょう。
初結実は、10年以上かかります。
このような環境で発見された昔の品種は「偶発実生」と呼びます。
息子も学生の頃、美味しかった果実の種子を撒いて育ててますが、10年たっても結実してません。あと数年でしょうね。
コメントありがとうございます。
鳥のフンから果樹が生えてくるなんて、
つい最近まで信じられなかったですが、
植物は果実を食べてもらうことで、
新たな地へ移動して、
その命をつないでいるらしいことを知り
とても驚いています。
そのような意図を植物が持っているという
生命の神秘!!